yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

池辺晋一郎『池辺晋一郎:管弦楽作品集』(2004)。<喝>!、単なる意匠を越えた精神の裏づけのありやなしや。こうでしかありえないと云ったモチーフ、イメージ・・・全体を貫くもののありやなしや。

毎日曜日のテレビ番組、「サンデーモーニング」でのスポーツコーナーではないけれど、ゲストが、その週のいろいろなスポーツトピックに対して、その各々に良ければ<アッパレ>、悪ければ<喝・カツ>の掛け声のもと評定下されボードにシールが張られる趣向…

モートン・フェルドマン『ピアノ作品集・AKI PLAYS FELDMAN』(1995)。漆黒の沈黙の世界を開け示す静謐の一音。静かにやってくるものにこそ真性があるのかもしれない。

Morton Feldman - Palais de Mari (1986) {Part 1_3} 沈黙それ自体ではなく、漆黒の沈黙の世界を開け示す静謐の一音。その静謐の音を偏愛するモートン・フェルドマン(Morton Feldman、1926 - 1987)のピアノ初期 (1949)から後期作品(1986)までの主な作品を…

ソフィア・グバイドゥーリナ『オッフェルトリウム Offertorium 』。祈りと哀しみに満ちた世界は霊妙な余情のうちに示現する。単なる意匠を越えた強靭な精神の裏づけにたじろぐことだろう。

Sofia Gubaidulina - Offertorium (1980) Concerto for violin and orchestra Nr. 1 (Part 1, Fragments) 自 然 は 隠 れ る こ と を こ の む 。(断片123) ―― ヘラクレイトス ―― 真理がその薄衣を剥がれてもなお、真理として留まるということを、もはや…

女セシル・テイラー!?イレーヌ・シュヴァイツァーとルディゲー・カール(ts)の双頭コンボ『GOOSE PANNEE』(1974)。女だてらのこの剛直。アナキーに突っ走る姿は、この陽春にふさわしい爽快さ

Irene Schweizer/Rudiger Carl Duo:Live at the Vision Jazz Festival, New York, 1985. いかにもドイツといった印象。何がドイツか?と突っ込まれそうですが。ようするにパターン化した安易な思い込みに過ぎないのかもしれないけれど。重い、固い、強烈、…

『モーツアルト・ピアノ協奏曲第20番~27番』というCD4枚組み。内田光子とピレシュ。あの美しい第20番第2楽章 ロマンツェの聴き較べ。

Uchida conducts Mozart's Piano Concerto #20 - Allegro I Jリーグサッカー中継を観戦し、何やかやとしているうちに時間が経ってしまった。当初、風呂に入りながら今日取り上げようと思いついたジャズに針を降ろししばらく聴いていたけれど、何のことばも…

アーチー・シェップ『FOUR FOR TRAIN]』(1964)。コルトレーンへのオマージュ。呻きともつかぬ喘ぐような独特のブルージーでソウルフルな歌ごころのサックス。

Archie Shepp / Dollar Brand- Left Alone (First Produced CD!) さて今日も、アーチー・シェップ。これでプチシリーズも最後です。たぶん。もう棚には彼のアルバムはこれ以上無かったと記憶するが・・・。このあたりまでです、彼とのお付き合いは。さて今日…

アーチー・シェップ『ARCHIE SHEPP AND THE NEW YORK CONTEMPORARY5』ジャケットデザインの秀逸さで、取り上げたというのが本音と言えば言えるのかもしれない。

Arthur Rimbaud, " Voyelle" poèmo clip de Jorge Amat :avec une musique d'Archie Shepp Aは黒、Eは白、Iは赤、Uは緑、Oは青。母音たちよ、 おれはいつかおまえたちの潜在の誕生を語ろう。 Arthur Rimbaud 今日も、きのうに引き続いてのアーチーシェ…

アーチー・シェップ『変転の時・Things Have Got To Change』(1971)。政治的メッセージ性の強い、アグレッシブで押しまくり、乗りまくる泥臭いブルースファンキージャズの熱狂。

