yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

松岡正剛 『千夜千冊虎の巻』より、心に残ることば。

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希代の読書家・編集人松岡正剛の、とんでもなく高価で大部なドーダ!の『千夜千冊』。どのようなお人が買うんでしょうか。本棚に祀る積読く用か?と嫌味のひとことも言いたくなるほどだ。全7巻と別イメージ 2巻で定価税込みの99,750円!。A5判各巻平均1300ページ、総量13キロとある。とてもじゃないが手元におけるようなシロモノではないので、虎の巻とやらの、その内容に関しての対談本を図書館での予約待ち多数で、待ちに待って借り受けた。この音楽ブログ投稿に時間を取られ最近は読書がおろそかになっている。ということもあり、じつは未だ途中で、読み終わっていないのだけれど、心に残ることばと出くわしたので、その文章を引用してこの稿擱くことにしよう。

セイゴオ――そういう問題をふくめて、第9章はルイス・トマスLewis Thomas (1913 - 1993)の『人間というこわれやすい種』が大トリになっています。これは完璧な本といっていい。・・・・そのトマスの本は「フラジャイル・スピーシーズ」というのが原題で、それで見当がつくように、人間というのは本来そもそもが「こわれやすいもの(フラジャイル)」だという根本主張に貫かれています。これはぼくの人間論の結論にも近い。トマスは、そこにさらに次のように付け加えました。・・・・ちょっと読みますよ。


「ヒトを本性の深いところから衝き動かしている特徴は、役に立ちたいという衝動であり、たぶんこれは私たちのあらゆる生物学的な必然性のうちで最も根本にあるものだろう」!

どうでしょうか。このことばからヘーゲルの<承認論>がよぎったけれど・・・。


イメージ 3ところでこのルイス・トマスと松岡正剛との対談が「オブジャマガジン・遊」(工作舎)の1011号(1980・2)と1012号(1980・4)の2回に亘って掲載されており、その最後のことばは以下だった。

セイゴオ――・・・今日の話にふさわしい良書があったら教えてください。
――――――
セイゴオ―― 一般書では?
トマス―― モンテーニュですね。
セイゴオ―― 最愛書は?
トマス―― モンテーニュ

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追記(3・9)抜書き備忘録――

セイゴオ―― <オルテガ・イ・ガセット――大衆の特権は「自分を棚にあげて言動に参加できること」にあり、その本質は「心変わり」にあるというんです。・・・・>

セイゴオ―― <グールドが漱石の『草枕』にぞっこんだった・・・あのね、こういうアンケートがあるんです。「練習法は?」「つねにバッハを弾くだけ」。「どうやって暗譜するのか」「扇風機や電気掃除機などのノイズの中で」。そして「嫌いなものは何ですか」という質問には、「大衆、競争すること、芸術家の自慢、世代的ギャップ」というんだね。・・・>