yuki-midorinomoriの日記

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鈴木弘=富樫雅彦 クインテット『VARIATION』(1969)。ニュージャズ模索期パフォーマンスドキュメント。

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きのうに引き続き、きょうも国産和製ジャズ。鈴木弘 =富樫雅彦 クインテットの 『VARIATION』(1969)。ハッキリしませんがたぶん再発ものなのでしょう。中入れの宣伝コピーは以下の如し。【富樫雅彦=鈴木弘の双頭クインテットは前衛手法を大胆に取り入れたグループとして注目を集めた。彼らの音楽性を知るうえで重要なアルバムであり、彼らが積極的にニュー・ジャズに取り組んだ意欲作である。】ま、そうとも言えるか・・・といった印象ではある。フリージャズではなくニュー・ジャズといったコンセプト、名称付けがそのパフォーマンスのありようを示しているのかなと思わないでもない。ところで、その中入れ解説を担当しているのがジャズ評論家の、いソノてルヲ。私の偏見もあるのだろう、このお方が解説じゃたいしたこと無いのではと・・・。案の定思ったとおり私にとっては中途半端でした。69年と言う年には我が(フリー)ジャス史上画期的な事態が将来していたのだが。そうです、山下洋輔トリオのプロトジャズという戦闘宣言だった。【『われわれは現代音楽などというものに何の幻想も抱いていない。また拡散しっぱなしのハプニングやらサイケデリックも視野に入らない。われわれの興味は、我々自身の「ジャズ」にある。ジャズの中に、我々が立ち戻るべき音楽の(prototype)原型を、今、見出したことを宣言しておこう。我々が演奏するのは、実験的なニュージャズなどではなく、ごく当たり前のPROTO-JAZZ原ジャズとでも言うべきものである』)】≪時代を突き破った山下洋輔プロトジャズ宣言の実践「ミナのセカンド・テーマ」≫。とはいえ、もちろんジャズのすべてがフリージャズを志向しているわけではないのだから針小棒大に過ぎる事態評定との非難あるやも知れないが。しかし「PROTO-JAZZ原ジャズ」<我々が立ち戻るべき音楽>の認識、発見の画期はその後の(ヨーロッパをふくめての我が国の)フリージャズの沸騰を見ればあきらかだろう。
ところで、この69年リリースのアルバムは富樫雅彦(とがしまさひこ、1940 - 2007)が事故による身体的不自由を余儀なくする前のもののよし。WIKIによれば≪1969年に実験的音響空間集団ESSG[4]を結成。この年、富樫は後世に語り継がれることになるアルバムを連続して生み出す。1月には鈴木弘との双頭コンボで「ヴァリエーション」を録音。3月と7月には佐藤允彦とのトリオで「パラジウム」、「トランスフォーメイション」、「デフォメイション」を録音。4月と6月には宮沢昭と「フォー・ユニッツ」、「いわな」を録音。5月と11月には自身のカルテットで「ウィ・ナウ・クリエイト」、「スピード・アンド・スペイス」を録音。そして12月には映画『略称・連続射殺魔』(監督:足立正生)のためのサウンドトラックとして、高木元輝と「アイソレーション」を録音した。これは富樫が両手両足でドラムを演奏した最後のアルバムとなる。≫とある。



鈴木弘 =富樫雅彦 クインテット『VARIATION』(1969)

Suzuki Hiroshi 鈴木弘 (tb), Fushimi Tetsuo 伏見哲夫 (tp) [1], Ono Yuji 大野雄二 (p), Suzuki Jun 鈴木淳 (b), Togashi Masahiko 富樫雅彦 (dr)

a-1. Castle cats (SUZUKI) [1]
a-2. Variation (TOGASHI) [1]
b-1. Suzu no uta (TOGASHI)
b-2. Alfie
ONO Yuji (p), TOGASHI Masahiko (dr, perc), rest members (bells)
b-3. Passion (SUZUKI) [1]


富樫雅彦・高木元輝 - アイソレーション I (2/2)