Archie Shepp - Money Blues 同情するなら金をくれ~とは、いつの時代でも地べたに這いつくばって生きるしかすべのない底辺の切実な叫びであることは云うを待たない。お恵みをと手が出てくるのだ。しかしそれを蔑むべきではない。立場変わればそうなるのだ。…

アーチー・シェップ『LIVE AT THE DONAUESCHINGEN MUSIC FESTIVAL 1967』。≪ド演歌≫的なブルージーなお定まりのフレーズにカナワンナとの思いと、魅かれる背反。

Archie Shepp One for The Trane part 1 2/2 きょうは、いつも愉しく拝見させていただいているブログ氏に煽られての投稿。登場するはテナーサックスのアーチー・シェップArchie Shepp(1937-)。若いジャズファンにはどうなのだろう。ところで、アルバムは、…

ん?シベリウスの弦楽四重奏?『弦楽四重奏曲全集』。全4曲。瑞々しく清冽がみなぎっていて、かつ豊かな弦楽の響き。構成的で<古謡>抒情的豊麗な響きはのちの交響曲作家を予感させる。

Sibelius, Jean - String Quartet In D Minor ( Voces Intimae ), Op 56 ん?シベリウス(ジャン・シベリウスJean Sibelius, 1865 - 1957)の弦楽四重奏?といった小さな驚きが、今回のCD『弦楽四重奏曲全集』を取上げるきっかけだった。NHK・FMのな…

フレデリック・ショパン『ピアノ協奏曲 第1番 作品11』マリア・ジョアン・ピレシュのつぶ立つ清澄な音色のピアノで聴く。

Martha Argerich Chopin Piano Concerto1 3/4 図書館で間違って手にし、借り受けてきたCD『ショパン・ピアノ協奏曲 第1番 作品11』が今日取り上げる当のもの。別にショパン (フレデリック・フランソワ Frédéric François Chopin, 1810- 1849)が嫌いとい…

佐藤允彦、アウェーのドイツでの収録もの。『スポンティニアスSPONTANEOUS』(1971)。アルバート・マンゲルスドルフとのコンボ。超速脱境域、知的にコントロールされたその技と感覚の冴えは出色だ。

Escape Velocity - Masahiko Satoh 佐藤允彦(1941-)は、本当に凄いピアニストです。と、言うまでもないことをつぶやいています。ドイツジャズの牽引者であったトローンボン奏者のアルバート・マンゲルスドルフAlbert Mangelsdorff(1928 –2005)とのクァルテ…

『小沢昭一が訪ねた「能登の節談説教」』。話芸、≪現在の落語や講談・浪曲などの高座芸能の源流≫。≪「うたうが如くはなすが如く、ハナシがフシになりフシがいつのまにかハナシに戻るという妙味」≫の話芸。

話芸を究める、そのルーツをさぐる、はてまた大衆芸能の源流を求めるといったことの情熱が、こうした音源を求めての旅となったのだろう。俳優小沢昭一の放浪芸を求めての、執念ともいえるその一連のドキュメント音源集は、立派な業績となって結実しているこ…

アレクサンドル・スクリャービン『ホロビッツ plays ピアノ作品集』。形式崩壊の時代を予感。たゆたう取り留めなさ、その了解しがたい浮遊感伴う後期の美。ヒゲの顔貌で決まり。

Scriabine "Caresse dansée" Op.57 no°2. by Glenn Gould. 「目に見えるものは、見えないもののイマージュである」 (聖ドニ) 文学での象徴主義なるものはフランスの詩人マラルメなどの名で、その存在を認知していたけれど、音楽に象徴主義なるものがあると…

散歩途上の未だ咲き乱れる枝垂桜。「散る桜 残る桜も 散る桜」(良寛)。

は な は み な い の ち の か て と な り に け り 森アキ子 毎日曜日は、拙宅からさほど遠くないわが町の図書館へ散歩がてら足を向ける。格好の花見日和であった先々週の日曜日は、その機会を失してしまい今年もこれで桜とは、ついに観もせでお別れかと…

