yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

脱俗孤高の画家『高島野十郎画集・作品と遺稿』。

「在るに非(あら)ず、また在らずに非(あら)ざるなり」 「写実の極致、やるせない人間の息づき――それを慈悲という」(遺稿ノートより) やっと中央図書館のネット貸し出しで申し込んで借り受けの順番がまわってきた。以前から拙ブログに代表的というか代名…

クリストバル・ハルフテル「シンポジオンSymposion」ほか。劇的でありつつ、あらゆる先進の作曲書法を総合しようとの構成の試みは情熱に溢れている。フォルテッシモはつんざくほどの音塊で迫ってくる。

Cristobal Halffter: Symposion, per baritono, coro e orchestra (1968) Prima parte きょう取り上げるスペインの現代音楽作曲家クリストバル・ハルフテルCristóbal Halffter (1930-in Madrid) は、父方の叔父二人(Rodolfo and Ernesto Halffter.)が著名…

ガンサー・シュラー「THE INVENZIONI」ほかとブルーノ・マデルナ「GIARDINO RELIGIOSO」 (1972)。音列を踏まえた音色的にも多彩で伸びやかな現代音楽。

Gunther Schuller String Quartet No 2 Third Movement ガンサー・シュラーの公開作品―― http://artofthestates.org/cgi-bin/piece.pl?pid=329 「Phantasmata」 (1989) このブログでもジャズのジョン・ルイスやオーネット・コールマン、それにドン・エリスな…

グローヴユニティ『IMPROVISATIONS』(1977)。コレクティヴフリーのジャズ史上でのすぐれた成果。集合的パフォーマンスとソロパフォーマンスのバランスがよく、両方を愉しめる快演のアルバム。

Globe Unity Orchestra @ Mulhouse'08 - part2/4 :Evan Parker saxophone ヨーロッパアヴァンギャルドの揃い踏みといった風情ではある。総勢15人。壮観であります。(ジャケットの裏写真にはその面々が勢ぞろいした写真が印刷されているのでそちらを貼り…

内田樹『寝ながら学べる構造主義』。

人 そ れ ぞ れ 書 を 読 ん で ゐ る 良 夜 か な (山口青邨) というわけではないですが、ダラダラと新書一冊やっと読み了げました。ブログ投稿に時間を取られているということもあるけれど・・・。それとことばを紡ぐことをナリワイとしているのでもない…

フレッド・ヴァン・ホーヴ『ピアノソロ』(1972)。独・アヴァンギャルド・フリージャズの立役者ペーター・ブロッツマントリオのピアニスト。あらゆるジャズピアノスタイルとクラシカルな音楽伝統の快走愉楽。

Fred Van Hove solo @ Jazz à Mulhouse '07 きょうは、YOUTUBEサーフィンで愉しんでいる間に時間がたってしまった。(驚くべきスピードで動画のアップロードがなされているのは驚き以外ではない。実に悦ばしいかぎりだ。)ということもあり残念ながら…

ハインツ・ホリガー「7つの歌」(1966-67)「魔法の踊り手」(1964-65)。精神の緊張をその緻密な音色展開、音響造形の厳格のうちに、堪能することだろう。

heinz holliger きのうは、ヨーロッパ的な構成感覚からは対極ともいえなくはないエキゾティックで情緒的なトーンをもって世界を駆け上った武満徹のCDを取り上げた。 ということで、今日はヨーロッパの音楽伝統をきっちりと踏まえての前衛作品、もちろん作…

武満徹『ジェモー』。宇宙の観照に深く響く武満トーン。

Toru Takemitsu - Gemeaux, for Oboe, Trombone and Two Orchestras (1/4) 今日も、昨日に引きつづきわが町の図書館で借り受けてきた武満徹の『ジェモー』。予算不足だけれど廉価盤が出たとあっての購入なのだろうか。つい最近所蔵されたようだ。とにもかく…

マーク・アントニー・ターネイジ、ヴォルフガング・リーム、ジョージ・ベンジャミンを聴く。こんなのが小さなわが町の図書館で聴けるとは。

Wolfgang Rihm's String Quartet No. 1 Op. 2 (1970) Wolfgang Rihm わが町の小さな図書館に、こんな現代音楽のCDが新しく購入蔵書?されていたとは驚きだった。誰がこのようなものを購入予約したのだろう。ということでさっそく借りてきた。≪いまヨーロッ…

バートン・グリーン『AQUARIANA』(1969)。ヨーロッパフリーのセンス、ダダで熱く燃えている。ストレートな炸裂する混沌はことのほか壮快。

携帯カメラでジャケットを撮影したデータを見れば、2006年となっていた。2年も前のことだ。たぶんあちこちとブログ記事を覗いていて、一旦は投稿すべく用意したのだろう。だが、どういう理由で今日という日まで先延ばししたのか記憶にない。それにまた…

