yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

2006-01-01から1年間の記事一覧

羨ましいほどの落ち着き、ゆとり。洗練。流れるような前衛。アンリ・プスール(1929‐)の『貴方のファウストの鏡の戯れ』(1967)

Henri Pousseur: Jeu de Miroirs de Votre Faust (1966/1967) アンリ・プスール Henry Pousseur 観客がストーリー展開に介入する部分的に<不確定>な要素をもつオペラ。伝承の<ファウスト>を扱った数多くの過去の歴史的な作品からの音と文章の引用、パロ…

高木元輝(サックス)とパーカッション・土取利行とのデュオ・アルバム『ORIGINATION』(1975)

ORIGINATION 土取利行・高木元輝 ・Toshi Tsuchitori(ds) Mototeru Takagi(sax) 1975 なんだか出だしを聞いていると、アート・アンサンブル・オブ・シカゴの雰囲気である。その「People in Sorrow」を思わせる。高木元輝とパーカッションの土取利行とのデュ…

マーラーの『交響曲第五番・アダージョ』を聴きながら年の瀬を静かに過ごす。

グスタフ・マーラー 年もおしつまり、此の時ばかりは加齢とともに侘しさがジワーと心にしみ込んでくる。 昔の人はよく言ったものだ。「門松は冥土の旅の一里塚」。これは 【《一休の狂歌で「めでたくもありめでたくもなし」と続く》めでたい門松も、それを立…

≪芸術家の主観が支配的要素とならない絵画≫コンバイン、コラージュ絵画のロバート・ラウシェンバーグ(1925-)

Art:21 Elegy for Robert Rauschenberg Music:Earle Brown ジョン・ケージとロバート・ラウシェンバーグRobert Rauschenberg(1925-)、そしてマース・カニングハムMerce Cunningham(1919-)。戦後アメリカ芸術、ネオダダ、反芸術ムーヴメントのニューヨ…

シンプルで、その清冽な美しさを垣間見せるジョンケージの『コンチェルト』(1951)。即興演奏のカオスの高揚のうちに終結するコラージュ音楽、ルーカス・フォスの『バロックバリエーション』(1967)。

John Cage - Concert for Piano and Orchestra http://video.google.com/googleplayer.swf?docId=1786697868526409285&q =john+cage 先日に引き続きルーカス・フォスLukas foss(1922-)を取り上げよう。自作品『バロックバリエーションBAROQUE VARIATIONS』…

輻輳するホワイトノイズの快楽。音色の多彩さ豊かさと生き生きとした動きをもったGuy Reibel(1936-)の電子音響作品。

『FRANGES Du SIGNE』(1974)では動きをつねに意識したと思われるノイズサウンド。単線的な薄っぺらさでなく、重層した圧倒的な音塊、マッスで生き生きと音場形成が途切れなく成されており、ホワイトノイズの小気味よさはノイズ数寄には魅力的な電子音響作…

アサンブラージュ、コラージュのもたらす意外性が即興性と相俟ってことのほか新鮮な響きをもたらすルーカス・フォス『ノン・インプロザシオン』(1967)ほか。

ルーカス・フォスLukas foss(1922-)。アメリカの作曲家。哲学教授を父、画家を母としてドイツ、ベルリンにて生を享ける。≪1933年ヒットラー政権の成立を見て、一家はパリへと移住する≫。ユダヤ系インテリの流浪である。 其処で、コンセルバトワールに席を置…

図形記譜法、「開かれた形式」でケージに先んじるほどにアメリカ実験派をエネルギッシュに率いたアール・ブラウン(1926 - 2002)。

Music :Earle Brown Art:21 | Elegy for Robert Rauschenberg アール・ブラウンEarle Brown(1926 - 2002)のアルバムのブログを綴るため、念のためにいつものことながらWIKIPEDIAをまず覗いてみた。そこには≪あまりにも初期の印象が強すぎたせいか、1970年…

『人間が不幸なのは、ただ自分の幸福なことを知らないからです』(ドストエフスキー)

私のブログへの訪問履歴を頼りに、上がりこみ読ませていただいたブログに「人間が不幸なのは、ただ自分の幸福なことを知らないからです。」というコトバを拝見した。しかもこの言葉はドストエフスキーの小説文中のものとあるではないか。たぶん忘れてしまっ…

音色の多彩と芳醇、精神の緊張を湛えた美しさ。ジルベール・アミ(1936-)『STROPHE』(1964-66)『SONATA PIAN`E FORTE』(1974)

今日は、先日久方ぶりに取り上げたジルベール・アミGilbert Amy(1936-)の拙ブログでの3枚目の紹介アルバムとなる。ソプラノとオーケストラのための『STROPHE』(1964-66)と、ソプラノ、メゾソプラノと12楽器のための『SONATA PIAN`E FORTE』(1974)の2曲が…

