yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

2007-08-01から1ヶ月間の記事一覧

ブラームスの『弦楽四重奏曲全集』CD2枚組み。芳醇かつ滋味。世界は流麗と洗練された弦の響きで彩られる。

Brahms String Quartet No. 3 in B flat Major (II) さて今日は、≪室内楽曲を多く残したブラームスにしては、弦楽四重奏曲はわずか3曲しか残されていない。≫(WIKIPEDIA)と言われているそのブラームスの『弦楽四重奏曲全集』CD2枚組み。≪弦楽四重奏曲の3…

団塊親父が涕する、作曲家・杉本真人の自作を弾き語り、歌う『吾亦紅』。

「は な は み な い の ち の か て と な り に け り」 森アキ子 「な れ ゆ ゑ に こ の 世 よ か り し 盆 の 花」 森澄雄 すぎもとまさと われもこう Sugimoto Masato - Waremokou さて今日は、世のお父っつあんに、泣いていただきましょう。とりわけ…

ルチアーノ・ベリオ、ピアノ作品集『PIANO MUSIC』(2004)。たゆたう音の万華鏡、息づき色鮮やかな響きの世界。12音列、無調から自在に遥かに遠くして飛翔し、そして美しい。

Berio- Piano Sonata (1/3) 今日はルチアーノ・ベリオ(Luciano Berio, 1925 - 2003)のピアノ作品集『PIANO MUSIC』(2004)。これはタワーレコードで正価で買ったもの。きのうのような半額以下ゆえの、さもしい衝動買いでのものではない。これは、ずいぶん…

アルカンジェロ・コレッリの『12のヴァイオリン・ソナタ 作品5(12violinsonaten op.5)』。シンプルかつストレートな優しさ。その清新な心地よさ。

George Enesco plays Corelli Sonata 今日は、バロック音楽。イタリアの作曲家でヴァイオリニストのアルカンジェロ・コレッリ(Arcangelo Corelli, 1653 - 1713)。≪ヴィヴァルディより25年、大バッハやヘンデルより32年年長にあたる。≫(WIKIPEDIA)もちろ…

ネット動画配信・YOUTUBEの時代、今や持ち腐れか『シルクロードへの道』4枚組。

シルクロード(Silk Road) ismail coşar_ağlar 今となっては、こうした記録物を大枚はたいて所有蒐集することに魅力を感じなくさせる時代となった。いうまでもなくネットというよりYOUTUBEに代表されるネット動画配信の爆発的普及である。著作権うん…

財団法人アフィニス文化財団から出されたCD4枚組み『日本のオーケストラ』(2003)。

今日も、図書館にて借りてきた財団法人アフィニス文化財団から出されたCD4枚組みのもの。といってもすべて聴いた上での紹介ではない。その収録曲の中から、現代音楽のみ、殆んどが日本のそれだけれど、時間にしておよそCD1枚半分といったところ。≪「日…

先日鬼籍に逝った、陰にこもる風変わりな松村禎三作品『クリプトガムCryptogame』(1958)と壮麗なオーケストレーションに驚く團伊玖磨『交響曲第3番』(1960)。

松村禎三 - ピアノ協奏曲第2番 Teizo Matsumura - Piano Concerto No.2 (1978) 投稿音源のものではありません。 松村禎三 先日、新聞訃報欄に作曲家・松村禎三の名が目を打った。このブログでも再三取り上げた。私の好きな作曲家であった。≪松村禎三のオステ…

ジョン・ケージ、初期ピアノ作品集『ある風景のなかで・IN A LANDSCAPE』(1995)。静かにやってくるものにこそ真性があるのかもしれない。

John Cage: Music for Marcel Duchamp (1947) / Juan Hidalgo, pianoforte preparato 最近、とみに初期ピアノ作品集がリリースされているように見受けられるジョンケージ。先日店頭にて、CD2枚のピアノ全作品集なるものがたったの1500円ほどで置かれ…

天満天神繁昌亭での落語5席で一服。

今日は、音楽ブログを休んで≪上方落語唯一の寄席≫(WIKIPEDIA)として2006年9月にオープンした天満天神繁昌亭(てんまてんじんはんじょうてい)の寄席へと愉しんできた記事投稿としよう。その存在はメディアを通じて知っていたものの、根が出不精ということ…

シェーンベルクおよびストラビンスキーは書庫・現代音楽だろうか?シェーンベルク『ピアノ協奏曲・作品42』(1942)。

Arnold Schoenberg: Piano Concerto op. 42 (Excerpt) :Mitsuko Uchida, soloist. Rotterdams Philharmonisch Orkest, conducted by Jeffrey Tate. 「生きることはとてもたやすかった/突然憎悪が巻き起こった(プレスト)/重大な状況が生じた(アダージョ…

ドイツ・プログレッシヴロック「クラフトワークKraftwerk」。アイデアの面白さと、ひらめきの手作り電子アナログ・ロックヒューマンサウンド2枚組。

Kraftwerk - Ruckzuck Kraftwerk 今日は、趣を変えてロック。といっても、いわゆるプログレッシヴロックprogressive rockと称されているグループのもの。 別にジャンルにこだわることもないと思うけれど、ポップ性を保持しつつ電子音楽を自在に手作り感覚で…

