yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

フェデリコ・モンポウ『歌と踊り&前奏曲集』。寡黙簡潔。やさしさと繊細、慈しみ。サティーの次ぎはこのフェデリコ・モンポウを聴こう!。右にサティ、左にモンポウ。

Federico Mompou plays Mompou Cançons i danses No. 1-2-3 今日もまた図書館のネット予約で借り受けたCD『歌と踊り&前奏曲集Spanish Songs & Dances』を取り上げよう。スペイン・カタルーニヤ出身の「ピアノの詩人」と称されているらしい作曲家フェデリコ…

シュトックハウゼン『Kurzwellen(短波)』(1969)2枚組み。宇宙よりの郷愁的呼びかけのような短波ラジオのウェーブノイズにイマジネイティヴに応答するコレクティヴ・インプロヴィゼーション。

Dirty Electronics Ensemble perform Stockhausen Kurzwellen ≪音というのは不思議なほどに認識と深く結びついているのですよ。とくに現代音楽と.知的頭脳の構造的変化との関係は緊密です。現代音楽は認識の音楽でもある。………演奏が認識作業であり知覚の自由…

『声明と雅楽の世界』。「越天楽」だけで雅楽を済ましてしまうには余りにも勿体ない。歴史が鳴っています。自然が息づき吹き遊(スサ)んでいますといったところだろうか。

雅楽:越天楽 Gagaku:Etenraku 声明(しょうみょう)と昨日に引きつづいて雅楽、それも声明付きの雅楽、いうところの舞楽法会(ぶがくほうえ)をも収めた雅楽の紹介アルバム『声明と雅楽の世界』。これも昨日の『陰陽師』と同様に図書館でのネット予約借受の…

雅楽、伶楽舎・ 芝 祐靖『陰陽師』。素晴らしい!。自然が起ちあがってくる息吹、息づかい気韻荘重を深く感じさせて秀逸だ。自然が吹き遊(すさ)んでいる。

陰陽師Sound Trackより『一行の賦』 投稿音源のものではありません。 数週間前のことだったと思うのだけれど、仕事をしているさ中、NHK・FMから流れていた雅楽を聴いて新鮮な印象をもった。で、ネットでその放送内容を検索したところ「伶楽舎・芝 祐靖…

西田長男&高橋秀元『神道の宇宙』。

カ ミ と は ガ ラ ン ド ウ で あ る。 【西田―神道といってもわからないことが多いのですよ。たとえばここに寿司の箱がありますけど、寿司をいれる箱は決まっているんです。日本の神社のご神体は、こういう入れ物に入っているのです。でも、それを開けてみ…

アントン・ウェーベルン『弦楽四重奏曲集』。やはり、なにがなんでもウェーベルンだ。過剰でないのがいい。

Anton Webern: String Quartet, Op. 28 (1938):Lasalle Quartet performs. Art by Paul Klee. つい先日、図書館のネット借受のブーレーズ揮るウェーベルン管弦楽集を取り上げた。それは初期の作品をメインにしたアルバムだった。≪アントン・ウェーベルン『B…

群遊同人発刊する『芸術・国家論集』(1969)。≪遊行伶人の集団・柿本族の人麻呂≫が代詞射出する律動言。国家は転位しえたか「柿本人麻呂物質」(田中基)!?。

代作歌(詞)人、歌聖と称されている柿本人麻呂の<国文学=物理学手稿>と銘打っての驚天動地な国家イデオロギー飛来転位の物語。つまりは魂(ヒ)を物理学する<魂理学>。かつてわれらが青春必読の、カール・マルクスの書「経済学・哲学草稿」のもじりで…

ベラ・バルトーク『ピアノ協奏曲第1・第2番』。このテンションについていくには当方の心の準備を必要とするようだ。

Béla Bartók: Piano Concerto No.2/1 先日のウェーベルンや、シェーンベルクほどには何がなんでもバルトーク(Bartók Béla Viktor János, 1881 - 1945)というわけではない。それはストラビンスキーと相同だ。何だこれはといった印象をもち、時に嫌になった…

奇嬌のトリスタン・ホンジンガー、チェロ・ソロおよび、レグテレン・アルテナのベースとのデュオ(1976)。そうダダ手前まさに「破天荒」。

Honsinger / Parker / Altena - Company 1 - No North (1976) もちろん投稿音源のものではありません。 わがブログで登場するフリージャズメンのなかでも究めつけの奇矯の人といえば、オランダはICP(インスタント・コンポーザーズ・プールInstant Compose…

アントン・ウェーベルン『Boulez conducts Webern, Vol. 2』。師のシェーンベルクから巣立ってゆく時期の作品。甘美で濃厚艶やかなロマンに彩られた響きは壮麗ですらある。

Anton Webern, six pieces for orchestra op.6 私がヴェーベルンで愛するのは、たぶん、この音楽の純潔さ、それから、その姿の端麗さであろう。この点でいえば、これは、私の好んであおぎみる芸術の星座のなかで、モーツァルトとハイドンの中間に位置してい…

