yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

2009-10-01から1ヶ月間の記事一覧

福岡 伸一『世界は分けてもわからない』(講談社・2009)。

Bach (Allemande from French Suite N.4) played by Nikolajewa and Gould 「私が人生の中で知った最大のことは、知らずに生きつづけるということです。すべてが神秘であるが、それがひとつひとつわかるようになるのです。」(リチャード・ファイマン) きょ…

ピーター・ゼルキン『イン・リアル・タイム~ゼルキンに捧げられた9篇のピアノ曲集』(1996)。現代の抒情、ネオロマンティシズム。やはり武満徹作品はヴァーチカルな深さで抜きんでている。

Tōru Takemitsu: 閉じた眼Ⅱ Les yeux clos II (1988) piano:Peter Serkin, picture by Odilon Redon 私自身、作品主義といったら言いのだろうか、演奏者、演奏がどうのこうのにはあまり関心が無い音楽ファンを自認している・・・。もちろん個々の好き嫌い程…

モーツァルト、R・シュトラウス 『オーボエ協奏曲集』。「私はもう過去の作曲家であり、私が今まで長生きしていることは偶然に過ぎない」との言葉と裏腹な自存自立した美学世界のこの見事なまでの達成境地。

Ivan Podyomov plays Richard Strauss oboe concerto (part 2) 投稿音源のものではありません。 だいぶ前のことだけれど、わが町の図書館で三枝 成彰(さえぐさ しげあき、1942 - )著になる「大作曲家たちの履歴書」(中央公論社)を立ち読みしていて、その…

ポール・ラザフォード『OLD MOERS ALMANAC』(1976)。イギリス・フリージャズの傑作「ISKRA 1903」(1971-72)で光彩放っていたトロンボニストのソロアルバム。

PAUL RUTHERFORD + TORSTEN MUELLER: Portland,OR. January 2006 投稿音源のものではありません。 ジャケットデザインが良いという事で先ずはレコード棚から取り出したのだけれど。イギリス・フリージャズのトローンボーン奏者のポール・ラザフォード Paul W…

スティーヴ・レイシー『TRIO LIVE (ITALY)』(1976)。秀逸だ。今まで聴いたスティーヴ・レイシーの音盤のなかでは、最高に面白く聴けた一枚。地味なんてとんでもないと云った印象だ。

Steve Lacy Quintet - Blues(1979)(part 2 of 2):"Blues" a.k.a. "Blues for Aida" was dedicated to Akira (Aquirax) Aida (1946-1978), Japanese Jazz critic / producer. 投稿音源のものではありません。 ソプラノサックスのスティーヴ・レイシー Stev…

リヒャルト・シュトラウス『最後の四つの歌』。最初の2曲を聴く。けれどもやはり・・・。

Elisabeth Schwarzkopf: Beim Schlafengehen 投稿音源のものではありません。 リヒャルト・シュトラウスの最晩年、死の前年に作曲された傑作「最後の四つの歌」は、 「人生は黄昏れるものだからね・・・」と ≪吉田秀和の『永遠の故郷<夜>』。≫の著書に誘わ…

ベルリオーズ『幻想交響曲』。このオーケストレーション・・・そういえば楽聖ベートーヴェンの構成厳格を色彩多彩豊麗にロマン的な響きで飾りたてれば斯くなるかとの思いであり、合点了解。

Berlioz: Symphonie fantastique / Rattle • Berliner Philharmoniker 先日たまたまラジオから流れていたのがルイ・エクトル・ベルリオーズ(Louis Hector Berlioz, 1803 - 1869)の27才の時の作品『幻想交響曲』。後でわかったのだけれど、指揮はサイモン…

日本合唱曲全集「現代合唱曲選集(1)」。<声><ことば>と<音楽>、その只今現在での出会いの斬新と革新。斯くもすばらしい精華を成熟を聴き逃す手はない。

合唱・「手紙 ~拝啓 十五の君へ~」 投稿音源とは関係ありません。 今まであまり合唱曲なるものは聴いてこなかったのだけれど、何気なく図書館借り受けのネット検索で、高橋悠治、湯浅譲二、松村禎三、芥川也寸志の合唱作品が収録された日本合唱曲全集『現…

鈴木弘=富樫雅彦 クインテット『VARIATION』(1969)。ニュージャズ模索期パフォーマンスドキュメント。

きのうに引き続き、きょうも国産和製ジャズ。鈴木弘 =富樫雅彦 クインテットの 『VARIATION』(1969)。ハッキリしませんがたぶん再発ものなのでしょう。中入れの宣伝コピーは以下の如し。【富樫雅彦=鈴木弘の双頭クインテットは前衛手法を大胆に取り入れたグ…

鈴木良雄『フレンズFRIENDS』(1973)。すばらしい国産ジャズ。おまけに録音が非常にいい。

Yoshio Suzuki - From Country To Town 投稿音源のものではありません。 きょうは気楽にモダンジャズの、それも国産の良質のジャズ鑑賞としよう。いつもと同様机上のノートパソコンを前にヘッドフォーンで聴いているのだけれど、フルパワーでスピーカーをガ…