間と沈黙を引き連れシンプルが魅力的でさえあるジョン・ケージの『プリペアド・ピアノと室内オーケストラのための協奏曲』(1951)ほか

武満徹と一柳慧(とし)が企画構成し行われた現代音楽祭『オーケストラル・スペースORCHESTRAL SPACE ‘68』のドキュメント。≪ところで今回の第2回(第1回は1966年 開催)は一昨年の第1回にもまして、素晴らしい盛況振りであった。東京文化会館の2千数百の座…

<晦渋に衒う>坂本龍一、土取利行のデュオパフォーマンス『Disappointment-Hateruma』(1975)

土取 利行、坂本 龍一 - ∫/Ʒ(musique differencielle 2゜) さすがと言うべきか、人気の程が窺える。いやつねにどうでもいいような物議をかもす言(辞)動ゆえなのか、アルバムを取り上げるに際して坂本龍一のWIKIPEDIAの項を覗いて、その詳細な取扱い(いう…

ハナモゲラ奇声で「こねこ、ねこのこおこぜのこ~・・・」と喚き会場を沸かし煽る余裕のバトルパフォーマンス。山下洋輔トリオ『モントルー・アフター・グロウ』(1976)。

アルバート・アイラーの『ゴースト』から日本の唱歌「赤とんぼ」へとアドリブ展開する坂田明。アルトサックスのフリーキーな咆哮とアフリカ土着人(モンゴリアン!?のような風貌でもあるが)の如きハナモゲラ奇声で「こねこ、ねこのこおこぜのこ~・・・」…

浪花節・浪曲を春日井梅鶯 (かすがいばいおう)の名調子で『赤城の子守唄』を聴く。

東海林太郎(しょうじたろう) 浪曲 国定忠治 名月赤城山(1/5)口演;先代広沢虎造 投稿音源ではありません。 昨日は中東アジア、アゼルバイジャン、タジキスタンのメリスマ(こぶし)の効いた民俗歌謡、ポップスをYOUTUBEで鑑賞した。そのこぶしの…

中東アジアのアゼルバイジャン、タジキスタンのエキゾチズムをYOUTUBEで愉しむ

アジザ・ムスタファ=ザデ 今日は、民族音楽への関心ということもあり、先日来よりのYOUTUBE検索で愉しむということでページふさぎとしよう。純粋の民族音楽は、当方が固有名詞・人名を知るほどまでには詳しくなく残念ながら検索できなかったので、たまたま国…

電子器械のなんとも孤独な鳴き声、雄たけび、哀しい悲鳴、泣訴のようにも聞こえてくるデヴィッド・チュードア(1926 -96)の『MICROPHONE』(1973)

David Tudor - Mix A 投稿後、動画サイトにアップロードされていたので追加貼り付け。 今日は、ちょいとズルをするようで具合が悪いのだけれど、というのも音源は貰ったテープであり、オリジナル音盤からではない紹介となる。およそ四半世紀ほど前のことだか…

余韻をもちつつ響きが張りつめて立っている、12の星座の音をキラメかすジョージ・クラム(1929年 - )の『MAKROKOSMOS,Volume1』(1972)

George Crumb マクロコスモス 第8番 「無限の魔方陣」 今日は、アメリカの作曲家ジョージ・クラムGeorge Crumb(1929年 - )のアンプリファイドされたピアノ曲『MAKROKOSMOS,Volume1』(1972)<マクロコスモス第1集>を取り上げよう。これは≪12曲から成り、…

虚空の彼方よりもたらしてくれた音連れ、雑音交じりの電波ウェーブの不思議のざわめきを思い起させるシュトックハウゼンの電子音とコンクレートのための『HYMNEN・讃歌』(1966-68)

Stockhausen – Hymnen 今、中東カタールのドーハでアジア大会が行われて熱戦がメディアを賑わしている。それにしてもダントツに中国が強く、好結果を残しているのは凄いことで今昔の感がある。10億を超える人口と、凄まじいほどの経済成長、生活文化の成熟に…

ちょっぴりブルーな感性と、晴朗な温かさがうまくミックスされ艶なる魅力のちょっぴりハスキーな声のノラ・ジョーンズ(1979 - )を聴く。

今日もまた、YOUTUBEで音と映像を愉しむこととしよう。出し惜しみじゃないけれどあまり多くのミュージシャンを羅列しても散漫になるだろうから、今日は一人だけとする。ラジオから流れていて興味を持った程度だから、たぶん多くの方がすでにご存知でファンの…

Joan La Barbara (1947-)でジョン・ケージ『SOLO FOR VOICE 45 from songbooks』(1971)など他のボイスパフォーマンスを聴く。

声楽のパフォーマンスというよりJoan La Barbara (米・1947-)の作曲作品といったほうがいいのかもしれない。ともかくアヴァンギャルドな声楽家としての名声ゆえに、その声のパフォーマンスを期待するが、このアルバムでは彼女のテープ処理をともなったエレ…

