yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

2007-04-01から1ヶ月間の記事一覧

安らぎと静穏に迎え入れるにふさわしい愛すべきピアノ小品集。館野泉のグリーグ『抒情小曲集』

BOSWORTH PLAYS GRIEG NOCTURNE エドヴァルド・グリーグEdvard Hagerup Grieg 先日、マイブログにて「我が家で楽しむクラシックCD」なる宣伝雑誌の記事を紹介した折、その選者の一人のピアニスト仲道郁代が<夕食後くつろぎながら>として愉しむ作品にエド…

『きいちのぬりえ』と、誰もが親しんで知っている童謡のメロディーにのせて山下洋輔のピアノソロに悦楽する『砂山』(1978)

山下洋輔 レコード中入れの解説書がどこへ行ったのか、手元にない。ということで、べつに今日のブログ記事にせずとも後日とすればいいのだけれど、YOUTUBEを覗いていて山下洋輔と井上陽水の「少年時代」のデュエットが目に留まり、そのことがあって今…

前衛芸術集団<フルクサス・FLUXUS>結成40周年記念。遊び精神充溢のフルクサスメンバー塩見允枝子のCDアルバム(2002)

Nam June Paik - Electronic Moon #2 今日は、前衛芸術集団として知られた組織のフルクサスメンバーである塩見允枝子のCDアルバム。60年前半≪小杉武久らと「グループ・音楽」を結成し、即興演奏やテープ音楽の制作を行≫っていた塩見允枝子は長年アメリカを…

安らぎと落ち着きを与えてくれる≪優美で温か≫な音楽。メンデルスゾーンの『無言歌集』。

F.Mendelssohn - Song without words in D - J.du Pré フェリックス・メンデルスゾーンFelix Mendelssohn 今日は、たまたまある事情があって急いで購入する羽目になり、しかしこれが思いのほか私の愛聴盤になった廉価CDを取り上げる。子供の受験科目にピア…

葉加瀬太郎と仲道郁代両氏推薦の「我が家で楽しむクラシックCD」(日経インテレッセより)。

Clarinet Trio in a minor op.114 by Brahms (1st movement) 新聞折込の、掲載広告で成り立っているような簡単な冊子を所在なげに読んでいて、「我が家で楽しむクラシックCD」なるタイトルの見開きページの記事が目にとまった。ヴァイオリニストの葉加瀬太…

ヨーロッパ・フリージャズが音楽史に力強く沸騰露出した熱き時代。現代音楽の旗手ペンデレツキの『Action for Free Jazz Orchestra』(1971)ほか。

Don Cherry & Krzysztof Penderecki: Humus - The Life Exploring Force (edit) ペンデレツキ Krzysztof Penderecki 作曲家・柴田南雄(みなお)がNHK・FM放送の「現代の音楽の時間」という啓蒙番組を担当していた時だから、ずいぶんと昔のことになる。…

<演奏家>高橋悠治の最初期のベートーベン『ピアノ・ソナタ第31番変イ長調 作品110』(1971)。

Rudolf Serkin - Beethoven Sonata No. 31, Op. 110 - 1st Movement:live 1987 高橋悠治が弾くベートーヴェンということで、多分購入したのだろう。見開きの録音データを見ると1971年となっている。彼のバッハは、よく目にし聞いてきたが、オフィシャル…

「琴欧州」は「ごっつあんです」と首を横に振っているのだろうか。「はい」と「いいえ」が逆のブルガリア

Vlatko Stefanovski, Miroslav Tadic and Teodosii Spasov (1) 先日、ブルガリアの、地声とコブシでの魂揺さぶる合唱を日本の芸術集団・山城組が試みたレコード『地の響』(1976)を取り上げた。ところでこのブルガリア、YES(はい)とNO(いいえ)の首…

この記事は4・22のものではありません。今日の稿は武満徹『TASHI plays TAKEMITSU』で武満書庫内です。この稿は3・28のものです。誤謬と無知とは宿業的なものである。――F・ニーチェ

北京へ向けてのU22サッカー二次予選のシリア戦快勝。順当なところ負けはしまいと思いつつも試合中継があると、ついつい観戦してしまう。それも仕事もそこそこに引きあげてであるから難儀なことではある。今回はホームということもあってか、フォワードの平…

ビートルズのヒット曲をショパン風に、モーツアルト風に・・・と12人の作曲家に似せて弾く『グロリュー、ビートルズを弾く』(1976)

François Glorieux plays The Beatles - 04 - Ob-la-di Ob-la-da (Mozart) フランソワ・グロリューFrancois Glorieux レコードの帯の宣伝コピーに、「グロリュー、ビートルズを弾く・・すばらしい創意、ホンモノの魅力に脱帽!こんなにおかしいレコードはつ…

