yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

レジャレン・ヒラー 「Twelve-tone variations for piano Opus 17」(1954)ほか。世界で最初にコンピュータを(作曲過程に)使った作曲家。奇妙で骨太いオモシロさ。

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Hiller- 12-Tone Variations for Piano (1/3)

             

イメージ 2きょう取り上げる米国の作曲家レジャレン・ヒラーLejaren Hiller ( 1924, New York City, 1994, Buffalo, New York)は、世界で最初にコンピュータを(作曲作業過程に)使った作曲家であり、コンピュータ・アルゴリズム作曲を唱導し実践果敢した記憶にとどめられるべき作曲家。また、イリノイ大学の電子音楽センターの創設者でもあった。もともとは、いまでいう複雑系(ランダム・ウオーク理論、カオス)の化学の学者であった人。そのコンセプトと、その実践の作品もさることながら、ジョン・ケージなどのアヴァンギャルドとのコラボレーションをもつほどに、学究とは思えぬほどの先鋭なダダ的感性の持ち主だ。その書かれた作品の風変わりなことこのうえない面白さだ。ワケのわからぬハチャメチャ、特殊奏法満載といったありがちな、いかにもといった風情の現代音楽ではなく、古典的とさえいえるのだけれど、なにやらオカシイのだ。この逸脱ぶりは、私に謂わせれば奇妙で骨太いオモシロさだ。普通じゃない面白さを奏でる音楽。保守派が支配する米国にこんな骨太くてオカシナ作曲家が居てるのは救いである。作品リストをみると交響曲のナンバーが見えるけれど、一体どのような曲趣のものなのだろうか。機会があれば聞いてみたい気がする。


         写真中央Lejaren Hiller イメージ 3
収録曲――

「Twelve-tone variations for piano Opus 17」(1954)
「Machine music for piano, percussion and tape Opus 37」(1964)
「Sonata, No. 3 for violin and piano Opus 45」(1970)



レジャレン・ヒラー関連、投稿記事――

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/56026878.html ルーカス・フォス『パラダイムParadigm』(1968)、レジャレン・ヒラー『アルゴリズムAlgorithmsⅠ,VersionⅠ」(1968)。意味地平の革新、斬新が、感性がここには確かにある。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/53049466.html ピエール・バルボーの『FRENCH GAGAKU』と『MU-JOKEN』。コンピュータを作曲過程に介在させてのアルゴリズミック・ミュージック。丹波明「能音楽の構造」研究の実践『TATHATA』ほか。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/50765208.html 『THE AVANT GARDE STRING QUARTET in the USA』。聴きものです。再発、廉価NAXOS盤にあり。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/50764999.html (1) 『THE AVANT GARDE STRING QUARTET in the USA』。聴きものです。再発、廉価NAXOS盤にあり。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/40330584.html 世界で最初といわれるコンピュータで計算処理させて作曲された、古典的な整除された美しをも感じさせる『イリアック組曲』(1957)と『Computer Cantata』(1963)

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/40367009.html <騒音>それ自体へのダダ的超越のアヴァンギャルドジョン・ケージ(1912)とレジャリン・ヒラー(1924)の『HPSCHD』(1967-69)