即興演奏集団・MEV(MUSICA ELECTRONICA VIVA)創設メンバーの一人、ライヴ・シンセサイザー奏者のリチャード・ティテルバウムとアンソニー・ブラクストンのデュオアルバム。

Richard Teitelbaum and Anthony Braxton - Behemoth Dreams リチャード・ティテルバウム 野暮用に時間をとられ、投稿する時間がなくなってしまった。と言うこともあるけれど、何か散漫で想念まとまらず、どうしたものか・・・。と言うことで、今日は先鋭な…

現代音楽作曲家のジャズワールド『水野修孝の世界THE WORLD OF SHUKO MIZUNO』(1976)。これこそが「サードストリーム・ミュージック」に相同するのでは・・・。

寝起きの朝っぱらからジャズというのは重たいものだ。それにまた、一日の仕事を終えて疲れを癒す酒の一杯、晩酌を嗜む前のジャズというのも、これまた重いものだ・・・。 といいつつ、たまには大音量のホーンの音圧に身を晒し投げ出したいという衝動的な思い…

ジョン・ルイスとガンサー・シュラー『JAZZ ABSTRACTIONS』(1961)。ジャズとクラシックの融合試みた「第3の流れ」その試みはともかく、顔ぶれが興味ひく。

Gunther Schuller & Jim Hall - Variants On a Theme of Thelonious Monk (Criss-Cross):Ornette Coleman (alto sax),Eric Dolphy (flute, alto sax, bass clarinet),Robert Domenica (flute),Jim Hall (guitar),Eddie Costa (vibes),Bill Evans (piano),Sc…

山本邦山・尺八の世界『緩急』(1974)。自然を抱き込み自然とともに竹筒を吹き抜ける風と息、ノイズを伴うゆらぎの音。虚空に響く深遠な精神性。

筝曲 詩曲一番 松村禎三作曲 邦楽アンサンブル 「風を見た人っていないですよね。でも、森の中を風が通ると木々が揺れるでしょ。風の形がわかるんです。風の姿を見たような気がしましたね・・・『風たちぬ』という名作があるように、風はたつんですね。つま…

ジョン・ルイストリオ『情景SENSITIVE SCENERY』(1976)。≪寡黙にして美しいインテリジェンスなジャズピアノ≫、抑制の繊細、そして過剰、饒舌でないところがすばらしい。

John Lewis - I Can't Get Started 「曲がり角の先には何があるかはわからない。でもきっといいものにちがいない」 (「赤毛のアン」) 寡黙にして美しいインテリジェンスなジャズピアノ。ジョン・ルイスデビュー33年目にしての初ピアノ・ソロ『素描』(1976…

ジャン・シベリウス『無伴奏男声合唱音楽全集』CD2枚組み。人間の声が集って、こんなにも美しく豊麗芳醇、そして荘重に歌い上げることが出来るのかと感嘆のほかない。人間の声とはかくも神々しくさえあるのだ。

tribute to our brave finnish soldiers : music by jean sibelius finlandia hymni ジャン・シベリウス:フィンランディア讃歌 ≪日本マラソン界の長年の悲願達成であるとともに、日本女子陸上界においても史上初の快挙だった。≫(WIKI)言うまでもなく…

山田耕筰『ピアノ作品全集』(1995)CD2枚組み。その訥々として紡ぎだされた音たちの、なんと初々しく清冽なことか。一音一音を聴き込み、確かめ、そして愛おしむかのようにピアノは純に響く。

Kôsçak Yamada : 忘れ難きモスコーの夜 (山田耕筰のコメント付) 「その屋敷から流れ出る音は賛美歌ではなく、数千の星を銀盤の上にころがしたような美しい音である。私の小さい胸はその妙音に驚き、臆病な私も、その音楽が聞こえだすと、日が落ちていても…

