2006-09-01から1ヶ月間の記事一覧
レコード見開きのデータを見ると、なんと1966年録音とある。これは驚きである。わが山下洋輔のプロト(フリー)ジャズのブレークは1969年であった。この頃に、かの地で斯くもすさまじくコレクティヴ・インプロヴィゼーションジャズの実践があったと…
いちばん下の「きいちのぬりえ」を レコードジャケットデザインに使っているのは 山下洋輔トリオ『砂山』(1978)(裏面) 彩色されたオモテ面はブログ登場の時としよう 先月8月22日付け日本経済朝刊の文化欄に<乙女のぬり絵>と題して蔦谷(つたや)喜…
いつも楽しませてくれるブログに、私が買った高い本というのがあった。職業上、なりわいとして必要とする類の高価な本を除けば、たとえば美術に興味があり、画集を紐解く趣味をお持ちの方などは、たぶん云うまでもなく美術書がそうした高価な本の範疇である…
Mozart Requiem 1,Introitus - Requiem aeternam - Kyrie eleison:Karl Richter これは自分のために書いたんだ、いつも、そう言ってたろう? (「人間最後の言葉」筑摩叢書4より) 曲初の、哀しみの出だしの荘厳に、まず聴くものすべての者の背筋に慄き奔り…
J.Suk, Z.Ruzickova Bach Sonata No.4 BWV 1017 1/3 前回はヨハン・セバスティアン・バッハJohann Sebastian Bach(1685-1750)の音楽史上比べるべきものなき無伴奏ヴァイオリン至高の『無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータBWV1001-1006』であっ…
Bach 's Chaconne for Solo Violin / Itzhak Perlman (Part 1/2) 無伴奏ヴァイオリン至高の音楽、それはバッハJohann Sebastian Bach(1685-1750)につきる。と先ずいっておこう。幾度聴いてもこの緊張をもってする精神の高みは、純粋であり、なにものかへの…
(上)『干草車』(1821) (下)『主教の庭から見たソールズベリ大聖堂』(1823) 先日のウィリアム・ターナーJoseph Mallord William Turner(1775‐1851)と同時代のこれまたイギリス近代を代表する風景画家、ジョン・コンスタブルJohn Constable …
武満徹:未来への遺産 メロディアスで印象的な汎古代といってもいいような、すべからくエキゾチックな響きのタイトル音楽とともに、壮大な廃墟と化した古代遺跡へと経巡る「沈黙の廃墟に人類の明日のあり方を問う」NHK・TVならではのドキュメンタリー番…
(上)『赤いリギ山』(1842)水彩 (中上)『カンポ、サント、ヴェネツィア』(1842)油彩 (中下)『雨、蒸気、速度―グレート・ウエスタン鉄道』(1844)油彩 http://www.allposters.com/-sp/Rain-Steam-and-Speed-Posters_i376327_.htm (下…
GINAMARIA HIDALGO - AMAR AMANDO 美人で美声とくれば、もう云うことなしといったところか。今回は前回のファドの女王アマリア・ロドリゲスに続き、タンゴとフォルクローレの国アルゼンチンの、歌唱力、実力、しかもその美貌で私の若き日の心を占めたことも…
Amalia Rodrigues _ Com que voz _ どんな声で どんな声で わたしの悲しいファド(宿命)を泣こうか わたしを情熱のこんなに固い大地の中に埋葬してしまった宿命を。 これほど大きな痛みがほかにあるだろうか 時がわたしに残した痛み時がわたしに残した痛み …
T.Murail - Barque Mystique (1) 昨日のいわゆるスペクトル楽派と括られているトリスタン・ミライユのCDアルバムはすべてなんらかのかたちで電子音響とアコースティック楽器で共に創りだされており、優れて魅力的で豊かな響きを聴くことが出来た。その収め…
Murail: "Le Lac pour ensemble" 1/3 フランスの現代音楽の作曲家、トリスタン・ミュライユTristan Murail(1947 - )。彼の作品は、徹底して電子音楽的な感性に依拠した音楽といえる。≪音響現象を音波として捉え、その倍音をスペクトル解析したり理論的に倍…
(上)『花』(1978) (中)『月光波濤』(1979) 「音にならぬ音、停止した動感、 深い、しずけさを表現してみたいと思った。」(加山又造) (下)『春秋波濤』(1966) 今日はデスクトップコンピュータの買い替え再設定でエネルギーと時間を…
なにげなく目に留まるものほど美しいものは無い。新聞雑誌などで印象深く目に飛び込んできた画像結構多いのではないだろうか。別に歴史的な評価を得ている作家の作品でなくとも、目にし心うたれた経験少なからずもっておられることと思われる。おおむねすぐ…
