yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

2008-10-01から1ヶ月間の記事一覧

アルバート・アイラー『NUITS DE LA FONDATION MAEGHT』(1970)。死の直前のヨーロッパ・フランス・ライヴ。土の匂いふんぷんのトラディショナル・フリー。

Albert Ayler - Nuits De La Fondation Maeght 1970 - 05 - The truth is marching in 秩序など無意味だ、破壊へ、混乱へ。・・・「無疵な魂がどこにあろう」・・・若さはあまりに、酷すぎる。≫(中上健次) 十八の歳に上京したのだが、その東京に着いた次の…

ホコリまみれの、1969年に公開されたソ連制作の映画のパンフレット、ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』。

The Brothers Karamazov (1969) (English subtitles). Part 2/3 (5/5). ・・・まったく人は誰でもすべての事について、すべてに人にたいして罪があるのです。・・・『カラマーゾフの兄弟』 私達が一日一日を平穏に暮らしていられるのは、この広い空の下のど…

沖至『幻想ノート』(1975)。ユニットの成熟。すばらしいコレクティヴパフォーマンスが熱い。言語疾走する詩人吉増剛造とのコラボも聴きもの。

Sentimental journey(Kazuko Shiraishi & Itaru Oki) トランペッターはよく歌う。いや、この沖至がとりわけそうなのか。ということで、きょうはフリージャズ畑のトランペッターとして70年代、名を馳せていた?沖至の『幻想ノート』(1975)を取り上げよう。…

『グリニッチ・ヴィレッジのアルバート・アイラー』。思い込みを破砕するに十分なエネルギーと、ジャズすることの情熱・パッションと愛を歌い上げる激しいコレクティヴパフォーマンスに満ちていて驚いた。

Albert Ayler - Our Prayer 虚心坦懐という言葉がある。思い込みを捨て素直な心で事にあたれということなのだろう。まさしく、その教えを思い知ることとなった。アルバート・アイラー Albert Ayler(1936 - 1970)の『グリニッチ・ヴィレッジのアルバート・…

アート・アンサンブル・オブ・シカゴ『Live At Mandel Hall』(1974)2枚組。表現主義アフロアメリカンフリージャズ≪われわれは希望を歌い/喜びを歌う/そして絶望を歌い/悲しみを歌う≫

Art Ensemble of Chicago, Paris 1969 - People in Sorrow (4/4) 投稿音源のものではありません。 私にとって70年代の先鋭の極致ヨーロッパ・フリージャズと唯一拮抗していたアメリカン・ジャズは今日取り上げるアート・アンサンブル・オブ・シカゴのみだ…

グレン・グールド『バッハ・トッカータ集Vol.Ⅰ』(1979)。

Glenn Gould plays Bach Toccata in D minor BWV 913 (1/2) グールド愛用の使い古された椅子 【短い時間、霊安所にて友人や仕事仲間の弔問を多数受けたあと、遺体はマウント・プレザント霊園の母親の墓に葬られた。その墓石の傍らには、二色の御影石で作られ…

大西順子トリオ『クルージン CRUISIN'』(1993)。凡百の?野郎のジャズピアノを聴くくらいなら大西順子。どだい音楽センスが違う。

The Jungler by Junko Onishi Trio 投稿音源のものではありません 柳の下の二匹目をとばかりに、すこし前に散在する羽目になった職場近くの小さな中古CDショップを覗いた。残念ながらドジョウはいなかった。手ぶらで帰るのもオモシロくないので、これなら…

ロジャー・ウッドワードによるシルヴァーノ・ブソッティ『ピアノのために』(1961)ほか。点描・セリエールの極度の緊張とエロティシズムの艶っぽさ。

Sylvano Bussotti: Pour Clavier (1961) Prima parte 投稿音源のものではありません。 きょうは、オーストラリアを出自とする、現代音楽の演奏を手掛けてそのヴィルトージティで知られるピアニスト、ロジャー・ウッドワードの名を冠したアルバム。すでに武満…

女流画家の草分け桜井浜江、98才の画業。突き上げる漲る表出の渾身。「安易な叙情に走らず、より大きく、より深く、地の底から湧きあがる力を感じさせるものを描きたい。」あふれる混沌への意志。

94才の絶筆「富嶽」 大きなもの、広いもの、高いもの、深いもの、心の底よりもり上がるもの 桜井浜江 新聞での番組欄タイトルが正確にはどんなだったか・・・、たぶん「98才・・・うんぬん」だったとおもうけれど。一瞥興味惹かれて覗いたNHKテレビの「新…

ヴィトルド・ルトスワフスキ晩年の『ピアノ協奏曲ほか』。洗練と高み!この揺るぎなさ!。音色の豊麗緻密。重層するオーケストレーションの厚み。凡百と聞き比べれば、その瞭然の質的差異にナットクすることだろう。

Lutoslawski - Piano Concerto (I) ca.110:Krystian Zimmerman - Piano やっと予約順番が廻って、借り受けることができた。いつも利用している中央図書館のネット貸し出しのCD。どういう事情でか、いつネットを覗いても貸し出し中でおよそ半年以上待った…