米国を代表する画家アンドリュー・ワイエス逝去91歳。具象を突き抜け静謐に語りかける画。

<三日月>(1987) 「絵画とは構築された道徳に他ならない」(スタンダール) Andrew Wyeth, painter 「イギリスの画家ジョン・コンスタブルも語っているように、場面に人生を加える必要はない。何故なら、静かに座ってじっと待っていれば、人生は向こうから…

『ソチエタ・カメリスティカ・イタリアーナ四重奏団』による、ケージ・ショックの応答。新聞を読み、音楽に翻訳して演奏するなどアヴァンギャルドな「弦楽四重奏」作品集。

Donatoni- Quartet No. 4 Franco Donatoni 【「演奏は4種の新聞の見出しの綴りの黙読によって制約を受ける。音はその綴りを読んだリズムにしたがって奏される。演奏に用いられる新聞はその当日のものでなければならず、さらに演奏者の母国語によるものである…

谷川 雁。<瞬間の王>

今は昔、谷川 雁(たにがわ がん、1923 - 1995)が在った。今日この詩人・思想家を取り上げたのはまったくの気まぐれでしかない。 われわれは暗いところから飛んできた 符号にすぎぬ あわれな偶然が片隅でもえる世界の 無数の柱のうちのひとつにすぎぬ (「…

柴田南雄『柴田南雄の音楽』5枚組み。武満、黛らを代表とする戦後現代音楽の飛躍的発展の礎となって、教育、啓蒙と貢献したその功績聴くべし。

法政大学アリオンコール萬歳流し(2/2) 柴田――歴史主義、といろんな人によく言われましたよね、僕は 徳丸――そうですか。 柴田――曲ではないんですよ。 徳丸――態度がですか。 柴田――様式の変遷を必然的なものと見すぎる傾向があるという意味なんでしょうかね。 …

池辺晋一郎『交響曲第6番<個の座標の上で>』(1993)ほか。<なんでも書けちゃうという才能>が・・・。テツガクだ。

KAGEMUSHA Theme - Shinichiro Ikebe _ AKIRA KUROSAWA (1980) きょうは、2回目の登場となる池辺晋一郎のアルバム。中央図書館のネット予約借受のもの。まず一言でいって、おお!<スペクタクル>といった印象であった。まさに映画音楽で活躍華々しいのも肯…

セシル・テイラー『パリコンサート』(1966)。ピアノの内部奏法を多用しての現代音楽に限りなく近づいたパフォーマンスの果敢が聴きもの。驚きであり、貴重であり、快哉だ。

Cecil Taylor Quartet:Cecil Taylor, p;Jimmy Lyons, as; Alan Silva, b; Andrew Cyrille, dr; Paris November 1966. この拙ブログは、若き日に蒐集したアナログLPレコードの聴き直しを旨として記事投稿しているのだけれど、こんなのがあったのか?、一体…

山下洋輔ピアノソロ『センチメンタル』(1985)。唯一無比の境域、類稀なピアノセンス、ピアニズム、スタイル。いいものです。

OVER THE RAINBOW [ SENTIMENTAL ] YOSUKE YAMASHITA 文句なしに愉しめる山下洋輔のピアノソロ。1985年の録音のよし。生年が1942年生まれとあるから43才のときのピアノソロ収録となる。経験、技術すべてに於いて俗にいう脂の乗った絶頂の、年恰好といえるの…

エヴァン・パーカーとポール・リットンのデュオ『Collective calls [urban] [two microphones]』(1972)。いま少しの手探り逡巡が残念。

Evan Parker and Paul Lytton - But For the Mist (For Eric Ziarko) 先日、Evan Parker エヴァン・パーカーとPaul Lytton ポール・リットンの1975年録音のすぐれた出来栄えのデュオアルバム『At the Unity Theatre』(1975)。を取り上げた際、イマイチ了…

ヘンリー・カウエル『HOMAGE TO IRAN』(1959)ほか。師弟としてジョン・ケージへの影響や如何との思いで興味深い。

Henry Cowell: Homage to Iran (1963) 戦後現代音楽の革命家ジョン・ケージの師がシェーンベルクであり、ヘンリー・カウエルであった。そのケージに演奏技法、音響開発等々に大いに影響をもたらしたのが、後者のヘンリー・カウエル(Henry Cowell、1897 - 19…

スティーヴ・ライヒ『Drumming』(1971)ほか。3枚組み。単純音型の反復繰り返し。しかし、すこしのズレの重層複層がつくり出す変化生成の意外性は、退屈を凌ぐに十分なささやかな出来事だ。

Steve Reich : drumming part 1a detmold 《もう一つ、アート全般、そして自然へのアプローチの基本的観念としてあるのが、反復と周期性の問題だ。何かがあるとすると、そのものの順序は反復されなければならない――そのものだけでは有限だからだ。反復するに…