(上)『星降る夜、アルル』(1888) (中)『夜のカフェテラス』(1888) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%BB%E5%83%8F:Gogh4.jpg (下)ローソクを帽子のつばに立てたゴッホの想像図 星空を印象的に描いたゴッホには、『星降る夜、アルル』(1888)と…
(上)『野の花』(1936) (中上)『生々流転』(1923) (中中)『或る日の太平洋』(1952) (中下)『夜桜』部分(1929) (下)『流燈』(1909) 「一言でいふと、君の絵には気の利いたような間の抜けた様な趣があって、大変に巧みな手際を見せると同時…
Penderecki: concerto for cello and orchestra No. 1 (First part) やはり並みじゃないとの印象強くするアルバムだった。最近は彼の音沙汰もあまり聞かれなくなっていた。たしかに旋律が前面に出てきて保守的傾向を強めているとの風聞と、数少なくなった放…
Gavin Bryars - Jesus' Blood (never failed me yet) 投稿音源のものではありません。 アンビエント(環境音楽)の提唱、実験推進者でもあったロックシーンのブライアン・イーノとの交流もあり、世紀の音楽コンセプト革命家ジョン・ケージ、モートン・フェル…
(上)『本牧海岸』(1877頃) (中上)『鮭』(1877) (中下)『鱈梅花』(1877) (下)『花魁』(1872) 「悉(ことごとく)皆真ニ逼(せま)リタルガ上ニ一ノ趣味アルコトヲ発見シ、忽(たちま)チ習学ノ念ヲ起セル」と石版画(洋画)を見て取りつかれ…
(上)『白い花』(1947) (中上)『秋晴れ』(1948) (中下)『アダンの木』(1972‐73) (下)『エビと魚』(1976頃) ≪芥川龍之介は「天才とはわずかにわれわれと一歩を隔てたもののことである。同時代は常にこの一歩の千里であるこ…
高校生のころ世界史、とりわけ、ギリシャ、ローマ時代は興味のあるところであった。それとシルクロード。身近ゆえにか日本史はなんとなく毛嫌いしていた。のち網野善彦の中世史を知るに及んで日本史も面白いものだと先入観改めたが、とき遅しであった。入試…
けさ新聞記事、それもごく片隅に小さく掲載されており、また出勤途上の車中でのラジオニュースでも聞くに及んだ高松宮殿下記念世界文化賞(たかまつのみやでんかきねんせかいぶんかしょう、Praemium Imperiale)今年度の受賞者にスティーヴ・ライヒの名があ…
(上)『春畝(しゅんぽ)』(1888) http://www.tnm.go.jp/jp/servlet/Con?&pageId=E16&processId=01&col_id=A11243&img_id=C0034989&ref=2&Q1=&Q2=&Q3=&Q4=115_____41___&Q5=&F1=&F2= (中上)『グレーの洗濯場』(1901)http://www.bridgestone-mu…
今朝出がけに、新聞を読んでいて『ノンタン』が発行されて30年、総発行部数いくら、増刷何版云々の記事が生活文化欄?にあり、そう言えばわが子供もこの『ノンタン』は殊のほかの愛読書であったのを思い出し、朝餉の台所に忙しい連れ合いと話題にしたこと…
このいささかの詩情にはなにやら既視感を覚える風情を感じないだろうか。どこかで見たような、しかし日本ではなく時代を感じさせる泰西名画とやらの書物で目にしたような構図と絵のような感じである。見れば見るほど、雪が大気の埃を落とし、また音をも吸い…
Witold Lutosławski - Trois poèmes d'Henri Michaux (I. Pensées) この拙いブログですでに幾度となく登場している20世紀を代表するポーランドの作曲家ヴィトルト・ルトスワフスキWitold Lutosławski(1913-1994)。この<20世紀を代表する>との謂いは…
Somei Satoh: Mandara 1/3 大気が渦巻きうなり、声となる。音声はまさしく大気の呼吸である。呼吸に生命の息吹を感じ、律動に息吹く。まさにこのアルバムから聴くいきなりの印象はこれらに尽きるといってもいいだろう。佐藤聡明の『Mandara Trilogy』(1998)…
(上)『二つの薔薇』(1977) (中上)『向日葵(ひまわり)』(1982) (中下)『駒ケ岳』(1982) (下)『達磨』(1985) 「一番頭の調子のいい時は絵を描く。次に調子のいいときは書を書く。その次に調子のいい時は文を書く。一番頭の…
Luigi Nono ... sofferte onde serene(苦悩に満ちながらも晴朗な波)... (1/2) Markus Hinterhäuser performing Luigi Nono's ... sofferte onde serene ... for piano and tape (1976), recorded live at the Stadtkino in Salzburg in 1991. 「進むべき道…