チャールズ・ウォリネン『Chamber Concerto For Cello And 10 Players』(1963)ほか。米東部エスタブリッシュメント。ツマラナイことはないけれどオモシロくは無い。

Charles Wuorinen: Chamber Concerto for Flute and Ten Players (1964) Prima parte きょうは、アメリカの現代音楽作曲家チャールズ・ウォリネン(Charles Wuorinen, 1938 ニューヨーク - )。ミルトン・バビット Milton Byron Babbitt (born May 10, 1916‐…

ルチャーノ・ベリオの『ア=ロンネ A-RONNE、ロンドンの呼び売りの声CRIES OF LONDON』(1976)。音楽と言葉。

Luciano Berio: The Cries of London (2/2) ルチャーノ・ベリオの『ア=ロンネ A-RONNE、ロンドンの呼び売りの声CRIES OF LONDON』(1976)。レコード帯には「音楽と言葉の新しい世界をひらく意欲作」とあるのだけれど・・・。たしかに売り子の、客を呼ぶ声は…

ルディゲー・カール『King Alcohol』(FMP006・1972)。とりわけトローンボーンのギュンター・クリスマンがすばらしい。豊麗でかつ力強く豪胆。このトローンボーンには痺れます。

Günter Christmann trb :Vario 33 @ Moers Festival 1992 投稿音源のものではありません。 ドイツ・フリージャズの拠点、FMPの金字塔的アルバム≪ヨーロッパフリージャズの金字塔、ペーターブロッツマンが詰まった3枚BOX≫のリリースレコードナンバー…

『谷川俊太郎が聞く 武満徹の素顔』(小学館・2006)。だが、素顔の背後にある<音楽の秘密>は・・・。

Takemitsu Soundtrack Documentary (6 of 6) 私の行為の果てに、目的というのはない。だから、完成という、怠惰と欺瞞は、私の仕事においてはありえない。私は「誰のため」にも書かない。私にとって作ることは生きることなのです。(1956年「美術批評」…

Willem Breuker Kollektief 『The European Scene - Live At The Donaueschingen Music Festival』(1976)

Willem Breuker Kollektief - Amsterdamned Jazz 投稿音源のものではありません。 だいぶ以前のことになるけれど、ブログ開設間もなくに≪ICP出立を祝う<001>ハン・ベニンとウィレム・ブロイカーの 『NEW ACOUSTIC SWING DUO』 (1967)≫を取り上げた。…

豊住芳三郎 (dr)、高木元輝 (ss、bcl)、徳広 崇 (b)『藻 WATER WEED』(1975)。抑制された熱気。一級品。

阿部薫・豊住芳三郎 Duo Improvisation (1978 ) (part 2 of 3) 投稿音源のものではありません。 1975年の収録とある。この頃はフリーが燃えていたのだろうか。わが山下洋輔のヨーロッパツアー大ブレイクがその前年74年のことだった。そして当の75年も二…

ヨーコ・オノ『プラスティック・オノ・バンド』(1970)。音楽的評価ウンヌンはともかく、ドキュメント・資料的価値はあるだろう。

Yoko Ono: "Yang Yang" (1972) 投稿音源のものではありません。 先日新聞記事にオノ・ヨーコ(Yoko Ono Lennon、日本名:小野 洋子、1933 - )音楽活動再開アルバムリリースとあって、そのなかに【2009年6 月、現代美術の世界的祭典、第53回ベネチア・ビエン…

ショスタコーヴィチ、チャイコフスキー『ピアノ三重奏曲』。

Tchaikovsky Trio: Heifetz, Rubinstein, Piatigorsky (part 1) 投稿音源のものではありません。 きょうもまたまた図書館ネット借受のアルバム。本来の眼目はショスタコーヴィチの「ピアノ三重奏曲第2番」を一度聴いてみようということだった。と言ってもと…

アルヴォ・ペルト『タブラ・ラサ~弦楽オーケストラ作品集』(1997)。聴くことの聖性は静謐からやってくる。

Arvo PART: "Fratres" for violin, strings, percussion ≪人の五官は、視覚と聴覚とを主とする。見と聞とが、外界に対する交渉の方法であった。しかしそれは、単なる感覚の世界の問題ではない。「みる」とは、その本質において、神の姿を見ることであり、「き…

『光の雅歌―西村朗の音楽』(春秋社・2005)。まだ50才代、現役の作曲家にしての作品形成史・解題本。その人気実力のほどが窺われるというものだろう。

「・・・何ていうか、言葉にすると何でこんなにわかりやすいんだろう。 僕はわかりやすい作曲家ですか?(笑)でも、いいじゃないですか。」 図書館のネット借受した『光の雅歌―西村朗の音楽』(春秋社・2005)を読ませてもらった。 【祖父と両親のことや、…