しゃーないで。世のなかままならん。這いつくばって、泥のように生きていこう。なあ、ご同輩。『憂歌団・生聞59分』(1976)

== 憂歌団 / 嫌んなった 【ライヴ】 憂歌団・木村充揮 大阪弁はブルースが似合うらしい。私の思い込みかもしれないけれど、ブルースフィーリングをもった歌手といえば、大阪出身が多いようだ。上田正樹もそうだ。フリージャズ、現代音楽を主に聞いていた人間…

大地への愛と祈り、地声とコブシで魂を揺さぶる芸能山城組の合唱作品『地の響』(1976)

Bulgaria Stellamara - "Prituri se planinata" ≪インドネシアバリ島のケチャの全編上演成功を機に、1974年1月19日に設立された≫(WIKIPEDIA) 芸能山城組。この芸術集団のコンセンプトや、活動歴などはオフィシャルサイトを覗いていただくとして、今日は、…

現代音楽の手法を使っての捻ったインテレクチュアルなジャズ・ピアノソロ『PAYAN』(1972)

Alexander von Schlippenbach – Payan アレキサンダー・ホン・シュリッペンバッハAlexander von schlippenbach。毎度ながら(マイブログですでに3回登場している)、この名前には変に感心してしまう。大層、高貴なイメージがつきまとう。顔立ちもなんとなく…

雷鳴轟きわたり炎熱吹きすさぶ断末の地獄、凄まじいノイズサウンドのサルヴァトーレ・マルチラノの『L’s GA』(1967)ほか。

Salvatore Martirano - L's GA for Gassed-Masked Politico,Helium Bomb,and Two Channel サルヴァトーレ・マルチラノSalvatore Martirano まあ、なんとオドロオドロしいサウンド世界である事よ。というのが正直、先ず一等最初の印象であることは大方の聴者…

足かけ29年、6762回の連載をもって終了。大岡 信『折々のうた』第9集(岩波新書)より。

べつにどの歌でもよかった。所在無げに、まるでコマ送りの動く漫画遊びよろしくパラパラとページを繰っていて、たまたま目に留まった歌。先日、連載の終了≪2007年3月31日、6762回目で終了≫(WIKIPEDIA)で話題になった大岡 信の『折々のうた』第9集(岩波新…

マオイスト、フレデリック・ゼフスキーの親しみのあるメロディ散見するミニマル的コレクティブ・インプロヴィゼーション『United Patchwork』(1977)2枚組。

The People United Will Never Be Defeated! 「不屈の民・変奏曲」より National Anthem of China 中华人民共和国国歌-义勇军进行曲 フレデリック・ゼフスキーFrederic Rzewski 「Musica Elettoronica Viva」。ネット検索でヒットしたのは何とたったの2件あ…

『パルレ・モワ・ダムール』、何とすばらしい音楽でしょう!あの経験は死ぬまで忘れられないでしょう。その時です、いつか戦争 が終わったら作曲家になろうと決めたのは。―武満徹

Lucienne Boyer 以下、拙い私の武満徹のブログ書庫内の記事よりの抜粋である。 ≪武満徹が音楽の世界へ入って行くきっかけとなったのが、戦争中に聞いたシャンソン『聴かせてよ、愛のことばを』であったことは有名な話であるが、若くして亡くなった父親がモダ…

溌剌清新アヴァンギャルドななか歌心、遊び心の顔のぞかせるユージン・チャドバーンの処女作品集『Volume One Solo Acoustic Guitar』(1975)。

Eugene Chadbourne, Torsby, Sweden, Mid 1990's 今日はどうした事か、頭が一向に回転しない。お疲れさんなのだろう。という事で、たまたま目に留まったレコードを取り上げるにとどめておこう。イギリスの希代のアヴァンギャルドなギタリスト、故デレクベイ…

人間観念の極端の性向を見る、切り立つ断崖に建つ「日本一危ない国宝鑑賞」三仏寺投入堂。

shakuhachi collaboration - kinohachi guutai き乃はち、オフィシャルサイト 尺八 法螺貝 尺八・現代音楽、マイブログ 建築家、藤森照信は、社寺仏閣・建造物の第一位に三仏寺投入堂をあげ、それを≪力強さと野性味に支えられた優美≫と評し賛している。また…

人の脳波を巨大なアナログ・シンセサイザーに入れ音響合成して作られたノイズサウンド、サイボーグノイズマシン・ピエール・アンリ『Mise en Musique du Corticalart』(1971)。

Pierre Henry - Mise en Musique du Corticalart de Roger Lafosse (1971) ピエール・アンリ (右)「疾走する筋肉の渦巻き状の拡がり」1913U・ボッチョーニ もう、この種のノイズミュージックを聴くとたまらないですねといったところである。何の整除もなく騒…