ジャン=クロード・エロワ(1938-)の混沌の電子騒・雑音ドローンの感動『SHANTI』(1972-73)。

Jean Claude Eloy - "Prémonitions" (env. 21'):"SHÂNTI" ("Paix )" 1972-73 ,pour sons électroniques et concrets ≪切れ目なく電子音が空間を埋め尽くす。あらゆる音の境界定かならぬ未分明な音が延々とある時は轟々とあるときは沸き立つ如く沸々滔々と流…

シュトックハウゼンの電子音、ピアノと打楽器のための『コンタクテ(接触)』(1960)をエレクトロニック・ノイズサウンドの刺激に満ちたデヴィッド・チュードアで聴く。

Karlheinz Stockhausen : Kontakte {PART 1/4} David Tudor, piano & percussion : Cristoph Caskel, Percussion, Karlheinz Stockhausen, tape, Gottfried M. Koenig, electronics デヴィッド・チュードアーDAVID TUDOR ≪ここでは人は、各瞬間に、1つの最小…

引締った空間と多彩な音色の動きがすばらしいジルベール・アミ(1936年 - )『オーケストラのための歌』(1967-68)ほか。

Amy- Chant (1/3) 指揮を師事したそのブーレーズの後任として、67年からドメーヌ・ミュジカルの音楽監督を務め73年からはフランス国営放送局の音楽顧問、84年からリヨン音楽院の院長を務めているジルベール・アミGilbert Amy(1936年 - )。≪1954年にパリ音…

YOUTUBEでB.B.KINGのブルースを聴く。

BB King / Gary Moore - The Thrill is Gone あまりユーチューブのネットアドレスを羅列するだけでは能のない話ではあるけれども、何せ音と映像の力にはかなわない。ということで今日もユーチューブのアドレスピックアップ集となる。ただ、私が持っている唯…

生々しくつやっぽい、しかも緊張感を湛えた点描的音響世界シルヴァーノ・ブソッティ『裸像(イル・ヌード)』(1963)ほか

Sylvano Bussotti- RARA (Cello) Sylvano Bussotti- Pour Clavier (3/3) 貼付不可 ブソッティ図形楽譜 (下)Bussotti Opera Balletより 先に拙ブログにてシルヴァーノ・ブソッティSYLVANO BUSSOTTI(1931-)の弦楽作品集を≪シルヴァーノ・ブソッティの色め…

緊張に空間が際立って屹立し、煌びやかに輝いて<在る>音で魅惑的なジョン・ケージの『Etude Australes』(1974-75)。

『Etude Australes』(1974-75)楽譜(ネットページ『楽譜の風景』氏より転載) Cage- Etudes Australes Book I No. 1:performed by Steffen Schleiermacher. ジョン・ケージの『Etude Australes』(1974-75)。いままで初期のピアノ作品を拙ブログで取り上げ鑑…

墓碑銘は、「されど、死ぬのはいつも他人」。マルセル・デュシャン

墓碑銘は、「されど、死ぬのはいつも他人」。 Marcel Duchamp マルセル・デュシャン――・・・・あなたはウィーンの論理学者たちの話を知っていますか? カバンヌ――いいえ マルセル・デュシャン――ウィーンの論理学者はある体系を練り上げたわけですが、それに…

穏やかさが美しい。切なく、そして哀しいほどに美しいこんな祈りの音の世界もあるのだ。ギャビン・ブライヤーズ『イエスの血は決して私を見捨てたことがない』

Tramp & Tom Waits / Jesus' Blood Never Failed Me Yet 例えば、薄汚れたぼろぎれを身にまとい、足には寸法の合わない綻びて口のあいたぼろ靴を履き、ヤニついて黄ばみ、薄汚れた歯がところどころ欠けて抜け落ち、垢だらけの顔に長髪ヒゲ面のひとりの浮浪者…

YOUTUBEで聴くチベット仏教声明(読経)と音楽。

Tantra of Gyuto さて今日も例によってYOUTUBEで遊び、楽しんだ結果報告。堅い頭をふりしぼっての検索で発見した、頭をマッサージするにあたいする音をピックアップしよう。一応、今回はロックを含め宗教的な精神性を感じさせるものを中心にしようと思う。ま…

YOUTUBEで、変人奇人のエピソードに事欠かない天才グレン・グールを映像と音楽で楽しむ。至福の時。

グレン・グールド Bach - Art of fugue - Contrapunctus01 - Glenn Gould http://www.YOUTUBE.com/v/lyNy4EJsZqY もう、でてくるわ出てくるわで時間を忘れてしまうほどにYOUTUBEと睨めっこである。今、ブログ記事そっちのけで、現代音楽、アヴァンギャルド芸…