yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

ハナモゲラ奇声で「こねこ、ねこのこおこぜのこ~・・・」と喚き会場を沸かし煽る余裕のバトルパフォーマンス。山下洋輔トリオ『モントルー・アフター・グロウ』(1976)。

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アルバート・アイラーの『ゴースト』から日本の唱歌「赤とんぼ」へとアドリブ展開する坂田明。アルトサックスのフリーキーな咆哮とアフリカ土着人(モンゴリアン!?のような風貌でもあるが)の如きハナモゲラ奇声で「こねこ、ねこのこおこぜのこ~・・・」と喚き会場を沸かし煽る余裕のバトルパフォーマンス。1974年はじめてのヨーロッパツアーの大ブレーク以来4度目になるという1976年のツアー最後のライヴ音源。スイス・モントルーでの「モントルー・インターナショナル・フェスティヴァル」でのもので、≪「フリージャズの夕べ」にセシルテイラー・クインテット、サン・ラ・アーケストラと肩を並べて出演、大喝采を博したのだった。≫(解説・野口久光)その当のコンサート・ステージでの収録ということである。この時点では、ドラムは森山威男から小山彰太にメンバーチェンジしている。これが今まで拙ブログで取り上げてきた山下洋輔トリオのもので小山彰太が登場する初めてのものとなる。違和感はない。しかし風貌の違いは明らかだ。片やスポーツ狩りのアンチャンのような森山威男に較べ、浅田彰的どこか線の弱そうな風貌の小山彰太といったところである。確かに、けしかけ、煽り、また喧嘩を仕掛けるような豪胆、そしてパワフルさはないかもしれないけれど。いや、その風貌の違いがドラミングの違いとして現われていると云った方がいいのかもしれない。そのぶん坂田明が自在奔放にアドリブに舞っているように感ぜられる。ま、これだけストレート・直球勝負で押し切るフリージャズも清々しいものである。まさに、あれこれ捏ねくりまわさず、まっすぐにやりたい事をやるのが我がプロト・フリージャズといわんばかりの疾走である。山下洋輔トリオ『モントルー・アフター・グロウMONTREUX AFTERGLOW』(1976)。SIDE1、『ゴーストGHOSTS』。SIDE2、『バンスリカーナBANSLIKANA』。