オリジナルにまさるカヴァー!?。村上ゆきの「そして僕は途方に暮れる」。

けさ、出勤途上の自動車のラジオから流れていた女性シンガーの声質と感性に惚れました。私が知らなかっただけ(知らないことのほうが多いのだけれど)で若いポップスのリスナーであれば、その名はすでに知れわたっているのだろう。その女性シンガーとは村上ゆ…

ジークフリート・パルムの『チェロ・リサイタル』(1974)。冷厳寡黙に佇むウェーベルンは、やはりすごい。わずか2曲でトータル4分38秒。

Nomos Alpha (Iannis Xenakis), part I 今日いつもの如く仕事帰りの車中にて、NHK・FM放送≪ベストオブクラシック -第1626回N響定期公演- 【ゲスト】西村朗≫を聴いた。もちろん途中からではあったが。えらく迫真のヴァイオリンがオーケストラをバ…

ベッツイ・ジョラスBetsy Jolas 『STANCES』(1978)ほか。≪洗練された詩的感情≫、音の緊密な処理、艶やかで煌めく多彩な音色展開。

Jolas- Piano Concerto "Stances pour Piano et Orchestre" (1/3) Betsy Jolas 国際的に活躍している女性作曲家って、いてるのかなと思っていたけれど、ど忘れしていました。拙ブログにすでに登場している二人を忘れていました。フィンランドのカイヤ・サー…

≪アートが生業?道楽者っ≫映画監督・北野武。

芸術家は天才か、変人か?はてその実像は。というわけで、最近作に芸術家を描いて、映画祭にも参加した映画監督こと北野武(ビートたけし)へのインタビュー記事が日経夕刊に載っていた。大見出しはこうだ。≪アートが生業?道楽者っ≫だった。この道楽者!と…

ヤン・ガルバレクJan Garbarek『SART』(1971)。澄明なサウンドが支配する北欧の洗練のフリージャズ。

Silence - Jan Garbarek,Egberto Gismonti,Charlie Haden 北欧はノルウェーのサックス奏者ヤン・ガルバレクJan Garbarek (1947 - )のアルバム『SART』(1971)を今日は取り上げよう。たしかにこのアルバムを聴く限りではヤン・ガルバレクのサックスは謂われて…

『湯浅譲二作品集』。抽象度の高く深い精神性と<和のこころ>その余情。原初、深奥へ迫り分け入る精神性、厳しさは超弩級。

Yoji Yuasa: Projection (1962) 1枚1050円なら、たとえ収録作品が重複していても他の曲を聴きたくてサイフの口が緩むというものだ。ということで、久しぶりにショップへと足を運んだおり購入してきた。お目当ては、まえまえから手にしてジックリと聴き…

『春の海・宮城道雄作品集』。この洗練が、感性の拡がりを失う精神の衰弱の因なのでは。

Shoji plays Haru No Umi by Miyagi しょうじき言いまして、邦楽曲を聴くのは、たまたまその時聴き会わせたNHK・FM(「邦楽のひととき」など)より流れているものを仕事しながら耳傾けるくらいで、能動的に放送時間を待ってスイッチオンし聴き入るとい…

スロッビング・グリッスル『D.o.A: The Third and Final Report 』(1978年)。手作り、アナログ電子変換サウンド、ノイズであるがゆえの感性の人間臭さがおもしろい。

Throbbing Gristle - Hamburger Lady 現代音楽とヨーロッパアヴァンギャルド・フリージャズを主に聴いていた身にとって、70年以降のプログレッシヴロックと称されるものの動向はやはり刺激的なものだった。戦後の電子技術の飛躍的発展による、現代音楽の開…

松山千春『ベストコレクション』。よく伸びるハイトーンはまさしく無二の天性のもので、歌の上手さと哀切なメロディーに胸はノスタルジックにざわつく。

Chiharu Matsuyama It cried. Tinatu Wakatsuki 『歌は語れ。セリフは歌え。』 (森繁久彌) 松山千春のファンでもなんでもないのですが・・・。というのも私のような団塊親父にとっては、吉田拓郎や井上 陽水であり、演歌では森進一、都はるみだった。じつ…

イギリス・アヴァンギャルド・フリージャズの重要メンバーの一人、ベースのバリー・ガイのソロアルバム『Statements Ⅴ-ⅩⅠ for Double bass and violone』(1976)。

Odyssey by Barry Guy 私の拙いブログに登場するフリージャズの、とりわけイギリスのアヴァンギャルド・フリージャズの重要メンバーの一人、ベースのバリー・ガイBarry John Guy (born 22 April 1947, in London)のソロアルバム『statements Ⅴ-ⅩⅠ for Doubl…