デヴィッド・トゥープほかトリオの『CHOLAGOGUES』(1977)。決まりごとの無い音の始原をめぐる遊び。だが幽そけく、抑制と言うすばらしい理知が働いている。

david toop - falling light 投稿音源のものではありません。 何の取り決めも無く、演奏家として培ってきた音楽習練、それに身にしみこんだイディオム、そうした一切を放棄したトリオによる即興演奏。退屈と言えばそうだけれど、この散漫さ、意図せぬ異様な…

ルネ・フレミング 『夏のなごりのバラ ~フレミング/ビューティフル・ヴォイス』(1998)。伸びやかで艶やか、豊麗な声質。もう感嘆のほかない歌唱だ。

Renee Fleming - Strauss Four Last Songs - Strauss' 4 Last Songs - Im abendrot Renee Fleming sings the 4th of Strauss' vier letzte lieder. Proms, 2001. 投稿音源のものではありません。 <第4曲「夕映えのなかで」 長い旅をしてきた二人が、夕映え…

松村禎三、武満徹、三善晃、吉松隆『トゥイル・バイ・トワイライト』(1997)。とりわけ圧倒的な松村禎三「ピアノ協奏曲第2番」。ココロ鷲づかみにされることだろう。

Toru Takemitsu - All that the man left behind when he died (「死ん だ男の残したものは」) 投稿音源のものではありません。 死んだ男の残したものは ひとりの妻とひとりの子ども 他には何も残さなかった 墓石ひとつ残さなかった ・・・ きょうのCDアル…

アントン・ブルックナー『交響曲第5番』。「蛇 長すぎる。」とのジュール・ルナールのことばが想起される。

Bruckner - (1/11) Symphony No. 5 in B flat major - I. Introduktion: Adagio – Allegro 「蛇 長すぎる。」とは、てっきり芥川龍之介の言葉だと思っていたら、その原著書ジュール・ルナールの『博物誌』を愛読していた芥川龍之介が、それから引用し、ひろ…

シュリッペンバッハ・クァルテット『Three nails left』(1974/75,FMP 0210)。エヴァン・パーカーのサックスがすごい。超硬質なこのテンション。ヨーロッパ・フリージャズの極み。

Peter Brötzmann Quartet - improvisation (1974/10/17) (1/3):Peter Brötzmann - tenor saxophone, clarinet, mouthpiece, Alexander von Schlippenbach - piano, prepared piano, Peter Kowald - contrabass, Paul Lovens - drums, percussion 投稿音源の…

アンドレア・センタッツオ『FREEDOM OUT!』(1976)。リズムを刻むというより音色への選好を特長とするようだ。

Eternal Traveler - Symphony of Machines - Andrea Centazzo 投稿音源のものではありません。 Andrea centazzo アルバムデータをコピーペーストでとネット検索してみてもヒットしない。それにリーダーとおぼしきパーカショニストのアンドレア・センタッツオ…

ブラームス『弦楽六重奏曲集』。映画音楽にも使われて、そのロマンティックな曲趣で世に知られた「第1番 作品18」の第二楽章を聴こう。

Brahms: String Sextet op18 II. Andante ma moderato 毎日曜日は散歩がてらの図書館通い。歩いて10分ほどの距離だ。それ以外ほとんど出歩くことはしない。ネクラな週休の過し方だ。べつに処世訓めいたポリシーがあってのことではない。恥ずかしながらそう…

パオロ・カスタルディ『Finale』 (1971-1973)。≪表題曲主題と変奏曲によるピアノ組曲≫だそうなのだが、これまた「?」のまま鑑賞を終えてしまった。ウ~ン、ポストモダン?!。

SOLFEGGIO PARLANTE teatro musicale, performance / Paolo Castaldi:Cardini, Solfeggio parlante per voce sola (1973) 投稿音源のものではありません。 つい先日取り上げた≪ミゲル・アンヘル・コリア 『En Rouge Et Noir』(1976)。超アヴァンギャルドな…

バリー・ガイ、ハワード・ライリー、フィル・ウォシュマン『Improvisations are forever now』(1977)。鋼鉄質な音響世界に脳天痺れることだろう。

Fernandez/Parker/Guy/Lytton @ Jazz à Mulhouse '07 - 1/3 投稿音源のものではありません。 根がへそ曲がり、天邪鬼ということ(なのでしょう)で、斯くなる偏頗なジャンルの音楽を鑑賞紹介するブログを飽くことなく続けている。べつに否定するといった気な…

ペンデレツキ『聖ルカ伝による主イエス・キリストの受難と死』(1966)。神なるものから遠い現代という時代に、斯くも衝迫的で崇高な精神に満ちた宗教音楽がありえるのか。

神よ、私の神よ、私のほうを見てください。 なぜ私を見捨てられたのですか。 私の神よ、私は日々呼びかけます。 でもあなたは聞いてくださらないでしょう。 私の言葉に耳を傾けてください、主よ、 私の叫びをわかってください。 Krzysztof Penderecki: St Lu…