yuki-midorinomoriの日記

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カール・アマデウス・ハルトマン『ヴァイオリンと弦楽合奏のための<葬送協奏曲>』(1939)。反ナチを貫いた良心的文化人として戦後多いに称賛され、その評価高らしめた作曲家のひとり。作風は重厚。

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Karl Amadeus Hartmann: Concerto Funèbre (1939 rev.1959) Primo e Secondo Movimento

            

イメージ 2共産党宣言」の歴史的革命思想・実践家カール・マルクスのカールに、ヴォルフガング・アマデウスモーツァルトアマデウス。そして、新カント学派のとりわけ存在論でその名を刻んだドイツの哲学者ニコライ・ハルトマン(Nicolai Hartmann (Niklāvs Hartmanis), 1882 - 1950)のハルトマン、という我が貧弱な歴史上の知識人名簿より、その業績にあやかり、とってつけたような名前で私に記憶されていたドイツ現代音楽作曲家カール・アマデウス・ハルトマン(Karl Amadeus Hartmann, 1905 - 1963)。その作曲家の代表作『ヴァイオリンと弦楽合奏のための<葬送協奏曲>(フス派コラールに基づく。ナチスへの抵抗作品)』(1939)の収録されたアルバムをきょうは取り上げよう。この作品は1938年のチェコスロバキアズデーテン地方ナチス・ドイツに割譲するという、独・英・仏・伊4ヶ国によるミュンヘン条約の暴挙への抗議、<チェコスロバキア共和国への哀歌>ということで書かれたそうだ。親交のあった、現代音楽初演等の普及活動に貢献した指揮者のヘルマン・シェルヘンともども反ナチを貫いた良心的文化人として戦後多いに称賛され、その評価高らしめた作曲家のひとりといえようか。≪戦時中にウィーン近郊のマリア・エンツェルスドルフでアントン・ヴェーベルンの薫陶を受け、その後の創作に重要な影響を受けた。≫(WIKI)と晩年のウェーベルンにも教えをうけているとはいえ、作風はどちらかといえば保守(新古典主義)的折衷派といえるだろうか。そのせいかあらぬか、戦後前衛派の席巻する時代の流れには割を食っているといえるのかも知れない。その評価はイマイチというところだろうか。しかしそのオーケストレーションは重厚で多いに魅力を備えている。シェーンベルク楽派らの革新ほどに、その作風は斬新をもたないにせよ、ドイツ音楽のよき伝統、その正統を響きのうちに聴き、これは!・・・と思わせることだろう。もう一曲はクルト・ワイル「ヴァイオリンと管楽オーケストラのための協奏曲 作品12」(1,924)。




カール・アマデウス・ハルトマン『ヴァイオリンと弦楽合奏のための<葬送協奏曲>(フス派のコラールに基づく。ナチスへの抵抗作品)』(1939)

クルト・ワイル「ヴァイオリンと管楽オーケストラのための協奏曲 作品12」(1,924)。