yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

2005-11-01から1ヶ月間の記事一覧

アルファー波のパルスに同期するデビッド・ローゼンブームの反復音楽

Piano Etude I (Alpha) [1971] / David Rosenboom http://www.youtube.com/watch?v=ksJGM1-EQzY ここには風変わりなミニマルミュージックがある。スティーブ・ライヒの微妙にずれてゆく音の変化の面白さ、それらの変化はある程度の識別をもって聴きだす事が…

クラウス・シュルツの至福瞑想するシンセサイザーの手招き

Klaus Schulze - Irrlicht (Full Album) http://www.youtube.com/watch?v=RhmMQozfSBY&feature=relmfu シンセサイザーが奏でる持続音のウエーブに身を沈めるあなたに遠くかなたから送られてくるメッセージは、甘美な永久の眠りへの誘いかもしれない。抗しが…

作品以前に方法を指し示すジョン・ケージ

ジョン・ケージの作品を聴くとはどういったことなのだろうか。ライブで、あるいはレコード等の媒体を通じてであっても一体いかなる意味を持っているのだろうか。確かにその存在自体をうさんくさいモノとして毛嫌いあるいは無視する音楽家は多いそうだ。しか…

アントン・ウエーベルンの研ぎ澄まされた無調の美

人はしばしば思わぬ終末を迎えるものだ。いや振り返るとそれがそのように意味づけられてそうであったといえるだけなのかもしれない。元ナチ親衛隊の娘婿が闇取引に関与していたのが遠因となり、喫煙のためベランダに出てタバコに火をつけたのが、オーストリ…

ペンデレツキの神の埋葬に迷う敬虔なる人々への祈り

Krzysztof Penderecki: Untrenja (2-5) Part 1: The Entombment of Christ (1970) http://www.youtube.com/watch?v=pGJr1zCX4HY 圧倒的な宗教世界、ついぞ私たちは姿を見せぬ神との対話にあけくれた辛い歴史を持たぬ。祭り上げた神をめぐっての長きに亘る戦…

モートンフェルドマンのロスコーチャペルでの至高の祈りと瞑想

http://www.youtube.com/watch?v=qxSt_w2ODaQ 音源 Feldman: "Rothko Chapel"(Mark Rothko, paintings) ≪立派な作品ほど静謐で強い。 その静けさの底に、沸々たる精神が封じこまれているからである≫ (宇治山哲平) マークロスコーの絵をご覧になったこと…

松村禎三のオスティナートに極まるダイナミックなオーケストレーション

Matsumura: "Symphony No. 1", Mvt. 1 http://www.youtube.com/watch?v=SfcwttanAZ4 松村禎三 - ピアノ協奏曲第2番 Teizo Matsumura - Piano Concerto No.2 (1978) http://www.youtube.com/watch?v=zmJp4vHv8LQ おおよそその容貌からは想像できない圧倒的な…

ホワイトノイズに光速で消え行く<わたし>

Joji Yuasa - Projection Esemplastic 1963(Japan Proto Industrial/Electronic Noise) http://www.youtube.com/watch?v=hqB_lofJQpg 70年前後独学で優れた作品を発表し続けていた二人の作曲家、武満徹と湯浅譲二、武満が天性の感性の人とすれば湯浅譲二は実…

持続反復する瞑想ミニマル・ロック

Tony Conrad / Faust http://jp.youtube.com/watch?v=_hgvK9k39K0 60年代後半プログレッシブロックの登場は、フリージャズ、現代音楽をおもむくままに聴いていたものにとっては、なかなかやるじゃないかといった印象をもたらすものであった。その背景には電…

悲鳴捻転、咆哮するジャズに耳ふさぐか<美神>

情念が吹く。30数年前に受けた感動が今なお褪せずやってくる。「ホンマモンやったんやな」とも思う。このような圧倒的な印象を覚えたフリージャズは少なくとも私には、御当地日本にはなかった。理知に過ぎる,さほどの印象も呼び起こさぬフリージャズ、すぐ…

確信に満ちた時代の歴史の歌

Luigi Nono - La fabbrica illuminata http://www.youtube.com/watch?v=yzcAzCEtAbs 社会主義者でもあったルイジ・ノーノは90年に没したとあるので享年66歳ということになる。早いか遅いかは知らない。吉田松陰だったか「人の一生には春夏秋冬がある」と…

飽きるほどの反復くりかえしにも意義はある。

In C by Terry Riley - original recording - Part 1 http://www.youtube.com/watch?v=OjR4QYsa9nE 唄を歌うでもなく、メロディーを口ずさむでもなく、あなたは一人所在無く坊主の読経するが如く低い声の持続音を口ずさみもて遊んでいたことがないだろうか。…

ジャン・デュビュッフェの<子供>になれない大人たちへのメッセージ

Jean Dubuffet - Prospère, prolifère:from "[http://www.avantgardeproject.org/agp74/Dubuffet.pdf Experiences Musicales de Jean Dubuffet]". http://www.youtube.com/watch?v=QT7o6nfor4Y アンフォルメルの画家、ジャン・デュビュフェの自作自演のレコ…

古代遺跡に橋渡す現代の音を聞く

http://jp.youtube.com/watch?v=LeoUobFdaUQ Xenakis- Persepolis [GRM Mix] (6/6) 古代の、いや前期人類にとって、青白く天を引き裂き、奔り光る稲妻、とどろく雷鳴は自然が放つ最大の恐怖であったと言う。昇り沈む太陽の、空を燃やさんばかりの赤い陽の光…

神様の後姿だけでも見たい人々へ

Penderecki: "De Natura Sonoris No. 1" http://www.youtube.com/watch?v=suuwg24QHYM&feature=related Penderecki: "De Natura Sonoris No. 2" http://www.youtube.com/watch?v=t9d8OopJrhg&feature=related 1939年ナチスドイツのポーランドへの侵攻、…

