yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

輻輳するホワイトノイズの快楽。音色の多彩さ豊かさと生き生きとした動きをもったGuy Reibel(1936-)の電子音響作品。

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『FRANGES Du SIGNE』(1974)では動きをつねに意識したと思われるノイズサウンド。単線的な薄っぺらさでなく、重層した圧倒的な音塊、マッスで生き生きと音場形成が途切れなく成されており、ホワイトノイズの小気味よさはノイズ数寄には魅力的な電子音響作品となっている。テクニカルタームが不足しているのでなんとももどかしい事だけれ、すくなくとも、こうした音色の多彩さ豊かさと動きをもった電子音響作品は米国の作曲家には聞けないものである。やはりフランスのIRCM、GRMなどの存在は大きいと思わせるものだ。とりわけ音色へのこだわりはフランス、そしてこの研究施設がもつ優れたところなのだろう。厚み、豊かさがある。1963年から83年までそのGRMのメンバーとして研鑽し、活動したフランスの電子音楽作家ガイ・ライベルGuy Reibel(1936-)の作品集。先の作品ともう一つ『GRANULATIONS-SILLAGES』(1976)の2作品が収められている。色彩ある小気味いいノイズの輻輳に浸りたい人には是非とものお薦めとしておこう。

【1980年代よりコンピュータを用いる音楽がそれまでの電子音楽に代わって主流となった。1976年に生まれたパリのポンピドゥー・センターの併設組織IRCAM(イルカム)は、現在でもなおヨーロッパのコンピュータ音楽の最先端の研究施設である。初代所長はピエール・ブーレーズ。生楽器を演奏して特定の音程や音色をマイクで拾い、瞬時にコンピュータによる音響処理に連動させるソフトウェアMAX(現在の名称はMAX-MSP)は、IRCAMで開発され現在では世界中で使われている。・・・・パリにはもうひとつラジオ・フランス内にINAという組織が持つGRMというコンピュータ音楽研究施設があり、これをINA-GRM(イナグラム)と呼んでいる。こちらはジャン・クロード・リセ、リュック・フェラーリなどの作曲家を生み出した。INA-GRMは現在ではIRCAMと技術を競い合っている。】(WIKIPEDIA)