ペーター・ブロッツマントリオと15人の子供たち『Free jazz und kinder』(1972)。思いもかけぬ爆発的な怒涛の騒然としたパフォーマンスが随所にアナーキーに噴出する。

Death Rattle-Peter Brotzmann/Bill Laswell フリージャズと15人の子供たち『Free jazz und kinder』(1972)。演奏を子供たちに一方的に聴かせるといったよくある企画のものではなく、8歳から11歳までの子供たちがアコースティックな楽器やら音の出るもろもろ…

シューベルト『ピアノ五重奏曲≪マス≫』。疲れ気味のアタマのマッサージと息抜きにはこういう室内楽の名曲は最適のようだ。清冽の若きシューベルトはなおさらに美しくすばらしい。

F. Schubert: Trout quintet - 4. theme and variations わが町の図書館で借りてきたはいいけれど取り上げるのも憚れるほどの名曲中の名曲、シューベルトの『ピアノ五重奏曲≪マス≫』の登場。返却期限が来ているということもあってのことだけれど。それとなん…

ジョン・ケール『New York in the 1960's』。聴き飽きることなくアーティフィッシャルなノイズ・ドローン・ミニマルミュージックに浸るCD3枚総3時間の愉楽。言うことなし。

John Cale - Sun Blindness Music pt. 1 私のブログ記事を見てのとおり、現代音楽とフリージャズがメインとなっているようにロックは、ほぼ興味の対象外に等しかった。音源を聴いてというより、美術等(アンディ・ウォホールに象徴されるポップアート)などの…

ブルガリア国立放送合唱団ほか『ブルガリアの声の神秘:ブルガリアン・ヴォイス』土の薫りとメリスマの魅力。魂の響きというにふさわしい。

Valia Balkanska - Izlel e Delio Haidutin (デリオは山に) 近頃いささかテンション下がり、停滞気味。ということもあり、アルバム紹介して草々に終えよう。『ブルガリアの声の神秘:ブルガリアン・ヴォイス』がそれだ。土の香りのするメリスマの声の魅力と…

ジョージ・クラム『Music for a Summer Evening (Makrokosmos Ⅲ)』(1974)。象徴主義的で神秘主義的な音色へのこだわり。

George Crumb, V. Music of the Starry Night (part 2) 象徴主義的で神秘主義的な音色へのこだわり。今日取上げる米国の作曲家ジョージ・クラム George Crumb(1929 - )には、先ずこのことばが口をついて出てくる。たぶんこの印象はこの作曲家の作品を聴く…

犬塚勉(1949-1988)のスーパーリアリズム。現前するその自然とは、はたして実相なのか仮想なのか・・・。狂気じみた一木一草すべて、ディテールにこだわる執拗なまでのスーパーリアリズム。

「梅雨の晴れ間」 「縦走路」 これは写真ではありません。画です。先だって新聞のごく小さなスペースのコラム記事に掲載されていて、てっきり写真とばっかり思いこみ眺めていた画だった。≪山を愛し、38歳で谷川岳で遭難死した犬塚勉(1949-1988)のスーパーリ…

伊福部 昭『宙(ちゅう)・SF交響ファンタジー』(1995)。「自分の作品リストからは削りたい。」たぶん本心でしょう。民族派たるの古色蒼然とした、しかしスケールのあるオーケストレーションは愉しめる。

Ifukube 伊福部昭 SF交響ファンタジー第1番 「自己に忠実であれば、必然的に作曲家は民族的であること以外に、ありようはない」伊福部 昭 仕事もそこそこに、早く切り上げテレビにしがみついてのサッカーワールドカップ最終予選ウズベキスタン戦のテレビ観戦…

秋は行くのか、来るのか。

東山魁夷「行く秋」(1990) Pyotr Il'yich Tchaikovsky : The Seasons, for Piano, Op. 37 Octobre - Chant D'Automne 秋は行くのか、来るのか。 秋は一夜に 秋は一夜にやってくる。 二百十日に風が吹き、 二百二十日に雨が降り、 あけの夜あけにあがったら…

ルチャーノ・シリオ?Luciano Cilio『Dell'Universo Assente』。まことに繊細、切ないまでのフラジャイルな音楽。

上のジャケット写真は合成です Luciano Cilio - Secondo Quadro della Conoscenza (da "Dialoghi del presente" なぜ、弱さは強さよりも深いのか? 松岡正剛「フラジャイル」 先日の散財するはめになった中古CDショップで手にしたうちの一枚。ルチャーノ・…

バーニー・クラウスの『アフリカン・アドベンチャー』。≪自然は長い沈黙を嫌う≫。生きてある存在の証とばかりに鳴き声が、音が、自然界を行き交う。

Amazon Rainforest (No Music):本稿の音源ではありません 自 然 は 長 い 沈 黙 を 嫌 う ルイス・トマス 先日、ダーウインの適者生存なる、極端に言えば弱肉強食の進化論ではなく、今西錦司いうところの棲み分け(ニッチ)が、生物の発する音にも見られる…

トリスタン・ホンジンガーとギュンター・クリスマンのデュオ『Earmeals』(1978)。流麗さや音色の美、いわゆる音楽的な美などを放棄した徹底的に演奏に遊び戯れることを善しとする風情、まさにダダ。

