yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

2009-07-01から1ヶ月間の記事一覧

メンデルスゾーン『弦楽四重奏曲第1番&第2番』 。流れるような瑞々しさ、みなぎる精神、のびやかさ。18才と20才の時の作曲。楽聖とのこの懸隔は何か?

Mendelssohn, String Quartet E-flat, II. Adagio non troppo この動画音源作品はメンデルスゾーン14才の作品で作品番号なし。 「疲れたよ、ひどく疲れた」 38才メンデルスゾーン最期の言葉。 楽聖ベートーヴェン(Ludwig van Beethoven、1770 - 1827)…

『日本の神楽(かぐら) Shinto Music and Dance of Japan』。なんと始原的でかつ荘重なことか。エキゾティックでさえある。

日本の伝統音楽歌唱編・御神楽(みかぐら)音源サイト http://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/edc8/deao/mikagura/index.html 『神楽歌』 榊(さかき) (本歌) 榊葉(さかきば)の 香(か)をかぐはしみ 求(と)め来(く)れば 八十氏人(やそうじびと)ぞ 円…

『民音現代作曲音楽祭‘83&‘84]』(LP2枚組み)。土俗の香り芬々のロマンティシズム。肥後一郎の『交響曲』を聴きなおす。

きょうたまたまNHK・FMの「邦楽のひととき -現代邦楽-」で、現代音楽作曲家・肥後一郎による現代邦楽作品「神楽舞」(12分40秒)の流れているのに出くわし、ことのほか新鮮な印象をもって耳そばだてた。筝と、合いの手?(能などで耳にする)の絡…

ベートーヴェン『ディアベッリ変奏曲 Diabelli Variationen』。ああーこの無骨、重厚。洗練からは遠い。グングンと突き進んでゆく意志力だ。

Mieczyslaw Horszowski plays Beethoven "Diabelli Variations" op. 120 残念ながらウゴルスキの動画はありません。 楽聖ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(Ludwig van Beethoven、1770 - 1827)の『ディアベッリ変奏曲』。1823年の作。晩年の傑作…

グローブ・ユニティ・オーケストラ『Bavarian Calypso / Good‐Bye』(1975)EP盤。カリプソ、それに甘ったるいビッグバンドスゥィングジャズ。息抜きに遊びましたと言った風情。

今春3月に≪グローブ・ユニティ SPECIAL 「EVIDENCE」Vol.1と「INTO THE VALLEY」Vol.2 の2枚。吼えまくるしたい放題のアナーキーからいくぶん余計な洗練、啓蒙、分別?ではある。≫と寸評タイトルして取り上げて以来の久しぶりの投稿。シュリッペンバッハ(…

『世界を聴いた男』(岡田真紀・平凡社)。民族音楽学者・小泉文夫の使命、天命としての疾駆せる人生。

あらゆる音楽は民族的である。音楽はその根本的特質を自己に適する言語から抽き出す (ジャン・ジャック・ルソー) 【三枝子や兄、姉の見守るなか、首を左右に動かして、声の出ない口で「アリガトウ、アリガトウ」といったのが、彼の最後のメッセージであった…

山下洋輔トリオ『FROZEN DAYS』(1975)。1974年6月のヨーロッパツアーの衝撃的な大ブレーク直後の国内スタジオアルバム。

[845] MITOCHONDRIA @ FROZEN DAYS - YOSUKE YAMASHITA TRIO もう過ぎちゃった話しで、締まらないのだけれど<結成40周年記念! 山下洋輔トリオ復活祭>というのが話題になっていた。で、これをネタにブログ投稿しようと思っているあいだに・・・つまりはあと…

アレクサンダー・ツェムリンスキー『叙情交響曲 Lyrische Symphonie 作品18』。大仰、過剰にも美しいロマンティシズム溢れる作品。まさに倦んじて退屈なまでに美しい。

Lyric Symphony (Zemlinsky) 1st Mvt. 「ブラームス、そしてマーラーにその才能を認められて世紀末ウィーンの期待の新星としてデビューした、アレクサンダー・ツェムリンスキー・・・」(解説・石田一志)「マーラーとシェーンベルクを連結する役割・・・」…

ルイ・シュポーア『ヴァイオリン協奏曲第8番イ短調 作品47 《劇唱の形式で》』ほか。品性そなわるヴァイオリンの美しさ。

Hilary Hahn - Spohr Violin Concerto No.8 in A minor, Op.47(3rd MOV) ルイ・シュポーア 過日、いつもの如くNHK・FMから流れていた美しい曲に感心し、さっそくネット検索で調べたところ、その曲は以下の如くだった。(たまたま出会いがしらに耳に入っ…

ボロット・バイルシェフ 『アルタイのカイ 秘密の夢~英雄叙事詩の世界』。超低音の、まるで我がお経の如くの伝承の語り、そのシンプルな唄い語りは、大地の奥深くよりする歴史の呼びかけの如く魂を感じさせる。

