yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

スペクトル楽派、ブライアン・ファーニホウほか、フランスの<電子音響音楽研究施設IRCAM>にかかわる四人の多層多彩で豊かな音色世界に耳そばだて放下(ほうげ)する。

Ferneyhough- Funerailles (1/2) 雲は垂り行遥けかる道のすゑ渾沌として物ひびくなし (『牡丹の木』昭和18) これは北原白秋(きたはら はくしゅう、1885年(明治18年)- 1942年(昭和17年))最晩年の歌ということだ。≪1937年、糖尿病および腎臓病の合併症…

マグヌス・リンドベルイ『作品集』(2001)。同国フィンランドの女性作曲家カイヤ・サーリアホに較べスケールはあれどスピリッツにおいて大いに不満、えらく保守的な作品だなとの印象だ。

Clariperu: Kari Kriikku in rehearsal:Concierto de Magnus Lindberg 今日も中央図書館のネット利用で借り受けたものの紹介。先日投稿した女性作曲家カイヤ・サーリアホ(Kaija Saariaho, 1952 - )と出自を共にするフィンランドの作曲家のマグヌス・リン…

マンフレッド・ショーフ『NEW JAZZ TRIO<PAGE ONE>』(1970)。5人の弦との共演の2作目に比し、スマートなまとまりの良さは感じられるものの、それが玉に瑕。

Manfred Schoof Quintet - Ostinato (1977) Manfred Schoof (tp,flgl):Michel Pilz (b-cl):Jasper van't Hof (keys):Günter Lenz (b):Ralf Hüdner (d) つい先日、≪マンフレッド・ショーフ『NEW JAZZ TRIO+STREICHQUINTETT<PAGE TWO>』(1972)。5人の弦…

矢野 顕子『長月・神無月』(1976)。テレ隠しなのか、シャイなのか甘えたの様な独特の歌唱とメリハリのある天才的なグルーブ感をもったピアノテクで童謡や歌謡曲、民謡をファンクに愉しむ。

矢野顕子 / 達者でナ さて、今日は何にしようかなとレコード棚(ありていに言えば本棚)のジャケットを眺めていたら、カラフルでメルヘンチック、ノスタルジックなアルバムが目にとまった。似たような趣をもったジャケットデザイン(きいちのぬりえ)の山下…

マンフレッド・ショーフ『NEW JAZZ TRIO+STREICHQUINTETT<PAGE TWO>』(1972)。5人の弦とジャズトリオのコレクティブフリージャズ。品性よろしく知的なパフォーマン。

Manfred Schoof Quintet - Lonesome Defender (1977) Manfred Schoof (tp,flgl) :Michel Pilz (b-cl):Jasper van't Hof (keys):Günter Lenz (b):Ralf Hüdner (d) 今日もサッカーU23北京五輪代表のアンゴラとの親善試合をテレビ観戦していたら時間が無…

即興演奏グループ<AMM>の創立メンバーによるデュオ『AMM at The Roundhouse』(1972)。病膏肓に入るコレクターの業、所有欲。手にしたシングル盤45回転のフリージャズは如何?

ずるずると時間が経ってしまった。ということで、はて、どうしたものかと引っ張り出してきたのがなんと45回転のシングル盤サイズのレコードの一枚。こうしたサイズの現代音楽や、フリージャズのものがけっこうの数が埃をかぶって棚の隅っこにほったらかし…

ペーター・ブロッツマン『ブロッツマンBROTZMAN・ソロ』(1976)。ワメキ、咆哮を伴ったボイスともどもの荒々しいパッションが吹き<荒ぶ・遊ぶ・スサブ>サックスソロパフォーマンス。

peter brotzmann quartet - warsaw 1974 clip:Peter Brotzmann - reeds:Alexander von Schlippenbach - piano:Peter Kowald - bass:Paul lovens – drums 技量のほどを披露するというより、パッションを吹き<荒ぶ・遊ぶ・スサブ>といった風情のサックス…

