yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

エリック・ドルフィーの客死直前のかの名盤『LAST DATE』(1964)のリハーサルテイク。『ICP 015 Epistrophy』(1964)。

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Eric Dolphy Holland 1964

             

見開き裏表紙写真
イメージ 2滞在先ドイツにて36歳の生涯を閉じたのは1964年6月29日。その直前同月2日のオランダにて収録されたのが先日投稿記事にした、取り上げられることしきりなかの名盤『LAST DATE・ERIC DOLPHY』だった。そして今日の取り上げるアルバム『ICP 015 Epistrophy』がその一日前の6月1日のリハーサル時のものであり、カセットテープよりLPにおこされたもの。貴重といえば貴重かもしれないけれど、音質の悪さはいかんともしがたい。本来商業的に出されるべきものではない体のものだけれど、なにせエリック・ドルフィーの音源ということで無理を通したのであろうか。後、ヨーロッパ・フリージャズを<ICP>なる非商業的前衛組織を拠点に大きく推進展開して行くこととなる、彼ら若きサイドメンを務めたハン・ベニンクミシャ・メンゲルベルクらの記念碑的ドキュメントとしても留め置くべき歴史的出来事だったのだろう。『LAST DATE』に収まっているA面筆頭の曲「EPISTROPHY」のリハーサルテイクが当のもの。本番は11分15分だけれど、リハーサルのそれは17分52秒といくぶん長尺だ。もちろんかの名盤に収められているパフォーマンスの方が、音質も良く演奏も引き締まっていていいのは言うまでもない。商業ベースに乗せるくらいのものだから当然といえば当然だろう。こういうのまで手にしようと思うのだから数寄が高じると見境がなくなる。「病膏盲(こうもう)に入る」とはこのために用意されたことばなのだろうか。馬齢重ねての今にして思えばであるけれど・・・。こういうのも音源として出されていたよという資料的価値程度のものとして紹介まで。


『ICP 015 Epistrophy』(1964)

Eric Dolphy/Misha Mengelberg/Jacques Schols/Han Bennink
Eric Dolphy, bass clarinet (track 1); Misha Mengelberg, piano; Jacques Schols, bass (track 1); Han Bennink, drums (track 1).
1. Epistrophy (17.52)
2. Eeko (grey red-tail parrot)/Misha Mengelberg (02.00)
Track 1 recorded in Eindhoven, Holland on 1 June 1964; track 2 recorded in Amsterdam on 6 June 1972.
Only released on LP.
Cover design and layout (reproduced above) by Sipke Huismans.