尖がったブーレーズで、時代を画す雷鳴が貌覗かせる、ストラヴィンスキー「火の鳥」を聴く。

Igor Stravinsky: Firebird (Finale) Pierre Boulez / Wiener Philharmoniker. イーゴリ・フョドロヴィチ・ストラヴィンスキーIgor Fyodorovitch Stravinsky きのうはブーレーズのストラヴィンスキーだった。それは、とりわけ「春の祭典」だった。そのCDは…

『春の祭典』のストラヴィンスキーは凄い。それにもまして、『春の祭典』を、斯く現実化した指揮者ピエール・ブーレーズも、もひとつ凄い。

Stravinsky's "The Rite Of Spring" :Sir Simon Rattle -- Documentary Excerpt イーゴリ・フョドロヴィチ・ストラヴィンスキー(Igor Fyodorovitch Stravinsky, 1882 - 1971) 今日は、なんと!?ストラヴィンスキー。というのも名曲はつねにといってもい…

ルチャーノ・ベリオ。過剰の音色、迷彩する響きに孤絶するマニエリスム。美しくはあるけれどなにやら哀しい。『コロ・CORO(for voices and instruments)』(1975-77)。

Luciano Berio: Coro, per Voci e Strumenti (1975/'76 rev. 1977) Parte 1 ルチャーノ・ベリオluciano berio このように音で埋め尽くす、いわゆるマニエリスティックな嗜好性(志向性)はベリオのみならず欧米のものなのだろうか。もちろん色々なスタイル、…

武満徹。深い余韻に一音一音が煌き生きて厳しく屹立する『ウインター』(1971)、『マージナリア』(1976)、それに独奏マリンバとオーケストラのための『ジティマルヤ』(1974)。

Toru Takemitsu - "Gitimalya" for marimba and orchestra 武満の芸術は能から来たものだ、といえば、誤解を招くのは当然だ。しかし神事でも執り行うような極度に様式化された音の動きのなかで、精神的な緊張のひじょうな高さと厳しさとをきき手に、伝えずに…

イサン・ユン。占領、民主化、自由への闘いに死刑宣告まで受けたその厳しい暗闘の歴史を民族精神を貫いて奏でる大管弦楽のための幻想的舞曲 「巫楽(ムアク)」 (1978)ほか。

Isang Yun: Symphony No.1 - 3rd mov. イサン・ユンisang yun(1917 – 1995) こうでなくてはならないのだとの呟きが必ずと言っていいほど口を突いて出てくる。それほどに深く、剄い精神が聴くものの心を撃つのだといっていい。けっして時代を先駆けるような…

D・チュードア。初めて聴くような音の提示J・Cage 『Solo For Piano』(1982)とNeural-Network Synthesizerとの競演『neural synthesis2』

デヴィッド・チュードアDavid Tudorのプリペアドピアノと電子変調による盟友ジョン・ケージJohn Cageの作品『Solo For Piano』(1982)のリアリゼーション。この<間・ま>の取り方は、やはりケージのコンセプトを知悉するチュードアならではのものと思わせ…

(2) 『THE AVANT GARDE STRING QUARTET in the USA』。聴きものです。再発、廉価NAXOS盤にあり。

再発、廉価NAXOS盤 ※ 字数オーバーのため前ページよりの続き、後半部分です。 さてさていよいよ最後、やっときましたと言うところだ。締めくくりはこれまたケージとの交流で、いや、彼の死後、作品CD化のラッシュで最近とみにその盛名高らしめている…

(1) 『THE AVANT GARDE STRING QUARTET in the USA』。聴きものです。再発、廉価NAXOS盤にあり。

再発、廉価NAXOS盤 Lejaren Hiller: String Quartet No. 5 [2/3] どうしてか、解説書も何もないLPレコードだけでの3枚『THE AVANT GARDE STRING QUARTET in the USA』、およそ総2時間の、しかも現代音楽のみの鑑賞記となる。これは難行である。聴く…

英・トニーオックスレイ・クインテットのアルバム『The Baptized Traveler』(1969)。時代を拓いたインテンシヴな独特の冷熱ともいえるコレクティヴフリージャズへの若き情熱の沸騰。

Tony Oxley Quintet - Preparation (1969) トニー・オックスレイTony Oxley 1969年はあらゆる意味でたぎっていた時代だった。もう少しゆるく幅をもたして70年前後と謂っておいたほうがいいのかもしれない。 別に私だけのセンチメントな懐古で云ってい…

シェーンベルクの未完のオペラ『モーゼとアロン』。ドラマティックなシュプレッヒシュティンメの緊迫感と圧倒するオーケストレーションの表現性。

Arnold Schoenberg: Moses und Aron (Excerpts, 2 of 2) 今日は、アルノルト・シェーンベルク (Arnold Schoenberg, 1874 - 1951)の≪十二音技法によって書かれ、1つのセリー(音列)が基礎になっている。≫(WIKIPEDIA)とされる未完に終わったオペラ『モーゼ…