山下洋輔と三宅榛名(現代音楽作曲家・ピアニスト)のデュオ『エクスチェンジEXCHANGE』(1979)。乗りにのり爆走している格闘ピアニスト山下洋輔とひるまず向こう意気魅せる三宅榛名。

Yosuke Yamashita Trio 1972 from "ecstacy of the angels" by koji wakamatsu, 1972 yosuke yamashita: piano seiichi nakamura: alto saxophone takeo moriyama: drums 山下洋輔と現代音楽作曲家でありピアニストでもある三宅榛名(みやけ・はるな、1942-)…

ジャン・シベリウス『ヴァイオリン協奏曲ニ短調 作品47』を諏訪内晶子で聴く。北欧という歴史と自然が育む、その澄明で深奥繊細な感性。いささかも(原基としての民族性)精神性の欠けるところの無いスケール感。

A.Suwanai / Sibelius Violin Concerto ( 1st mov.-1/2 ) ≪いかにもシベリウスらしい独創性に富んだ楽章で、そのスケール感は古今のヴァイオリン協奏曲の中でも屈指の名楽章である。≫(WIKI)とあるように、ヴァイオリン協奏曲のなかでも際立って美しく…

ヨハン・セバスチャン・バッハ『フランス組曲・第一集』。3月21日が誕生日ということでお手軽に・・・。

JS Bach The French Suites n°2 in C minor Bwv 813 Glenn Gould あまねく世界に神は存在し あまねく音楽にバッハは存在する アルフレート・シュニトケ 今日、仕事帰りの車の中で流れていたNHK・FMで、かの今更云うのもなんだか教科書じみて気恥ずかし…

高橋悠治『リアルタイム5・翳り』(1993)。コンピュータのランダム選択による、不確定、偶然の順序組み合わせによっての延々1時間にわたって訥々と鳴らされる電子音楽作品。生臭い人間の構成意志の突き放し。

mano vacilante l:performer- Yuji Takahashi, Eriko Mikami 今日の高橋悠治『リアルタイム5・翳り』(1993)(fontec)も昨日とりあげたカイヤ・サーリアホのものとおなじく、図書館で予約貸し出しをネット利用したもの。図書館貸し出し書物によくあるよう…

フィンランドの女性作曲家、カイヤ・サーリアホ『サーリアホ作品集』(2001)。繊細で余情深いこの感性の豊かさ!彩り豊かな響き、スペクトル楽派の美質結晶を聴く。

Kaija Saariaho : Sept Papillons (2000) pour violoncello なかなかに聴き応えのある作品集でした。とひとまず先に言っておこう。北欧はフィンランドの女性作曲家カイヤ・サーリアホ(Kaija Saariaho, 1952 - )が今日取り上げる作曲家。初めて耳にする作曲…

池内 友次郎『弦楽四重奏曲』(1946)ほか。甘美な叙情的メロディが時代めいていていささかの感がしないでもないけれど、叙情的でありつつ 彫琢された構成ゆえか弦に厚みを加えて響きが豊かなのだ。

こんなに美しく洗練された弦楽四重奏曲であるとは、恐れ入りましたといったところだろうか。叙情的でありつつ、 彫琢された構成ゆえか弦に厚みを加えて響きが豊かなのだ。池内 友次郎(いけのうち ともじろう、1906 - 1991)の「弦楽四重奏曲プレリュードと…

Evolution Ensemble Unity の近藤等則と高木元輝『CONCRETE VOICES』(1976)。エゴイズムの専制、スタンド・プレー、グループ内の権力構造を共同的に超出しえたか?

Derek Bailey & Japanese company in Kyoto 1978 黒ずくめの衣装にクロメガネ、そのいでたちで≪〈反ソ〉文章を書き、不正の象徴としての〈ユダヤ人〉に鋭い筆鋒を向け、戦後は〈戦犯作家〉として投獄され、その死に際しては司祭から葬儀の執行を拒否されたセ…

ベートーヴェン『弦楽四重奏曲 第7番ラズモフスキー第1』。伸びやかで明るく、かつ美しく親しみのある旋律、それらを豊麗な弦楽の響きで奏でる前途洋々!?余裕のベートヴェンがいる。

