yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

Guy Reibel 『Suite Pour Edgar Poe』ほか。ミュージックコンクレートの創始者ピエール・シェフェールのいわば筆頭アシスタント・共同研究者であり、長年帯同してきた人物なのだが。

すでに≪輻輳するホワイトノイズの快楽。音色の多彩さ豊かさと生き生きとした動きをもったGuy Reibel(1936-)の電子音響作品。≫とタイトルして拙ブログに登場している作曲家Guy Reibelのミュージックコンクレート作品集なのだけれど、前回(作)ほどインパクトは…

ハワード・ライリー『トロント・コンサート』(1977)。固有のジャズであって何らおかしくもない。インテリジェントにイギリスジャズを突っ切ればイイノダ。すばらしくパッションに満ちた入魂のソロパフォーマン

イギリスの佐藤允彦といっておこうか。イメージとしては間違ってはいないと思うのだけれど。これほどの実力者なのに動画サイトへのアップロードがない。どうしてなのだろうか。教職にもついているとのことで、その所為なのかも知れないが。はっきりしたこと…

ヨシ・ワダ『ジ・アポインテッド・クラウド』(1987)。壮大なノイズ、ドローン、その混沌の荘厳といっておこうか。みごとです。安らけくノイズの混沌に身をさらし、身をあずける我が心の放心の静謐。

THE APPOINTED CLOUD SCORE ≪80ものオルガンパイプ、吊るされた巨大な鉄板、サイレンやスチーム管ゴング・・・・。サウンド・アーティスト、ヨシ・ワダ(和田義正)のサウンド・インスタレーション、『ジ・アポインテッド・クラウドTHE APPOINTED CLOUD』(1…

ピエール・アンリ『Voile D'Orphée I Et II / Entité / Spirale』。多彩なエレクトロニクな音の表情、鮮やかに組み立ててみせるエレクトロニクノイズへの超絶センス。

Bejart Variations pour un porte et un Soupir. Bejart 投稿音源のものではありません。 ひさしぶりに、ピエール・アンリPierre Henry(1927-)のアーティフィッシャル(artificial)テクノノイズサウンドの鑑賞。私は 「神を讃えることを唯一の目的としない…

フランソワ=ベルナール・マシュ『Danae』ほかの合唱曲。民族的野趣が巧みに組み込まれ力強い生命力、息づきを感じさせる良い作品。

Malec: "Pulsations" Mache, Francois-Bernard きょうは、作曲家の名前のクレジットをみてたまたま手にしたという程度の所蔵動機だったと思われるが。というのも何せあまり普段から感興わかぬ合唱作品ということもあり・・・(打楽器作品もそのひとつでもある…

The San Francisco Conservatory New Music Ensemble『Cage - Rush - Logothetis – Moran』(1971)。なにか生真面目。

Anestis Logothetis(1921 in Burgas, Bulgarien; 1994 in Wien) : Culmination きょうは、アメリカの San Francisco Conservatory の出身者によって創設された現代音楽演奏グループ「New Music Ensemble」(1971)のパフォーマンスの収録されたレコード。このグ…

ジェルジ・リゲティ『弦楽四重奏曲第二番』(1968)、アール・ブラウン『弦楽四重奏曲』(1965)ほか。

Parker String Quartet plays Ligeti, Part.2:from the Quartet #2, 4th movement ほぼ3年前にドイツ・ヴェルゴ盤を取り上げ≪ジェルジ・リゲティの堅固な弦の響き『弦楽四重奏曲第一番』(1953)。微細に音色生成変化搖動する『弦楽四重奏曲第二番』(1968)…

アンドレ・ブクレシュリエフ『ARCHIPEL(群島)Ⅳ』。すべての奏者(ピアニスト)を山下洋輔化するブクレシュリエフの≪ARCHIPEL(群島)≫シリーズ。激越!。

Boucourechliev: "Archipel 4" まさに日々の憂さを晴らすにはうってつけの凄まじいピアノパフォーマンスに快感堪能、痺れさせてくれるアルバムだ。過日も取り上げたブルガリアを出自とするフランスのアヴァンギャルド作曲家アンドレ・ブクレシュリエフ(Andr…

金井英人グループ『“Q”』(1971)。フリージャズパフォーマンスの斬新を聴くというにはいささか躊躇するものだけれど、録音が抜群にいい。

高柳昌行(g)が聴けると云ったら、このアルバムのリーダーとしてその名冠せられているベーシストの金井英人に失礼か?たぶん私は現代音楽作曲家の水野修孝と、七ツ矢博資の名が見えたので手にしたのだと思われるが。フリージャズパフォーマンスの斬新を聴く…

カール・アマデウス・ハルトマン『ヴァイオリンと弦楽合奏のための<葬送協奏曲>』(1939)。反ナチを貫いた良心的文化人として戦後多いに称賛され、その評価高らしめた作曲家のひとり。作風は重厚。

Karl Amadeus Hartmann: Concerto Funèbre (1939 rev.1959) Primo e Secondo Movimento 「共産党宣言」の歴史的革命思想・実践家カール・マルクスのカールに、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトのアマデウス。そして、新カント学派のとりわけ存在論で…

