yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ウォルフガング・ダウナー『Free Action』(1967)。アルバムの随所で見せる、かなりなアヴァンギャルドぶりのパフォーマンスも、1967年という年時期の録音リリースを思えばなかなかのものです。

Wolfgang Dauner - Free Action (MPS) 一昨日のJean Guérin 『Tacet』(1971)に引きつづき、きょうもたまたま、いままで投稿を見送ってきたウォルフガング・ダウナー(Wolfgang Dauner、1935 - )のアルバム『FREE ACTION』(1967)が動画サイトにアップロー…

シュトックハウゼン 『モメンテ Momente』(1965)。さまざまな音の多元的出会い。統合的な<意味>世界から突き放された私たちの(拡散、分散する)現代が作りあげる多義的世界がここにある。

Stockhausen- Momente (2/2) 投稿音源の65年ドナウエッシンゲンヴァージョンのものではありません。 すでに3年半まえに≪総合音楽への可能性、端緒すら感じさせる≪モメント形式、不確定性、多義性≫の果敢による「音づれ」。≫とタイトルしてLP4枚組(歌…

Jean Guérin 『Tacet』(1971)。シンセサイザーや変調器を使っての斬新はあるものの、サウンドとしての革新性をさほど感じさせるものではない。

Jean Guerin - Triptik 2 [Tacet] 1971 たまたまネット動画で未投稿アルバムの収録曲に出くわし、それを機に今まで先送りになっていたアルバム『Tacet』(1971)を急きょ投稿することとなった。リーダーとおぼしきJean Guérinをネット検索してみたけれど、こ…

リヒャルト・ワーグナー『管弦楽作品集』。どこでどうなってこのような壮麗な響きをもった音楽が出てきたのだろう。

R. Wagner - "Siegfried's Funeral March" from "Götterdämmerung" (Stuttgart RSO, Prêtre) 投稿音源のものではありません。 <だれもが脱帽する典型的な天才> 最も偉大な作曲家の名を挙げよ。 いちばん好きな作曲家の名を挙げよ。 とても自分には真似でき…

『ガラスの音楽(その玲瓏と神秘の世界)<ガラスマティリアルによるトライアル>』(1974)。ガラスの割れる破壊音は、なぜか不思議とこころをとらえる。オノマトペでいうガシャーン。

Breaking Glass Sound Effect [FX] ガラスといえばデュシャンの『彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも(通称:大ガラス)』が有名ですが。そのガラスの割れる破壊音は、なぜか不思議とこころをとらえる。オノマトペでいうガシャーン。 ≪紙を破る…

クラウディオ・アラウ『シューマンピアノ作品集』CD7枚組。サッカー・アジアカップTV観戦で寝不足お疲れ。

Schumann : Humoreske (2/3), par C. Arrau 昨夜、サッカー・アジアカップの準決勝、日韓対決を最後のPK戦までTV観戦でつきあっていたら、なんと午前1時過ぎ。寝不足気味でお疲れだ。ということもあって、きょうは超簡略にて筆を擱くことにしよう。町の…

ホリガー、シュネーベルほか『現代合唱音楽集Neue Chormusik II』(1974)音という音へのあくなき強迫的な渉猟のこころみ。狂気じみた退廃的な人間事象の世界の開示。

Heinz Holliger, Psalm (1971) pour 16 voix a cappella. きのうに引きつづき現代の合唱音楽『Neue Chormusik II』(1974)。悩ましいですね。叫び、怒り、ため息、嘆き、哀訴、呼び交わしといった情動の発する声音のみならず、舌打ち、オノマトペ等々、人間の…

ノーノ、リゲティほか『現代合唱作品集Neue Chormusik 1』。ノーノは詩的に美しく、ブソッティはやはり官能的で魅せる。シュネーベルのポストモダンな響きは聴く者を不安定にさせる。それにしてもだ