Tokyo String Quartet playing "Razumovsky":Beethoven's string quartet op.59 n.3. "Razumovsky" (記事の第1番ではありません) 先日、≪ヨハネス・ブラームス『交響曲第1番』。何を今更の当たり前だけれど傑作を再び聴く。≫とタイトルして投稿した際、…

小沢 昭一『日本の放浪芸・大会』(1974)CD3枚組み。道ゆく境界流浪の民のいまや滅び消えなんとする、遊び、芸、性のノスタルジア以上の愉しくも猥雑なサマの残像が浮かんでくる。

teihenn geino sha (幽)底辺芸能社 旅の夜風 「地上にはもともと道はない、歩く人が多くなると、それが道になる・・・」(魯迅) 最近というより、もうすでにチンドン屋はおろか大道芸人を、まさしく大<道>、辻などで見なくなって久しい。(何かの大掛かり…

キース・ジャレット『ケルン・コンサート』(1975)。泣きたくなるような美しさは喩えようも無いくらいメロディアスでセンチメントでピュアーであり、そしてウォームでカントリーの土の匂いがする。歴史的名盤

Keith Jarrett (1945) - The Köln Concert: Part I ≪私は自分で創造できる男だとは思わない。しかし創造への道は目指しているつもりである。私は創造の神を信ずる。事実このアルバムの演奏は、私という媒体を通じて、創造の神から届けられたものである。なし…

デレク・ベイリー、パーカー、ブラックストン『カンパニー2 company2』(1976)。<放心>と<無名性>、そのウツになだれ込むもの、「おとなふ」もの。経験としての音楽、生きることとしての音楽。

Evan Parker/Anthony Braxton/Derek Bailey - Mutala (Company 2) ≪神はみずからものをいうことはない。神がその意を示すときには、人に憑(よ)りついてその口をかりるのが例であった。いわゆる口寄せである。直接に神が臨むときには、「おとなふ」のである…

グバイドゥーリナ、グレツキほかの東欧および旧ソ連圏作曲家の作品集『モザイクMOSAIC』(1996)。≪旧東側の作曲家たちの音楽に特有な、「聴きごたえ」とは一体、何なのか?≫

Seven Words Angel Luis Castaño (classical accordion) and David Apellániz (cello) playing Seven Words by Sofia Gubaidulina with the Valencia Symphony Orchestra, conducted by Joan Cerveró in the Castellón Auditorium (Spain) 4人もの現代東欧…

佐藤允彦と富樫雅彦ほかのクァルテット『フォー・ユニッツ FOUR UNITS』(1969)。(交)感度抜群のそれぞれのパフォーマンスに心地よさが訪れる。まさにフォー・ユニッツ。69年であることに驚く。

ST. Thomas - Masahiko Satoh with Steve Gadd & Eddie Gomez 今日取り上げる『フォー・ユニッツ FOUR UNITS』(1969)。宮沢昭(ts),佐藤允彦(p),荒川康男(b),富樫雅彦(ds)。まさしく<フォー・ユニッツ>と表するとおりに、すばらしいバランスでインプ…

山下洋輔『HOT MENU』(1976)。アメリカデビューのドキュメント。先日35年ぶりの燃えるグランドピアノを演奏する「ピアノ炎上2008」を敢行。

Burning piano (played by Yosuke Yamashita) 粟津潔サイトで完全版が観れます 自宅で朝日新聞、仕事場で日本経済を購読しているけれど、いずれの新聞にも取り上げられていた、能登半島の海岸での消防服に身をまとった山下洋輔の≪燃えるグランドピアノを演奏…

カリスマ小杉武久のいない『EAST BIONIC SYMPHONIA』(1976)。ミニインプロヴィゼーション「旅行」。

Charlotte Moorman: "TV-Bra for Living Sculpture" (1969) :Nam June Paik / "Chamber Music" (1969) :Takehisa Kosugi.小杉作品は見もの (貴重)です。 http://video.google.com/googleplayer.swf?docid=-1949726680377142300&q=kosugi+takehisa&total=1&…