ドイツのジャズ界を引っぱって来たトロンボーンのアルバート・マンゲルスドルフAlbert Mangelsdorff。1971年東京でのライヴ録音盤『DIGGIN’』。

Albert Mangelsdorff - Now Jazz Ramwong アルバート・マンゲルスドルフAlbert Mangelsdorff 今日は、ドイツのジャズ界を引っぱって来たトロンボーンのアルバート・マンゲルスドルフAlbert Mangelsdorff ( 1928 – 2005)のクァルテットの1971年東京でのラ…

日本の音楽の源流ともいえる「宗教音楽」の声明 VS ジャズ(前田憲男(p)と猪俣猛(ds)ほかのクインテット)『仏陀・BUDDHA』(1977)。

さて今日は、≪13日の野火を迎火(むかえび)と呼び、故人を家に迎える(故人が家に戻ってくることになっている)。墓が近かった時代には、墓まで出迎えにいくことが珍しくなかった。 故人を家に迎えたあと、僧を招いて読経し、供養する。この読経のことを棚…

電子音楽創成期ゆえのシンプルな瑞々しさとフォローすべきなのか、米・アカデミズムの保守性、感性、感度の鈍さを哄うべきなのか、Bülent ArelとDaria Semegenのダンスのための電子音楽。

ALICE SHIELDS-STUDY FOR VOICE AND TAPE (1968) 今日は、先日取り上げたコロンビア-プリンストン電子音楽センター(現コロンビア大学コンピュータ音楽センター)の創設初期からのメンバーであるトルコ出身のBülent Arel (1919‐1990)と、彼に師事し、またの…

「生れて何も知らぬ 吾子の頬に 母よ 絶望の涙をおとすな」の詩人竹内てるよ、と「妻を愛し、子供を愛し、身近な人と愛し合いながら生きていきたい。それを平凡なおのれの生き方の芯としてきた」俳人森澄雄。

海ゆかば 1937年に作曲された信時潔の作品。詩は大伴家持 五省 一、至誠(しせい)に悖(もと)るなかりしか 一、言行に恥ずるなかりしか 一、気力に欠くるなかりしか 一、努力に憾(うら)みなかりしか 一、不精に亘(わた)るなかりしか 海行かば 水漬(み…

後期ロマン派の香り濃厚、豊麗なオーケストレーション『浄夜(浄められた夜) op.4』(1899)と精神の端然を聞く無調時代の傑作『管弦楽のための変奏曲 op.31』(1926-1928)。

Schoenberg - Verklärte Nacht, op.4-4 投稿音源のものではありません。 一聴すごいですね、の言葉が出てくるほどに芳醇というか、官能的なまでの豊麗な音がオーケストレーションの極致とでも云いたくなるほどに圧倒して迫ってくる。まさに後期ロマン派の香…

歌川(安藤)広重の大胆な構図とデフォルメされた絵。これはいったい何なのか。

歌川(安藤)広重(1797‐1858)の今に通ずる大胆な構図はまったく驚きであるけれど、この誇張したデフォルメの極地とも言える描写はいったい何を指し示しているのだろうか。不思議はいくらでもあるけれど、西洋の遠近法を取り入れての古来よりの山水画とはま…

民族性の遠い記憶を奏でるバヤン。宗教的でありノスタルジック、スピリチュアルな魅力。グバイドゥーリナ「Seven Words(for violoncello,bayan and strings)」ほか。

Sofia Gubaidulina's "Seven Words" performed in Eurythmy ソフィア・グバイドゥーリナSofia Gubaidulina( 1931年 - ) 今日は、昨日のブーレーズのCDを買った勢いでタワーレコードへと足を運び、迷ったあげく購入したソフィア・グバイドゥーリナの新品…

論理と流動する音列、保守的革新の確固とした情熱、意志のひとピエール・ブーレーズ「シュル・アンシーズSur Incises・3台のピアノ、3台のハープと3つの打楽器のための」(1996-98)ほか。

Boulez - Sur Incises (extract) - Ensemble InterContemporain ピエール・ブーレーズPierre Boulez(1925 - ) 衰え知らぬ、とはこういうのをいうのだろうか。およそ古希を迎えて以後の作品集。 この鋭敏な音色、響きへの研ぎ澄まされた感性。流動する音列…

知と情のバランスとれた上質のフリージャズ。若きアンソニー・ブラックストーンとウィレム・ブロイカーのサックスが秀逸。ギュンター・ハンペルの『the 8th of july 1969』

(上左)アンソニー・ブラックストーン、(上中)ギュンター・ハンペル、(上右)ウィレム・ブロイカー、(下左)スティーヴ・マッコール、(下中)ジャンヌ・リー、(下右)アリェン・ゴルター ギュンター・ハンペルGUNTER HAMPELは1937年生まれとあるから…