ベートーヴェン『ピアノ協奏曲全集』CD3枚組み。言うまでもなく『第5番・皇帝]』(1809)はダントツだけれど、明快さと、楽しさと、美しさを堪能できるベートーベン・ピアノ協奏曲群。

ジョシュア・レイノルズ『The Infant Samuel』(1776) Beethoven piano concerto no 1 指揮:G・ショルティ piano : マレイ・ペライア(Murray Perahia, 1947 - ) 語らずともいい、黙っているがよいといってください (ゲーテ) 何気なく聞き流して聴いている…

桜の散るばかり

奥村 土牛(おくむら とぎゅう、1889 - 1990)「醍醐」 山種美術館(奥村土牛「醍醐」「鳴門」) さ ま ざ ま の 事 お も ひ 出 す 桜 哉(かな) 芭蕉 花は散りてその色となくながむればむなしき空に春雨ぞふる 式子内親王 きょう、出勤途上出くわした桜こと…

ヨハネス・ブラームス『ドイツ・レクイエム』。これがレクイエムか?典礼に則らない魂の響き。渋さと重厚、ジワリと感動せりあがってくる『<人間の>・レクイエム』。

Johannes Brahms-Ein Deutsches Requiem op.45 これがレクイエムか?といった印象を先ず抱くことだろう。カトリックの典礼に則って書かれている本来の宗教音楽、すなわち「永遠の安息を彼らに与えたまえ・・・」と歌いはじめる典型を採っていない。ここには…

エサ=ペッカ・サロネン『サロネン自作自演集』(2001)。作曲家と指揮者の二足のワラジや如何。速度感覚に満ちたエネルギッシュなオスティナートとオーケストレーションはシベリウス、プラス伊福部昭の趣き。

Salonen: LA Variations; Sibelius - Symphony No. 5 なにせ、懐乏しく思うままにならぬ日々を送っている者にとって、利用できる公共サービスはありがたく享受させていただいている。ただ予約順番を待つという不便さはあるが。ということで、今日も中央図書…

アウトサイダー・アート(アール・ブリュット)と1957年から50回の長きにわたり行われている「全国盲学校学生短歌コンクール」よりの選ばれた秀歌

生の芸術 アール・ブリュット ≪・・・しかし、 鈴木(大拙)がいっているのは、自己を一度も閉じないで解放させるのが禅の方法だということです。それによって全創造がその人の中に流れる。私はこの講義の内容を貴重に思って、内側に向かう座禅をしたり無我夢…

ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ 『冬の旅』。もうすっかり、桜さく春ですが、「神に近い存在」(シュヴァルツコップ)と賛された極め付きの歌唱表現を鑑賞する。

Fischer-Dieskau sings Gute Nacht 「旅に病んで 夢は枯野を かけ廻る」とは松尾芭蕉のあまりにも有名な辞世の句だった。それにしても歩みせし来し方は、枯野か?人の一生は出会いと別れの織りなす儚い旅に譬えられるということをも示しているのだろうけれど…

酒井雄哉・大阿闍梨(だいあじゃり)。難<行>苦<行>しての<悟り>。

般若心経 ≪千日回峰行は、十二年籠山行を終え、百日回峰行を終えた者の中から選ばれたものだけに許される行である。行者は途中で行を続けられなくなったときは自害する決まりで、そのために首をつるための紐と短刀を常時携行する。頭にはまだ開いていない蓮…

ソプラノ歌手・森麻季の、北原白秋・作詞、山田耕筰・作曲「からたちの花」の明瞭で美しい日本語歌唱に感嘆する。

からたちの花 森麻季 karatachino_hana Maki Mor 去年、たまたまNHK・BSの歌番組を見ていて、えらく美しく明瞭な日本語で歌曲を歌唱している美人歌手を感嘆の思いで見ていた。はじめて見、聴くクラシック歌手だった。しょうじき感動をおぼえたすばらし…