マルキスト、フレデリック・ジェフスキー「Coming Together」(1972)「Attica」(1972)ほか。アジテーションの高揚と哀しみ。虐げられし民への共感と愛。

Frederic Rzewski - Coming Together 今日取り上げるアルバムは、フレデリック・ジェフスキー Frederic Rzewski(1938‐)のアメリカ・マイナーレーベル<OPUS ONE>より出されていたもので「Coming Together」(1972),「Attica」(1972),「Les Moutons De Panu…

ヨハネス・ブラームス『交響曲第1番』。何を今更の当たり前だけれど傑作を再び聴く。

Brahms - Symphony No. 1 Hirofumi Inoue (Japan) conducts the St. Petersburg State Symphony Orchestra in Brahms' Symphony No. 1 もうこれだから<名盤>というやつは困るんだ、と先ずのっけからこのことばが口をついて出てきた。つねづね<名盤>とや…

大西順子トリオ『ビレッジ・ヴァンガードⅡ・VILLAGE VANGUARDⅡ』(1994)。とても女性とは思えないピアノタッチのメリハリの強さ。それにグルーブ感に満ちた抜群のジャズスピリット。

"The Eye Of The Hurricane" (Herbie Hancock) Mt. FUJI JAZZ FESTIVAL August, 1995 :JUNKO ONISHI-piano 今日の取り上げるアルバムは中央図書館で予約にて借り受けた大西順子(おおにし じゅんこ、1967 - )の『ビレッジ・ヴァンガードⅡ・VILLAGE VANGUAR…

山本 剛トリオの『ミッドナイト・シュガーMIDNIGHT SUGAR』(1974)。今宵(晩)はブルージーなジャズでリラクゼーション。音像のハッキリした臨場感たっぷりのサウンド。

Tsuyoshi Yamamoto Trio - Midnight Sugar 今宵はブルージーなジャズでリラクゼーションということで、山本 剛 (p) (1948-)トリオの『ミッドナイト・シュガーMIDNIGHT SUGAR』(1974)。これはなんでも<74年度SJ誌ジャズ・ディスク大賞最優秀録音賞第3位…

松岡正剛 『千夜千冊虎の巻』より、心に残ることば。

希代の読書家・編集人松岡正剛の、とんでもなく高価で大部なドーダ!の『千夜千冊』。どのようなお人が買うんでしょうか。本棚に祀る積読く用か?と嫌味のひとことも言いたくなるほどだ。全7巻と別巻で定価税込みの99,750円!。A5判各巻平均1300ページ、総量…

エリック・ドルフィーの客死直前のかの名盤『LAST DATE』(1964)のリハーサルテイク。『ICP 015 Epistrophy』(1964)。

Eric Dolphy Holland 1964 見開き裏表紙写真 滞在先ドイツにて36歳の生涯を閉じたのは1964年6月29日。その直前同月2日のオランダにて収録されたのが先日投稿記事にした、取り上げられることしきりなかの名盤『LAST DATE・ERIC DOLPHY』だった。そして今日の取…

ブルーノ・マデルナのザルツブルク音楽祭’73でのドキュメントLP2枚組み『Ein Document』。骨格の確かさと自在多彩な音色で陰影深く奏でられる音楽世界。真正の作曲家ルトスワフスキを聴く。

Witold Lutosławski: Concerto per orchestra (1954) Primo Movimento The Cleveland Orchestra diretta da Christoph von Dohnányi 投稿音源のものではありません。 今日取り上げるLP2枚組みのアルバム『Ein Document・Konzert der Salzburger Festspiel…

『MUSIC FROM THE ONCE FESTIVAL1961-1966』(2003)。ケージ以降の若きアメリカ・アヴァンギャルドの貴重なドキュメント。エレクトロニクスによる感性開放の歴史。

Robert AshleyThe Wolfman (1964) tape, voice and feedback CD5枚に136ページもの≪The ONCE Group (the ONCE Festival of New Music in Ann Arbor between 1961 and 1966.)≫(WIKIPEDIA)5年間に亘るドキュメントを綴った冊子。ボックスにふさわし…