Gyorgy Ligeti: "Lux aeterna" (1966) for sixteen solo voices コーラスも含めてだけれど、現代音楽の声楽曲は、これはもう内面的な精神の狂気の世界といってもいいくらいに偏奇である。歌って愉しむ、心を癒やすものではない。なんともイヤハヤの世界だ。…

シャンティクリア(男声アカペラアンサンブル)Chanticleer『シャンティクリアの肖像』。みごとなカウンターテナーがつくり出す惚れ惚れするハーモニー。

Chanticleer~Wade In The Water (Spiritual) いつぞやかはっきりした記憶はないけれど、たまたまFMから流れていた合唱音楽、それも男声アカペラもの。そのグループとは「シャンティクリアChanticleer (ensemble)」だった。印象深く感じ入り、その曲の番組…

『現代イタリア弦楽四重奏作品集 Il Quartetto Contemporaneo』(1978)。

Donatoni- Quartet No. 4 2週間ほどまえに≪イタリア4人、ベルギー他、計6人の現代音楽作品集『Continuum Ensemble Dortmund / Werner Seiss』(1978)。≫を投稿した、その同じレーベルものの1枚。ジャケットの裏にある解説もイタリア語のみというドメ…

シュトックハウゼン『ハルレキン(道化もの)Harlekin』(1978)。道化ものに扮するクラリネット奏者が演奏しつつ踊る、というものなんだけれど・・・ウ~ン。???

HARLEKIN di Karlheinz Stockhausen- Il FOLLETTO TROTTOLA interpretato da Selene Framarin シュトックハウゼンのクラリネットのための『ハルレキン(道化もの)』(1978)がきょうの投稿アルバムなのだけれど、なんだかよく分かりません。投稿音源は直輸入の…

ペンデレツキ『ヴァイオリン協奏曲第1番』 (1976年)。新ロマン主義傾向をもち、保守的旋回を示すものと想像されよう。はや大家の風格?と見るべきか退潮とみるべきなのか。

私は今も昔も音そのものに興味をもったことはない。誰でも音は出せる。いやしくも作曲家であれば、音を満足すべき美的経験へと変えるべきなのだ。 ――ペンデレツキ 大御所アイザックスターン(Isaac Stern, 1920 - 2001)に献呈されたヴァイオリンコンチェル…

芸能山城組『やまと幻唱』(1977)。「日本的なもの」へのアプローチ。さてニッポンしているか。

Geinoh Yamashirogumi - Shudarahigyo 咒陀羅秘行 (Part II) 4年近く前に≪大地への愛と祈り、地声とコブシで魂を揺さぶる芸能山城組の合唱作品『地の響』(1976)≫を投稿したが、きょうはその≪民族音楽を主題にしたパフォーマンス集団であり、文明批判をテ…

ラフマニノフ『交響曲第2番』。タルコフスキーの映画作品のアップロード動画に、かのアダージョで名高い第3楽章が使われていて、やはりなあ~、美しい旋律、人気があるのも無理ないなと印象した。

Tarkovsky Adagio:Rachmaninov 2nd Symphony, III. Movement: adagio 直近このひと月ほどの間に以下2稿投稿したラフマニノフ(Sergei Vasil'evich Rachmaninov 1873 - 1943)。 http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/62091285.html ラフマニノフ『ピアノ協奏…

柄谷行人『政治を語る』。デモの一つも起こらない議会制民主主義国ニッポン。甲論乙駁語るだけ!あなたまかせの我がニッポン。何がわが社会に起こっているのか?。

デモの一つも起こらない議会制民主主義国、わがニッポン。欧米民主主義諸国にデモのない国があるだろうか。甲論乙駁語るだけ!あなたまかせの我がニッポン。何が社会に起こっているのか?。 1991年のソ連崩壊によって、戦後世界の冷戦構造を作り上げてき…

ペンデレツキ『Penderecki Dirigiert Penderecki』(1973)LP2枚組。一昨日と同じくすさまじいばかりの音響に身をさらし、民族の、歴史の受苦、パッションに聴き入った。

