yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

グローヴユニティ『IMPROVISATIONS』(1977)。コレクティヴフリーのジャズ史上でのすぐれた成果。集合的パフォーマンスとソロパフォーマンスのバランスがよく、両方を愉しめる快演のアルバム。

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Globe Unity Orchestra @ Mulhouse'08 - part2/4 :Evan Parker saxophone

         

ヨーロッパアヴァンギャルドの揃い踏みといった風情ではある。総勢15人。壮観であります。(ジャケットの裏写真にはその面々が勢ぞろいした写真が印刷されているのでそちらを貼り付けた方がよかったかも)収められているそのコレクティヴインプロヴィゼーションには到達点ここにありとの宣言の如くの揺るぎなさを見せている。このアルバムでの「グローヴユニティGlobe Unity」は、全体がマッスとなってエネルギッシュに雪崩打つ混沌の爆発的テンションのいつものコレクティヴパフォーマンスももちろんあるけれど、個々のソロも分離的明瞭に聴きだせるある程度の落ち着きもみせている。これは余裕のなせるところなのだろうか。とにもかくにも、爆発的な混沌に身をあずける壮快、快感これにすぐるは無しといった、いつもながらのヨーロッパフリージャズの醍醐味をたっぷりと聴かせてくれる魅力に溢れる出来となっている。1966年発足(この記念すべきファーストアルバムは既に拙ブログで取り上げている)以来10年の月日が磨き上げた洗練。コレクティヴフリーのジャズ史上でのすぐれた成果といえようか。集合的パフォーマンスとソロパフォーマンスのバランスがよくとれ、両方を愉しめる快演のアルバムと括って今日は草々に擱くことにしよう。


イメージ 2Globe Unity『Improvisations』 (JAPO 60021)
1977-09-?? Ludwigsburg

Improvisation 1 / 10'14" / Globe Unity
Improvisation 2 / 6'31" / Globe Unity
Improvisation 3 / 6'20" / Globe Unity
Improvisation 4 / 23'14" / Globe Unity

Gerd Dudek (ss, ts, fl), Paul Lovens (dr), Gunther Christmann (tb), Paul Rutherford (tb), Tristan Honsinger (cello), Peter Kowald (b, tuba), Kenny Wheeler (tp), Evan Parker (ss, ts), Albert Mangelsdorff (tb), Peter Brotzmann (as, ts, bcl), Buschi Niebergall (b), Michel Pilz (bcl), Manfred Schoof (tp), Derek Bailey (g), Alexander von Schlippenbach (p)