吉田秀和の『永遠の故郷<夜>』。

Renee Fleming - Strauss Four Last Songs - Strauss' 4 Last Songs - Im abendrot Renee Fleming sings the 4th of Strauss' vier letzte lieder. Proms, 2001. Renee Fleming - Strauss Four Last Songs - Beim Schlafengehen <第4曲「夕映えのなかで」 …

エヴァン・パーカーとパーカッションのポール・リットンとのデュオ『At the Unity Theatre』(1975)。集中凄まじい内的求心の情熱と冷厳の美に息を呑むことだろう。

Evan Parker and Paul Lytton - I Want!, I Want! 投稿音源のものではありません。 気になりつつも、今まで何とはなしに投稿見送ってきたエヴァン・パーカーEvan Parkerのデュオアルバム。相手はパーカッションのポール・リットンPaul Lytton。というのも、…

『Westberliner stadtmusik 1969』。東西冷戦・ベルリンの壁の沈鬱に抑制気味に熱く燃えるフリージャズ。

back↓ きょうは、ジャケット写真が気になるジャズアルバムといったところだろうか。見える文字はModerne Nordeuropäische DorfmusikとWestberliner Stadtmusik 1969の2行のみ。この文字と写真から察するに、東西冷戦の象徴「ベルリンの壁(Berliner Mauer)…

写真家・杉本博司「海景」シリーズより「カリブ海、ジャマイカ」。静謐の海の彼方からやって来るものは?

杉本博司「海景」シリーズより「カリブ海、ジャマイカ」 1980ゼラチン・シルバー・プリント 119.4×149.2 cm 見えざる水平線は、見える水平線よりもはるか彼方にあった。 三島由紀夫「天人五衰」 きょうも、音楽ブログはお休みです。先日の悲運の夭折画家松本…

ピエール・アンリ『バベルの塔・Une tour de Babel』(1999)ほか。さもありなんとの安易さとは次元の違うイマジネイティブでアーティフィッシャルなコンポジットのノイズ・コンクレート感覚。

Pierre Henry : Apocalypse de Jean それにしても、このミュージック・コンクレートの雄ピエール・アンリの頭の中はどのような音で充たされているのだろう。よくもこんなにイマジネイティブなコンクレートノイズで楽曲?作品が生み出されるものだと感嘆のほ…

聴覚障害をもち、大戦直後病にて36才の早い生涯を閉じた悲運の、孤独と寂寥の画家・松本 竣介。慈愛の眼差し『りんご』(1944)。

『りんご』(1944) 冬ながら空より花のちりくるは雲のあなたは春にやあるらむ 清原深養父(きよはらのふかやぶ) きょうは、音楽ブログを休んで、たまたま今日目にとまった新聞記事からの投稿としよう。小さなコラムスペースで画展の紹介記事がされていたのだ…

ハリソン・バートウィッスル『The Triumpf of Time(for orchestra)』(1972)。時に抗うことの出来ぬ有限存在・人間の救い難い虚無を前にした苦悩の音響造形ということか?。

Birtwistle : ...agm... (1/3) 時はすべてを消し去り、すべては時によって老い、時を経て忘却される (アリストテレス) きょうは、つい一月ほど前≪ハリソン・バートウィッスル『Verses for Ensembles』(1969)ほか。60年代のセリエールを基調としてはいる…

モートン・フェルドマン『Composing by Numbers - The Graphic Scores, 1950-67』あのフェルドマンを象徴する「静謐」はここにはない。ポストウェーベルンの音。

Morton Feldman : Palais de Mari (1986) {PART 1/3} さて、昨年末ひさびさに仕入れた3枚(2枚は中古品)のアルバムのうち残りの1枚がきょう登場するCD。モートン・フェルドマン Morton Feldman(1926 - 1987)のグラフィック・スコアー(図形楽譜)による…

ヘルムート・ラッヘンマン『NUN』(1997-1999/2003)。トータルセリエールへの取り組み研鑽あってこその、止揚温故知新、革新特殊奏法の音響造形。

Helmut Lachenmann: "Tanzsuite mit Deutschlandlied" (1979-1980) for string quartet and orchestra 「たとえば、色を見、音を聞く刹那、未だ主もなく客もない」 松岡正剛の千夜千冊『西田幾多郎哲学論集』 きょうもまた、先日年末にタワレコで仕入れたア…

ヨーロッパに乗り込んだアヴァンギャルド、ジョン・ケージをイタリアに招待し、敢行したコンサート『Rumori Alla Rotonda』。1959年の貴重な音源。

Walter Marchetti - Gamapirt (1959) 去年の年末、どうやらこうやら一年過せたことの感謝と報告とばかりに仕事納めて恒例の両親の墓参りをすませ、その帰りにタワレコと、中古レコードショップを覗いた。ま、墓参りにかこつけて、このことを目当てで行くよう…