Penderecki- Kanon Für Streichorchester Und Tonband (1962) スコアーの形状を見てその音響の意味するところを考えるに、個の集積、行為がもたらすエネルギー、その相乗する破壊的力に想到する。いつものことながら短絡に過ぎるかもしれないが。歴史の悲劇…

ベートーヴェン『ピアノソナタ全集VOL.3』。中期から後期第23~32番で完。落ち着きと余裕、音が層を成して豊かになっているのは私のようなシロウトにも了解できるほどに明らかだ。

Beethoven by Arrau - (1st mvt) Sonata No 31 in A flat major, op. 110:Claudio Arrau 1月2日に投稿した≪ベートーヴェン『ピアノソナタ全集VOL.1』。≪作曲の歴史はベートーヴェンから始まる。ベートーヴェン以前に作曲家はいない」のです。≫なんだ…

リヒャルト・シュトラウス『バレエ音楽全集』(2010)。シュトラウスにバレエ音楽があるとは知らなんだ~。かのストラヴィンスキー「春の祭典」の翌年の作。

Richard Strauss - Symphony No.2 in F minor Op.12 (1883-4) - I, Allegro ma non troppo, un poco maestoso リヒャルト・シュトラウス(Richard Georg Strauss, 1864 - 1949)にバレエ音楽があるとは知らなんだ~。ネット図書館の蔵書検索で出くわしたのだ…

ペンデレツキ『交響曲第1番(1972-73)、アナクラシス(1959-60)』聴き返してみても、圧倒的だ。時代を深部から摑み表徴していた真性な音響造形ゆえなのだろう。空疎な特殊奏法に堕してはいない。

Penderecki: "Anaklasis"(1959-60) 私にとってのペンデレツキは、旋律回帰以前のペンデレツキであり、それ以後のペンデレツキはヤワで関心の外にあった。それほどに、≪グリッサンドするトーンクラスターや特殊奏法≫で情念の迸りを音響造形し、押しまくる7…

ラグナール・グルッペ『レクイエム』(1996)。ん、グレツキ?。あらゆる音楽ジャンルを包括したポップスとクラシックのない混ざったシンセサイザーとソプラノによる劇場音楽のようなレクイエム。

Grippe- Musique Douze (1/2) 残念ながら投稿音源は動画にありません。 ネット図書館の検索でラグナール・グルッペRagnar Grippe(1951-)というスウェーデンの作曲家の『Requiem for Soprano and synthesizer』(1996)が目にとまった。初耳の作曲家だった。で…

キース・ジャレット『メロディ・アット・ナイト、ウィズ・ユー』(1999)。まあえらく芸術的だこと・・・。地味というか滋味・・・、シンプルな事このうえない。過剰な装飾などいっさいなしと言ってもいいくらい

Shenandoah - Keith Jarrett solo 1999 キース・ジャレット(Keith Jarrett、1945 - )といえば、私には『ケルン・コンサート』(1975)と、1973年ドイツ・ブレーメン、スイス・ローザンヌでの二つのソロ・コンサートで決まりなのだけれど。もうこの2つの…

ヤナーチェク『弦楽四重奏曲第1&2番ほか』。38才年下の人妻への恋をインスピレーションにして成ったヤナーチェク73才の作。ああ(反俗に生きる)芸術家というやつは・・・。ウ~ン。オイオイ。

Leoš Janáček - String Quartet No. 1, 'Kreutzer Sonata' (1 of 2) かの高名な村上春樹の小説は何ひとつ読んだことはないのですが、つい最近の話題作のなかにヤナーチェク(Leoš Janáček, 1854 - 1928)の『シンフォニエッタ』の名がみえるというんで、その…

セシル・テイラーユニット『Akisakila - In Japan』(Trio /1973)。熱気はあるのだけれど、初来日という気負いのせいかそんなにいいパフォーマンスのものではありません・・・。