近藤譲のすべからく<人>中心に考える人たちへの音のメッセージ

近藤譲「オリエント・オリエンテーション」 Orient Orientation (1973) by KONDO Jo http://www.youtube.com/watch?v=roHezxbY4EE ピアノのおけいことおぼしき、それも初見なのか、ポツリポツリと音を拾い弾いてゆく。そうした音楽以前の音に新鮮な感動をお…

宇宙に音を聴く、佐藤聡明のモーダルミュージック

"COSMIC WOMB" for 2 Pianos with Digital Delay (Somei Satoh) - Margareth Leng Tan [Pt. 1] http://www.youtube.com/watch?v=CTruQetJMuU ゆくりなく揺らめく圧倒的な情動のウネリ。その思想、音楽のベースはミニマルミュージックにあるのだろう。単純な…

叙情に足をすくわれないために拮抗する厳しさ武満徹

戦後復興期に青年時代を送り、かつ独学ゆえの涙ぐましいまでの数々のエピソードは余りにも有名である。 それらは常人でない強い意思、才能の持ち主ゆえか、又人間性の故か、多くの人との良き交流として夙に知れていることだ。作曲に必需のピアノが無く紙の鍵…

英国フリージャズ、AMALGAMの愛と祈りは、人を気高く崇高にさせる

なぞの死を遂げたあのアルバートアイラーのサックス、ベース、ドラムスによるトリオ演奏「スピリチュアルユニティ」は、フリージャズの成果としてつとに有名であるが、どうもフリージャズは、と常々思われておられる方々には、むしろこのサックス奏者、トレ…

ピエール・ブーレーズの無調の知性が創り出す厳しい美とはかくや?

ストックハウゼン、ルイジ・ノーノ、ルチアーノ・ベリオ、これらの作曲家達に、割って入るのがピエール・ブーレーズと言うところだろうか、指揮者として、とりわけストラビンスキーの「火の鳥」、「春の祭典」、の演奏には感動した記憶が鮮明だ。誰しもが圧倒…

アート・アンサンブル・オブ・シカゴのスウィングしてるばかりがジャズではない

Art Ensemble of Chicago - Old Time Religion http://www.youtube.com/watch?v=0rNJwQJKPuQ 私にとってはコルトレーンよりも山下洋輔のほうが、かつまたペーター・ブロッツマンのほうが、黒人系ジャズよりはヨーロッパ系、とりわけドイツ、イギリスのフリー…

<気>の抜けた平和大好きな人々への厳しいイサン・ユンのメッセージ

Isang Yun ~ Réak http://www.youtube.com/watch?v=wVK48U2swq4&feature=related スパイ容疑で逮捕。無実?陥れ?それとも?何気なくカメラを向けた事が、書物資料を所持蒐集していた事が、たまたまの出会い付き合いが、そうだろうと疑われ、かくなる事態に…

G・リゲティの未だ神様に出会ったことの無い人々に捧げる現代人へのレクイエム

György Ligeti (1923-2006) - Requiem (1/3) http://www.youtube.com/watch?v=MYgBG40jgLM 鎮魂の曲レクイエム。多くの名曲とりわけモーツアルトのそれは、その作品の作曲されたエピソードが余りにも有名であるだけではなく、奇跡とも言える音楽上の達成のひ…

イギリスに成果達成されたINCUS・フリージャズ

Evan Parker / Derek Bailey - Topography of the Lungs - Fixed elsewhere http://www.youtube.com/watch?v=JQMCDGQFIRw ドイツフリージャズの展開推進の中心は私の狭い鑑賞体験からは、(ところでいはずもがなですが私は音楽評論家、音楽学者でもなく単な…

ブライアン・イーノの聞くでもなく聴き、控えめに奏でられる音楽

Brian Eno: Discreet Music (Part I) http://www.youtube.com/watch?v=8zvmdO3K7LQ&feature=related Brian Eno: Discreet Music (Part II) http://www.youtube.com/watch?v=EEKHH2f0w2A&feature=related 1970年前後プログレッシブロックなるものもひとつ…

すべからく物事はズレのもたらす変化で生成多様化する

1960年後半アメリカを中心に展開された芸術の流れにミニマルアート、ミニマルミュージックがあったのはご承知のことでしょう。<自我><主体>等これら厄介なものを排除して極めてシンプルな素材を用いての創作、芸術活動があった。こうした動きの背後に、…

あなたに<素>の世界へ誘う革命家ジョン・ケージ

http://www.youtube.com/watch?v=e4zW6rgMHqQ&feature=related John Cage - String Quartet (1950) - 1. Quietly flowing along http://www.youtube.com/watch?v=3EPJv7su9Wo Witold Lutosławski - String Quartet - I. Introductory Movement この面白くも…

ドローン(持続低音)と電子変容されたバイオリンの揺らぐ音色の瞑想的世界

Takehisa Kosugi - Wave Code #e-1" (edit.) http://www.youtube.com/watch?v=uVFTFRXKKGY (audio) 小杉武久 - マノ・ダルマ '74 (extract) from "Catch-Wave" (1974) http://www.youtube.com/watch?v=7pGijXIx3YQ&feature=related ジョン・ケージ、デービッ…

合同ではなく相似です

恐ろしく不定期刊行の雑誌であった。2号の発行は実に1年後。待つのにくたびれた頃にやっと出た。多分まず読んだのは<場所と屍体>の稿であったろう。重力波の孤独なんぞと宣たまわれるともう堪らない。目くるめき正剛ワールドの展開に感じ入るばかりであっ…