似ててどうかしたかい?中田喜直の名曲『雪の降るまちを』とショパンの『Chopin Fantasie Op. 49 Part 1』。

Zimerman plays Chopin Fantasie Op. 49 Part 1 「雪の降る街を」内村直也作詞・中田喜直作曲 中田喜直 べつに他意あってのことではない。変奏曲やコラージュ、アサンブラージュ(assemblage)やらで、先人の有名な曲・モティーフを題材に作曲する事は、何ら不…

バーンスタイン指揮のオーケストラとジャズコンボのコラボが生きているラリー・オースティンの『Improvisations for Orchestra & Jazz Soloists』(1961)ほか。

Don Ellis: This is Don Ellis playing the song "New Horizons" Aurora Borealis Musique de György Ligeti, Atmosphères http://video.google.com/googleplayer.swf?docid=8616100623719026435&q=Gyorgy+Ligeti レナード・バーンスタインLeonard Bernstein…

壮大にオーケストレーションしつつ流麗なさま、まことに見事。豊麗な音色、響きに酔い、惚れる作品アンリ・デュティーユ『交響曲第2番・ル・ドゥーブル』 (1959) と『メタボール』 (1964)

Dutilleux : "Metaboles" 1/2 アンリ・デュティーユHenri Dutilleux (1916- )は、拙ブログにて既に≪緻密堅固、重厚さももつオーケストレーションが魅力アンリ・ディテューユHenri Dutilleux(1916-)の『交響曲第一番』(1951) ≫とタイトルして取り上げた、また…

冷たい抒情であり抽象的造形美のきわみ。緊張感漂わせた硬質の構造美。ブーレーズ『四重奏のための書・抜粋』(1949-62)。

Pierre Boulez, Livre pour quatuor, Part II, Quatuor Parrenin ピエール・ブーレーズPierre Boulez(1925 - )には、精神の弛緩は無縁なのだろうか。とまで思わしめる、その引き締まった硬質の響きはまことに魅力この上ない。いわゆるトータルセリーによる…

戦後ダルムシュタット前衛世代に多大の影響あったヴォルフガング・フォルトナーの『ルカによる聖霊降臨の物語』(1962-63)ほか。

Max Reger - Phantasie und Fuge über B-A-C-H, op. 46 ヴォルフガング・フォルトナーWolfgang Fortner (1907-1987)。さてどれほどの認知があるのだろうか。フォルトナーは戦後現代音楽の推進発展に、とりわけダルムシュタット夏期講習会に参集する若き前衛…

どこか切なく哀しげな喧騒。熱情と哀愁。『アルゼンチン・タンゴ栄光の歴史』(1979)

Loca-Juan Darienzo ?H3>JOAQUINA- QUINTETO FRANCISCO CANARO- TANGO 藤沢嵐子 フジサワランコ?そうです。藤沢嵐子(1925-、東京音大・現東京芸大卒)。タンゴ歌手で一世を風靡した歌手である。本場アルゼンチンでも50年代公演を打ちその歌唱力は高く評…

電気変換されたウェーブノイズ音のノスタルジックな気配の世界。シュトックハウゼン『SPIRAL』(1971)ほか。

Stockhausen: "Spiral" 1/2 「物質は光をめざし 光はただ物質を生みつづける 光を量ろうとしても無駄だ それは神に手をかけている」 (松岡正剛) 絞首台のような枠の中でそれは白熱した。その光は牽牛星のように燐光ににた光彩をもっていた。スイッチをひと…

サステインする響きに抱かれ、身をひたし、吾をあずける快感放心の世界。狷介孤高ジャチント・シェルシのピアノソロ作品『Suite No.2』(1930)『Action Music』(1955)

Scelsi- Action Music (1/2) ジャチント・シェルシの<花押> 今日は、だいぶ前に中古レコード店で見つけたジャチント・シェルシGiacinto ScelsiのCD、したがってたまたま店の棚にあったから手にいれたという偶然の出会いの賜物という訳である。収録曲は、…

≪「顧みられぬ非凡の作曲家」≫ 黛敏郎、没後10年に思う。

黛 敏郎 (Mayuzumi, Toshiro) Prélude pour quatuor à cordes (1961) 黛敏郎 先日新聞記事で、黛敏郎が亡くなってから4月10日で10年になるが、≪同時代の誰より高度の技法を備え、国際的にも評価されながら、昨年の武満徹没後10年に比べ、作品を演奏し業績を…

全身響きと化し耳となり、その醸す響き、余韻は理知というより生理に近い迫真である。ツトム山下の『刑務所の歌』(1972)

Hans Werner Henze: Prison Song 70年初頭、天才パーカショニスト登場で騒がれたツトム山下。文字通りそうなのだけれど、最近はどうしているのだろう。たぶん私が知らないだけなのだろうが。1947年京都生まれというから、まさしく団塊世代である。たぶ…