[533] CROSSING Part Ⅱ @ SILENT TONGUES(1974) - CECIL TAYLOR 投稿音源のものではありません。 きのうの山下洋輔トリオのアルバム『UP-TO-DATE~山下洋輔トリオライブ’75 4.28』の投稿記事で≪日本人にはセシル・テイラーより山下洋輔のほうが感性的には合…

山下洋輔トリオ『UP-TO-DATE~山下洋輔トリオライブ’75 4.28』。リリシズムを漂わせて疾走するジャズ。変化球ではなくストレート。それゆえか爽快である。

山下洋輔トリオ、 キアズマ (CHIASMA) :山下洋輔(p)、坂田明(as)、森山威男(ds) 久しぶりの70年代の山下洋輔トリオ(山下洋輔(p)、坂田明(as)、森山威男(ds))のアルバム。いいね~。このパワフルな格闘ジャズ。革新的なプロトジャズ、その実践。リリシズ…

イタリア4人、ベルギー他、計6人の現代音楽作品集『Continuum Ensemble Dortmund / Werner Seiss』(1978)。

Franco Donatoni: Etwas Ruhiger im Ausdruck {1/2} きのう一昨日と2日つづいて、オムニバスアルバムだったのに、きょうもまたA、B両面に計6人もの作曲家の作品が収録されている、盛りだくさんな総花的作品集。イタリア産が4人に、アルゼンチン、ベルギ…

『CONTEMPORARY HUNGARIAN MUSIC』。60年中期のハンガリー作品。極端に走らず中庸をゆく見識と言っておこうか。そうした作品のピックアップでなっているアルバムなのかもしれないし・

József Soproni: String Quartet No.5 part 1/2 投稿音源のものではありません。 きのうの『現代ルーマニア音楽』(1971)は、当時(70年前後)の前衛モードをそれなりに咀嚼しての迸るパッションでの緊張と濃密のうちに清新の意気を造形したと印象綴った…

『現代ルーマニア音楽』(1971)。現代と言ったって40年も前の現代音楽。けれど、時代が沸騰していた時期の<現代>音楽であり、そのさまざまな音響造形様式に込められた熱き思いは十二分に伝わってくる。

Costin Miereanu :musique élémentaire de concert 投稿音源のものではありません。 『現代ルーマニア音楽』と言ったって、データを見れば1971年(邦盤)リリースとあるから、実に今から40年前のアルバムとなる。けれど、時代が沸騰していた時期の<…

金子仁美 『スペクトラル・マターズ SPECTRAL MATTERS』。音への真摯な思索、インテリジェンスと繊細、余韻。集中力と大胆さ。その骨格の確かさ。すばらしい。

年末墓参りをすませての帰り、ナンバのタワーレコードに寄り、侘びしいいことでありますが、CDアルバムを1枚だけ購入した。もちろん現代音楽もの。わが国の女性作曲家、金子仁美(かねこ ひとみ、1965 - )のアルバム『スペクトラル・マターズSPECTRAL MA…

ベートーヴェン『ピアノソナタ全集VOL.2』。お定まりの飲酒酩酊の三が日。楽聖で正月。

Beethoven by Arrau - (3rd mvt) Sonata No 17 "Tempest" in D minor, Op. 31 No 2 もろ人の祈る千年をあつめても猶かず知らぬ春の初空 土御門内大臣 正月、元日は初詣、二日は家族親族が年始あいさつで集い、そしてきょう三日は友人知人が相集い旧交温め酒…

ベートーヴェン『ピアノソナタ全集VOL.1』。≪作曲の歴史はベートーヴェンから始まる。ベートーヴェン以前に作曲家はいない」のです。≫なんだかんだいってもやはりベートーヴェン!。

Beethoven: Piano Sonata No. 8 "Pathetique" (1/3):Performed by legendary pianist, Claudio Arrau ベートーヴェンは、「作曲家」とは何をする人間であるか、初めて身をもって示した人です。 極端なことを言うと、「作曲の歴史はベートーヴェンから始まる…