ロバート・アシュレイの初期ピアノソロ作品『ピアノソナタ』(1959-79)ほか。そのピアノはシンプルで静謐漂う≪簡素なたたずまい≫を思わせる。

Robert Ashley : Piano Sonata 戦後現代音楽最大の革命家・アヴァンギャルドのジョン・ケージも不確定、偶然性のコンセプトをかかげ、音楽史に揺さぶりをかけて耳目を集める存在にいたるまでの若き苦闘の日々にものした作品には、ピュアーでナイーブな精神の…

ヨハン・セバスチァン・バッハ『マタイ受難曲』LP4枚組み。音楽史上の奇跡、鳥肌立つ感動ものの究極の一枚。

あまねく世界に神は存在し あまねく音楽にバッハは存在する アルフレート・シュニトケ Bach - St. Matthew Passion BWV 244 (Karl Richter, 1971) - 1/22 「神を讃えることを唯一の目的としないすべての音楽は、音楽ではなくて混沌であり悪魔の騒ぎにすぎな…

ジョージ・ロックバーグ『STRING QUARTET No.3』(1972)。斬新の、尖った試みとフォークロア的ノスタルジックな美しさの混在、特長といえば言えるのかも・・・。

George Rochberg's third string quartet http://video.google.co.jp/googleplayer.swf?docid=-8887199860403116759&hl 先日、アメリカの現代音楽シリーズといっても70年代以前のそれの紹介というということで取り上げたアルバム≪『SPECTRUM : NEW AMERICA…

ガブリエル・フォーレ『オーケストラ作品集』2枚組み。抑制はすぐれた美徳。中古2枚組み800円のささやかな満足にひたっています。

Fauré Elégie in C Minor op. 24 - Jacqueline du Pré サッカー日本代表の南ア・ワールドカップ最終予選の締めくくりであるオーストラリア戦の逆転負け。ワールドカップ4位達成の目標もなんともおこがましい試合内容だった。主力選手が揃っていないなど、相…

デレク・ベイリー、ギターソロ『Lot 74』(Incus 12、1974)。≪意味≫など問う必要はないのだ。偶然がもたらす、意味から解き放たれた音の煌めきはことのほかの真如であることだろう。

Derek Bailey - Lot 74 (1974) ≪「小説は論文じゃない。朝起きたり道を歩いたりすることをわざわざ書く。そのこと自体が何かでなければおかしい。・・・小説とは読後に意味をうんぬんするようなものでなく、一行一行を読むという時間の中にしかない。・・・…

Steve Lacy 『SAXOPHONE SPECIAL』(1974)。サックス4本というモノトニアスな音色に色添えるミシェル・ヴァイセヴィッツのチープなシンセサイザーが面白い。

"Swishes," from Steve Lacy, Saxophone Special + (Emanem Records). Recorded in 1974 at the "Wigmore Hall" in London よく「・・・づくし」といった高級極上料理があるけれど、最初はその美味さに食は進めど、いいかげん腹におさまると、その極上ものも…

武満徹『トゥイル・バイ・トワイライト~武満徹作品集』。調性の抒情には、たんなる甘美な旋律を越え、ときに力強く宇宙的時空の広大重厚ささえ響き渡らせる。

Tōru Takemitsu: Les yeux clos II (1988) by Odilon Redon 投稿音源のものではありません。 ≪私がうたいたい旋律(うた)は、単純な叙情の線ではない。それをも含めた、多くの糸が複雑に撚り合わされた、物語る線である。だが、私は、まだそれを手にしては…

ヴィンコ・グロボカール『Discours II 』ほか。音楽することの始原、自由へとその超絶技巧は差し向けられている。そこがグロボカールの魅力でもあると言っておこうか。

Vinko Globokar: Discours II pour cinq trombones [1/2] ヴィンコ・グロボカール(Vinko Globokar, 1934 - )といえば、その超絶的なトロンボーン演奏に耳傾けるということとイコールだ。ただそれは即興演奏という事態でのそれであって、譜面に固定された超…

チャールズ・ウォリネン『Time's Encomium』(1968‐69)。何がおもしろくてこのような貧相な電子音楽を発表するのだろう。駄作云々というより認識世界が了解不能なほどに位相がズレている。

Wuorinen- Piano Concerto No. 3 (1/4) 投稿音源のものではありません 最悪の電子音楽とひとまずはいっておこうか。こういった電子音の音色感覚は耐え難い貧弱さというほかない。何がおもしろくてこのような貧相な電子音楽を発表するのだろう。もう、音への…

アントン・ブルックナー『交響曲第9番』。壮にして大なるかな、ああこの甘美。陶酔する斯くなる精神。だが私には別世界であるようだ。

Bruckner - Symphony No. 9: 2 Satz. Scherzo. (Karajan Wien 1978) [Part 1] 「愛する神に捧げるつもりで書いた」 (A・ブルックナー) 壮にして大なるかな、ああこの甘美。轟き響きわたる斯くなる楽の音に陶酔する精神をどのように受けとればいいのだろう…

ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ『コンパス「内なる問いのリズム」(1969~70)ほか。微細な音の移りゆき、その表情の豊かさ。複層的な色合いの豊かさはさすが。

Hans Werner Henze: Toccata Mistica, for Piano (1994) 投稿音源のものではありません。 内容豊かな公理体系にあってはことごとく 論理式はシステム自身の範囲において 証明も論駁も 不能なものとして存在する 勿論そうでないとシステムは 本来的に無定見 (…

『詩吟』。民謡のコブシ、節回しとおなじくの吟詠の強烈なアーティキュレーションにはたしかに情念くすぐり心捉えるものがあるようだ。

詩吟「夜墨水を下る」 きょうは、「鞭聲肅肅夜河を過る(べんせいしゅくしゅく よるかわをわたる)」と、朗々と吟ずる詩をどこかで一度は耳にされていると思われる、その詩吟の投稿。我がブログタイトルの「脳をマッサージ」ということでの登場ということでも…

『SPECTRUM : NEW AMERICAN MUSIC, VOLUME II』。ナチスドイツによる民族的思想的厄災が皮肉にもアメリカの音楽状況をセリエリスムという時代の先端潮流へと投げ入れた。

George Rochberg: "Serenata d'estate"(1955) 先日に引きつづきアメリカの現代音楽作曲家紹介シリーズともいえる『SPECTRUM : NEW AMERICAN MUSIC, VOLUME II』を取り上げよう。このアルバムには3人の作曲家の作品が収められている。目玉はいうまでもなく…

アルバン・ベルク『ヴァイオリン協奏曲、室内協奏曲』。なんともロマン主義的絢爛に彩られた<革新>!?音楽だこと。

Alban Berg - Concerto pour violon (Suwanai & Ashkenazy) 1 サッカーファンとして、まず取りあえずは我が日本がワールドカップ南アフリカ大会出場を決めたことをともに慶びたいと思う。予選を戦い抜いた選手それぞれが本大会選手選考まで怪我無く、ますま…

『SPECTRUM : NEW AMERICAN MUSIC, VOLUMEⅠ』。日本と縁のあるロジャー・レイノルズの作品。センシティブな音色感覚は濃密で緊張感たたえ、陰影をもった響きで魅了する。

Roger Reynolds: Quick Are the Mouths of Earth (1965) きょうは先日にひきつづき『SPECTRUM : NEW AMERICAN MUSIC, VOLUMEⅠ』。70年前後のアメリカ現代音楽の動向を指し示す企画のもとに出されたとおぼしきシリーズのうちの一枚で、いっとう最初に出され…

シベリウスの「弦楽四重奏曲 作品56≪親愛なる声≫」とグリーグの「弦楽四重奏曲 ト短調 作品27」。

Edvard Grieg String Quartet in G minor, Op. 27: I (part 1) 図書館のネット予約借受のCDを聴きながら、さてはと前調べとばかりに拙ブログをとりあえず振りかえり投稿済み記事検索をしてみた。なんとすでに≪ん?シベリウスの弦楽四重奏?『弦楽四重奏曲全…

ミルトン・バビット「All Set, for Jazz Ensemble」(1957)ほか『SPECTRUM:NEW AMERICAN MUSIC, VolumeⅤ』(1974) 。

Milton Babbitt: "All Set" for Jazz Ensemble (1957) ミルトン・バビット 現代アメリカ作曲界の長老であり重鎮と言ってたぶん異存ないだろう一人にエリオット・カーター(Elliott Carter, 1908 - )がいる。ピエール・ブーレーズの評価を得ているということ…

『Acting Trio』(1969)。英独に比べ低調なフランス・フリージャズのなかでは貴重なドキュメントといえるのかも。

その名のとおり、エネルギッシュで「Acting」なパフォーマンスで終始最後まで聴かせることを思えば、アルバムタイトルの「acting trio」には、ウソ偽りはない。言うまでもなく飛び上がり、跳ねまわるわけではないけれど体を張ったフリーインプロジャズだ。録音…

『韓国の音楽』。「朝鮮の三分割リズム」。そこに≪私たちは朝鮮の音楽を聴くと、とてもエキゾチックに感じる≫(小泉文夫)

SINAWE (心方曲) 시나위 합주 【…このように、一拍を細かく三分割できるリズムでできているのが朝鮮の音楽の特徴だと言った方がより正確だと言えよう。西洋音楽にも、ワルツやマズルカなど舞曲に三拍子系の多くみられる。ところが日本の音楽には三拍子系、三…

アンドレ・ブクレシェリェフ『ARCHIPEL(群島)Ⅲ』(1969)。このエモーショナルでエネルギッシュな緊張感溢れた音響空間が、どこでどうなってグラフィックスコアから飛び出してくるのだろう。

Boucourechliev- Archipel III:Andre Boucourechliev's indeterminate "Archipel III", for percussion and piano. Georges Pludermacher performs the piano part. つい1週間ほどまえに投稿したアルバムに収録されていたブルガリアを出自とするアヴァンギ…