yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

『きいちのぬりえ』と、誰もが親しんで知っている童謡のメロディーにのせて山下洋輔のピアノソロに悦楽する『砂山』(1978)

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山下洋輔
イメージ 2レコード中入れの解説書がどこへ行ったのか、手元にない。ということで、べつに今日のブログ記事にせずとも後日とすればいいのだけれど、YOUTUBEを覗いていて山下洋輔井上陽水の「少年時代」のデュエットが目に留まり、そのことがあって今日は先のような事情にもかかわらず、この山下洋輔トリオ・プラス向井滋春ら4人のホーンと杉本喜代志のギターが加わってのアンサンブルとトリオコンボのインタープレイに妙味を感じさせるアルバム『砂山』(1978)と断固決めた次第。例の如くのパワフルな疾走爽快な洋輔ジャズであるが、そのパワフルさがブラスでボルテージ倍化される。ブラスパートは一糸乱れずのストレートなユニゾンで圧倒する音塊を奏でる。それは以前マイブログで直近で見た山下洋輔トリオの記憶呼ぶビッグバンドバージョン「HACHI」とタイトルして取り上げた、その『HACHI』でのスタイルと共通する。ビッグバンドジャズとは少し違うホーンパートの扱い方といったらいいのだろうか。ま、ここでも云えることだけれど、山下洋輔のピアノソロパートがやはりいちばん聞きものといえるだろう。「海は荒海(あらうみ)、向こうは佐渡(さど)よ すずめなけなけ、もう日は暮れた みんな呼べ呼べ、お星さま出たぞ」の北原白秋作詞、中山晋平作曲の『砂山』、「ソソラ ソラ ソラ 兎のダンス タラッタ ラッタ ラッタ ラッタ ラッタ ラッタ ラ 脚(あし)で 蹴(け)り蹴り ピョッコ ピョッコ 踊(おど)る 耳に鉢巻(はちまき) ラッタ ラッタ ラッタ ラ」の野口雨情作詞、中山晋平作曲『兎(うさぎ)のダンス』、「あの町この町 日が暮れる 日が暮れる  今きたこの道 帰りゃんせ 帰りゃんせ」のこれまた同じ野口雨情作詞、中山晋平作曲コンビの『あの町この町』と3曲収録されている。最後の『あの町この町』では洋輔ピアノの絶頂のピアノソロの醍醐味が、誰もが親しんで知っている童謡のメロディーにのせて崩しの独特のパフォーマンスを聴く悦楽の時をもつことだろう。ベース曲が童謡とあって、アルバムジャケットを飾るデザインがそれにふさわしい蔦谷(つたや)喜一の、いわゆるおしゃれと、おしゃまなポーズ、くりくりしたつぶらな瞳で愛くるしいぬり絵『きいちのぬりえ』であるのも感興をそそる。もうこの塗り絵の少女を見ただけである世代以上には往時の幼少の記憶がこの「おしゃれと、おしゃまなポーズ、くりくりしたつぶらな瞳で愛くるし少女」とともに舞い戻ることだろう。