yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

アーチー・シェップ『ARCHIE SHEPP AND THE NEW YORK CONTEMPORARY5』ジャケットデザインの秀逸さで、取り上げたというのが本音と言えば言えるのかもしれない。

イメージ 1

Arthur Rimbaud, " Voyelle" poèmo clip de Jorge Amat :avec une musique d'Archie Shepp

       
        
 Aは黒、Eは白、Iは赤、Uは緑、Oは青。母音たちよ、
        おれはいつかおまえたちの潜在の誕生を語ろう。 Arthur Rimbaud 

イメージ 2今日も、きのうに引き続いてのアーチーシェップ。ネットを覗いても、彼のオフィシャルなネット・サイトのディスクグラフィーを覗いても、今日の取上げるアルバムの所在がハッキリしない。困った時によく覗き勉強させていただくサイトでは、≪「New York Contemporary Five」。1963年にコペンハーゲンのモンマルトルで録音されたライブ音源。メンバーはDon Cherry(cornet), John Tchicai(as), Archie Shepp(ts), Don Moore(b), J. C. Moses(ds)。≫と紹介されているものがあるが、それではなさそうだ。そしてこのあとの64年にImpulseより≪Sheppの初期の代表作≫といわれている「Four For Trane」が出されているということだ。今日のアルバムも、たぶんそうした時系列でのものなのだろうけれど。ハッキリしない。アルバムにはなんのデータも記されていないといういい加減さだ。ところでこのアルバムのA面は、ジャズ十月革命を主催唱導したと聞くビル・ディクソン(≪1960年代、オーネット・コールマンジョン・コルトレーンによって提唱された“フリー・ジャズ”。1964年、当時はまだ批判的な意見も多かったフリー・ジャズへの理解を深めようと、ブロードウェイのセラー・カフェで4日間にわたってコンサートやパネル・ディスカッションが行われた。企画・主催はビル・ディクソン。このイベントはジャズの10月革命と呼ばれ、会場は大勢のジャズ・ミュージシャンたちと観客で溢れ、フリー・ジャズが急速に広まるきっかけとなった≫(60年代フリー・ジャズのパイオニアたち。より))の7tetteの演奏が収録されてはいるが、この中にはアーチーシェップは加わっていない。ちなみに、アーチーシェップのアルバムでの初登場は以下のアルバムとのこと。

1: "ARCHIE SHEPP - BILL DIXON Quartet"
Savoy MG 12178 (Lp)
BYG 529101 (LP, France) entitled "Peace"

1) Trio (Bill Dixon)
2) Quartet (Bill Dixon)
3) Somewhere (Leonard Bernstein)
4) Peace (Ornette Coleman)

Archie Shepp: ts
Bill Dixon: tp
Don Moore: b (1-3)
Paul Cohen: dr (1-3)
Reggie Workman: b (4)
Howard McRae: dr (4)

rec. Oct 1962

話しは戻って、このアルバムのB面には、ニューヨーク・コンテンポラリー5とアーチーシェップということで「ARCHIE SHEPP AND THE NEW YORK CONTEMPORARY5」とタイトルされて、この当時としては上出来の面白いパフォーマンスが収録されている。メンバーはJohn tchicai(as),don cherry(tr),Ronnie boykins(bs),sonny murray(ds),ted curson(tp)となっている。興味深い面子といえるだろうか。革新のジャズ運動を提唱、主催したといわれているA面のビル・ディクソンのグループより、ハツラツとしたいい演奏を記録している。アーチーシェップの泥臭さがいまだ革新の意気とせめぎあっているといった趣で、これが意外に面白いのだ。何か喘ぐようなサックスのトーンがブルージーであるのだけれど、ドンチェリーやサニーマレイなどとの絡みが、やはりどこか違って聴こえる。A面と較べればそれは明らかだ。先の≪1963年にコペンハーゲンのモンマルトルで録音されたライブ音源≫でのメンバーとは少し違う組み合わせだ。ということで、今日のこのアルバム「ARCHIE SHEPP AND THE NEW YORK CONTEMPORARY5」は、その時のものでもなさそうだ。詳しくはわからない。ま、ともかくレコード・ジャケットが往時の革新の意気、熱気を偲ばせるようなアーチーシェップが納まっている写真の魅力、ふるき良きジャケットデザインの秀逸さで、取り上げたというのが本音と言えば言えるのかもしれない。