アーチー・シェップ『FOUR FOR TRAIN]』(1964)。コルトレーンへのオマージュ。呻きともつかぬ喘ぐような独特のブルージーでソウルフルな歌ごころのサックス。
Archie Shepp / Dollar Brand- Left Alone (First Produced CD!)
さて今日も、アーチー・シェップ。これでプチシリーズも最後です。たぶん。もう棚には彼のアルバムはこれ以上無かったと記憶するが・・・。このあたりまでです、彼とのお付き合いは。さて今日のレコードタイトルは世評、初期の代表作といわれているらしい(そんなに多く聴いているわけではないので)『FOUR FOR TRAIN』(1964)。「TRAIN」とは云うまでもなくジョン・コルトレーンのこと。タイトルどおり4つのコルトレーンの曲(代表作なのかどうか私は詳しくないので判らない)をArchie Shepp(ts), John Tchicai(as), Alan Shorter(tp), Roswell Rudd(tb), Reggie Workman(b), Charles Moffett(ds)のメンバーによって演奏されている。アルバム最後の5曲目は、唯一アーチー・シェップの作曲。なんだか性急なせわしい曲だ。さて、ここで聴けるのは古臭いといえば古臭い、正統的といえば正統的なジャズといえようか。そう、モダンジャズ。ベースはコルトレーンの曲だ。そこには何の逸脱も実験性も見当たらない。だが、快調だ。メンバーを見ても了解できると思われるけれど、達者にまとめ上げているのはさすがだ。アーチー・シェップの喘ぐようなサックストーンはブルースに合うのか、いや逆にその音色だから一層ブルースに合うのか、といった感想を抱かせる歌心にあふれた魅力を持っている。歌心がサックスをサックスたらしめているのだろう。歌心が、呻きともつかぬ喘ぐような独特のブルージーでソウルフルなサックスになって表れてきているのだろうか。Alan Shorter(tp)や Roswell Rudd(tb)の好演も光っている。John Tchicai(as)ってこんなに熱かったか?いや、あれやこれやでコンボのバランスが取れていて、おしなべてよく出来ているアルバムといえるだろうか。久しぶりにモダンジャズを堪能できました、といったところだ。アーチー・シェップとは<歌>だ、と括って擱えることとしよう。
Syeeda's Song Flute
Mr. Syms
Cousin Mary
Naima
Rufus (Swung, His Face At Last To The Wind, Then His Neck Snapped)
Mr. Syms
Cousin Mary
Naima
Rufus (Swung, His Face At Last To The Wind, Then His Neck Snapped)