ルトスワフスキ、エーリッヒ・ウルバンナー、ルチャーノ・ベリオ『弦楽四重奏曲』。

Witold Lutosławski - String Quartet - I. Introductory Movement 今日もまた、購入して手にしたものではなく、図書館でのネット借受のCDがこの稿で取り上げるものと相成る。返却期限が迫っているということで・・・。弦楽四重奏作品が三作品収められてい…

パヌフニク、ルトスワフスキ、シマンスキ、『ポーランド3大作曲家 ピアノ協奏曲集』(1999)。陰影、彫琢、精神には根が生えている。だからこそ!ポーランド!?。

Pawel Szymanski- Trop Andrzej Panufnik 私のような70年前後より現代音楽を聴き追ってきた世代にとっては、ポーランドの現代音楽といえば、まず筆頭にクシシュトフ(またはクリシュトフ)・ペンデレツキ Krzysztof Penderecki(1933-)だった。その音群の…

朝夕の冷気とともに虫すだく秋の音連れ。侘びしく「ちん、ちん、ちん」とカネタタキ。

http://www.bekkoame.ne.jp/~sibutaka/nature/html/insects/kanetataki_s_j.html 鉦叩の鳴声が聴けます。 暁(あかとき)は 宵 よ り 淋(さび)し 鉦 叩(かねたたき) 星野立子 やっと、朝夕の冷気に寝苦しさ忘れ秋を感じる季節となりました。それとともに…

オーネット・コールマン『At the "Golden Circle" in Stockholm, Vol. 1』(1965)。まあまあなんと伸びやかなジャズであることよ!。

http://www.youtube.com/watch?v=sqdgPkElYvY Ornette Coleman trio The Riddle まあまあなんと伸びやかなジャズであることよ!。といった印象がまずやってくることだろう。べつにフリージャズ云々などを頭の片隅におくまでもなく、ストレートにオーネット・…

ジョン・ケージ『ソナタとインタールード』(1946-48)。ジョン・ティルベリー演奏盤。やはりこの過剰さのないシンプルな、純朴ともいえる変わったピアノの音色には心鎮められる。

James Tenney plays John Cage 1/sound. at the Schindler House ジョン・ケージの『Sonata and Interludes』を投稿するのはこれで、3枚目となる。元来、聴き較べという趣味は持ち合わせていないのですが・・・。≪孤独で美しく、やさしくもの悲しげなジョン…

山下洋輔、アデルハルト・ロイディンガー(b)、デュオ&トリオ『WAVE SONG』(1977)。この時期、冴えに冴えわたっている。いささかの躊躇もない。ストレートで美しい。壮快である。

Yosuke Yamashita,George Kawaguchi – Duo いささかの思い入れがあるので、最近の、といっても音盤を購入し手にしてのその感想ではないのだけれど、折にふれてのパフォーマンスを見聴きする限りでは、一頃ほどにはあまり感心したものではない、と一先ずいっ…

ドン・エリスのサードストリームジャズ『HOW TIME PASSES』(1960)。その壮や善しとしたいパフォーマンス。

Don Ellis 万事休す。データストック用のUSBメモリーが手元に見当たらない。ということで、今日取り上げるつもりだった、ジャズに現代音楽の十二音列等のコンセプト、いわゆるガンサー・シュラー唱導するサードストリームを創りだそうと果敢した革新的ジ…

余情と余韻。緊張湛えた音の世界。松下眞一「星たちの息ぶき」(1977)福島和夫「飛鏡」(1962)ほか。

FUKUSHIMA 《Hi-kyo》 今日取り上げるレコードには、四人の現代音楽作曲家の作品が収められている。そのうちの作曲家3名に関してはすでに楽曲の違いはあるけれど、個々に取り上げ投稿している。まず松下眞一。これは同一作品を含んだレコードをとりあげ≪松…

レオシュ・ヤナーチェクの『ピアノ作品集』。ショパンのいささかの陶酔的、感傷的な美しさ、技巧的華麗な煌びやかさに食傷の方には、この民族派ショパンに心安らぐことだろう。

L. Janacek - On an Overgrown Path 草かげの小径にて スメタナ(1824-1884)、ドヴォルザーク(1841-1904)にその知名度譲るとしても、今やチェコを代表する作曲家レオシュ・ヤナーチェク(Leoš Janáček, 1854 - 1928)といっても間違いはないのだろう。今日…

NHKテレビ俳句『波郷・夫婦愛』。新日曜美術館『写実の果て 孤高の画家・高島野十郎』をみる。

石田波郷 きのう日曜日は、朝から立てつづけにテレビに釘付けになってしまった。まずは、NHK俳句・特集「波郷・夫婦愛」。これには泣きました。私事で(ブログ自体がそうなのですが・・・)どうでもいい事ですがこの俳人・石田波郷は、わが父親、母親と同じ…