Honsinger / Parker / Altena - Company 1 - No North (1976) もちろん投稿音源のものではありません。 Tristan Honsinger 根っからのフリージャズマン二人によるデュオアルバム『Earmeals』(1978)がきょう取り上げるアルバム。 奇天烈な個性の持ち主、チ…

レジャレン・ヒラー 「Twelve-tone variations for piano Opus 17」(1954)ほか。世界で最初にコンピュータを(作曲過程に)使った作曲家。奇妙で骨太いオモシロさ。

Hiller- 12-Tone Variations for Piano (1/3) きょう取り上げる米国の作曲家レジャレン・ヒラーLejaren Hiller ( 1924, New York City, 1994, Buffalo, New York)は、世界で最初にコンピュータを(作曲作業過程に)使った作曲家であり、コンピュータ・アルゴリ…

セシル・テイラー『Jazz Advance』(1955)。清新の革新の心意気ここにありといった風情で、この一点でも今なを聴くにあたいする傑作名盤といえようか。意気軒昂、革新のパッション。気持ちがいい。

Cecil Taylor - Bemsha Swing サッカー日本代表、岡田ジャパン引き分けに終わる。次のワールドカップ最終予選の対戦相手ウズベキスタンの力を思うとなんだか心もとない。いくつもの決定的チャンスがあったのに・・・。次戦はホームだ。是が非でも勝ち点をと…

『日本の民族音楽・日本のハーモニー』。神への祈り、神への訴ったえ(ウッタエ)。リズム、フシ(節)をつけて歌うのだった。ともかく、人は歌ってきた、歌いつづけてきた。

Shingon Shomyo Taiyo 自 然 は 長 い 沈 黙 を 嫌 う ルイス・トマス 拙ブログのYOUTUBEの館で、たびたび民族音楽の動画を貼り付けて共に鑑賞し、愉しんているのだけれど、こと我が国の伝統芸能などに関しては、アップロード動画が少ない所為かその機会をつ…

ベルナール・パルメジャーニ 『CHRONOS』。サウンド創造とそれへのこだわり、執拗な聞き込み。器械が発する音への慈しみ、それ自体への同化。電子音への熟知が創り上げたセンシティブなサウンド世界。

Parmegiani: "Pulsion-miroir" 昨日のナチュラルアコースティックサウンドの楊琴(ヨーチン)記事から一転して、きょうはアーティフィッシャルエレクトロサウンドの紹介としよう。 もうだんだんと紡ぎだすことばも底ついてきて、正直しんどいところなのだけ…

張 林 (チャン・リンZhang Lin)『中国の美音・揚琴(ヨーチン)』。繊細優美で、流麗な響き。澄んだ音色で愁いと軽快を奏でる。

昭君怨 Zhaojun yuan:張林 Zhang Lin 張 林 Zhang Lin 先日、ひさかたぶりに職場に近くの中古CDショップを覗いた。そこで出会ったのが今日取上げる中国の「揚琴(ヨーチン)」の演奏アルバム『中国の美音・揚琴』、奏者は名手、張 林 (揚琴) チャン・リ…

ルイス・デ・パブロ「イニシャティバスIniciativas」(1966)ほか。メリハリの効いたダイナミックで動的な音色の変化。60年代という時代を表徴する典型的な音群、響きには緊張と清新が漲っている。

LUIS DE PABLOS. LA ESENCIA DE LA MUSICA これまた、先日のスペインの作曲家クリストバル・ハルフテルと同じく、エネルギッシュなクラスター音塊で音響空間にメリハリをつける、いわば油彩画のごとき質感をもって聴く者に迫ってくる風情のルイス・デ・パブ…

エルンスト・クルシェネク「Aulokithara for oboe, harp & tape」(1972)ほか。音楽をシンプルに愉しんでますといったところだろうか。

Glenn Gould plays Ernst Křenek's Op.92 先日のシュテファン・ヴォルペと同様、ナチスドイツの騒乱を避け、米国にその活動、生活の拠点をうつし帰化したオーストリアの作曲家エルンスト・クルシェネク(Ernst Krenek, 1900 - 1991)のアルバムをきょうは取…

今西生物社会理論。その<棲み分け>論が自然界の音についてもみられるという。

前にも取り上げたことのある分子生物学者の福岡伸一の新聞コラムに、また興味の引く記事があった。ダーウインの適者生存、弱肉強食の進化論に異を唱え?生物のほとんどは自分の生きる空間を限定し、他種との競争を避けて<棲み分け>しているという、あるし…

シュテファン・ヴォルペ「Trio (for flute,piano,cello)」(1963)ほか。無調音列主義の軽快な作品。ひじょうにシンプルで心地よい。

Stefan Wolpe: "Waltz for Merle" (1952) ナチスドイツに追われ、米国に生活、活動の拠点を移したヨーロッパ諸国の数多くの音楽家のうちのひとり、ドイツ生まれのシュテファン・ヴォルペ(Stefan Wolpe 1902 - 1972)が今日登場する作曲家。≪アルノルト・シェ…