yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

セシル・テイラー『パリコンサート』(1966)。ピアノの内部奏法を多用しての現代音楽に限りなく近づいたパフォーマンスの果敢が聴きもの。驚きであり、貴重であり、快哉だ。

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Cecil Taylor Quartet:Cecil Taylor, p;Jimmy Lyons, as; Alan Silva, b; Andrew Cyrille, dr; Paris November 1966.

           

イメージ 2この拙ブログは、若き日に蒐集したアナログLPレコードの聴き直しを旨として記事投稿しているのだけれど、こんなのがあったのか?、一体今まで何を聴いていたのだろうとの印象するのが少なくない。カクテルパーティー効果じゃないけれど、その時々の関心のありようで、聴こえるものが限定され斯くなる事態がおこるのだろうか。今日取り上げるセシル・テイラー cecil Taylor の1966年11月のヨーロッパはパリでのラジオ放送局収録のテープより音盤化されて出された2枚組みのレコード。かの有名なマグー美術館でのコンサートのVOL.1~3として出された1969年7月ライヴ収録の『NUITS DE LA FONDATION MAEGHT Vol.1』があるけれど、これはJimmy LyonsとSam Riversとの2サックスとAndrew Cyrilleのドラムスのクァルテットのもので、これは今日取り上げるパリコンサートの3年前のものとなる。同じクァルテットだけれど、こちらはジミー・ライオンズJimmy Lyonsのサックスとアラン・シルヴァalan silvaのベース、それにアンドリュー・シリルAndrew Cyrilleのドラムスとなっている。66年5月に出された「ユニット・ストラクチャー Unit Structures」と半年違いなのだけれど、こちらの方がいいように思うのだけれど(聴き比べていないのでなんともエエカゲンではあるが)。この時点で、セシル・テイラーのスタイルがはっきりと形を成したようだ。驀進するフリーパフォーマンスを聴くことができる。ところでだ。冒頭で言った、いったい何を聴いていたんだろうの印象をもったのが、2枚目A面の「Amplitude」だったのだ。これはすばらしい!セシル・テイラーがこのような現代音楽に限りなく近い(ピアノの内部奏法を多用して巧みだ)に聴き応えのあるコレクティヴ・インプロヴィゼーションを果敢していたとは、驚きであり、貴重であり、快哉であった。(実際、演奏後の拍手の多さでその質を証示してもいよう)ジャズファンはともかく現代音楽ファンにとっては悦ばしい限りだ。いや必聴ものだ。そのような意味でも、このパフォーマンス「Amplitude」があるだけでも、このアルバムは聴くにあたいする貴重な音源といえるだろうか。隠れた名盤といっておこうか。さいわい、「Great Paris Concert」とタイトルされてCD化され再発されているようだ。セシル・テイラーに関心のあるフリージャズファンの方には、機会あればぜひとも聴いていただきたいものだ。




セシル・テイラー 『Great Paris Concert』

1. Student Studies, Pt. 1
2. Student Studies, Pt. 2
3. Amplitude
4. Niggle Feuigle