Bolot Bayrishev - Altai sedatube 長い夜を短くするため、聴け、わたしの歌うカイを。・・・ (CD解説より) 元来民族音楽には魅かれるところ多く、動画ネット時代を迎えるはるか以前より、その環境いまより格段に貧弱であったけれど機会あれば興味を持って…

下山一二三『作品集』。静謐と激情。余韻とドラマティック。そのドラマティックな音作りひそむ和の余情。それら対比にせめぎあう緊張感は鋭く、また清冽ですらある。おしなべて、しじまが際立つ深みをもった音たち。

さて今日は、久しぶりのタワレコにて買い物したCDを先日来取り上げてきたけれど、いよいよ手持ちの最後の出番となった。ご存知ですか、下山 一二三(しもやま ひふみ、1930 - )と云う現代音楽作曲家。わが国を代表する武満徹(1930 - 1996)と同世代のす…

近藤譲『音を投げる』(春秋社)。ジョン・ケージの投げかけた音楽上の革命的コンセプト(偶然性、人間理性からの音それ自体の解放)への真摯な思索的検討、いわば根源的思考。

Walk Jo Kondo 「私はただ、音楽の存立可能性というものを、音楽の構造上の一根源である「音」というものに立ち返って再考することで、新たな音楽の可能性を探ろうとした・・・」(近藤譲『音を投げる』より) NHK・尾高賞5回受賞といういまを時めくわが…

ロッシーニ『弦楽のためのソナタ全集 6 sonate a quattro』。わずか12才の時の作品。旋律の美しさ、その完成度、達者ぶり。若?書きてなものではございません。天才のワザ。

Gioachino Rossini - String Sonata No. 1 in G major - I. Moderato 過日NHK・FMから流れていた美しい曲がモーツアルトのものと思っていたら、じつは、斯の「ウイリアムテル序曲」のジョアキーノ・ロッシーニ(本名はジョアキーノ・アントーニオ・ロッ…

ジョージ・クラム『Black Angels (for electric string quartet)』(1970)。イマジネイティブな冥い叫びの響きをもった弦楽四重奏作品。

Black Angels - George Crumb 音楽ブログを綴っていていつも思うのは、投稿者たる私は音源を聴いたうえでの鑑賞記ということで、言葉を紡ぎだすのだけれど、音源を、それもべつに投稿音源でなくてもその作曲者のなんらかの「音」を紹介出来るのと、そうでな…

小泉文夫『人はなぜ歌をうたうか』(学習研究社)。<西洋音楽には和声や対位法があり、日本やアジアの音楽にはそれがない。しかし、だからといって西洋音楽がすぐれているという認識を、私は疑問に思っています。>

人間は生きるために拍子をそろえる (小泉文夫) 音楽鑑賞ばかりでなく、たまには書物を読んで脳みそをマッサージしなくてはと、図書館のネット借受で、民族音楽学者・小泉文夫の著作を手にした。タイトルは『人はなぜ歌をうたうか』(学習研究社)といった…

セルジュ・ニグ「Visages d'Axël 」(1967)ほか。アンリ・デュティユーと同じすぐれた中庸が、ここにも居たといった印象だ。保守といってもなまなかでないのがやはり(フランス音楽の)伝統か。

先日、野平一郎の作品集『錯乱のテクスチュア』を取り上げた際、【東京芸術大学附属音楽高等学校、同大学、大学院修士課程を経て、1978年、フランス政府給費留学生としてパリ国立高等音楽院に学ぶ。この間作曲を間宮芳生、永冨正之、ベッツイー・ジョラス、…

ジルベール・アミ「レシタティフ・アリアと変奏」、ベッツイ・ジョラス「12声のソナタ 」。人間の声の美しさ、その音色の彩りを見事に歌い上げている二作品。

Gilbert Amy- Trajectories (1/3) 投稿音源のものではありません。 きょうはわたしの偏見からくるタワゴトと思って話半分に聞いていただきましょうか。全国津々浦々、合唱、コーラスのサークル活動の盛んなことは多いに称賛されるべきことで、それにケチをつ…

野平一郎・作品集『錯乱のテクスチュア』。特殊奏法満載、いかにも!と言った奇抜はない。けれど構造・論理と感性の見事なバランス感覚。まさに現代音楽の王道を揺らぐことなく堅実に歩んでいるといった趣なのだ。

さて、きょは先日に引き続きタワレコで仕入れてきたCDアルバムの内の一枚(どういうわけか、このFONTECの現代日本の作曲家シリーズの数点が黄札の約半額で売られていた。ありがたいことです。)溢れんばかりの才能で、八面六臂の活躍でいまをときめ…

武満徹『マイ・ウェイ・オヴ・ライフ,セレモニアル,系図(英語版),弦楽のためのレクイエム,エア』(1997)。雅楽楽器<笙>と洋のフルート。いいですね~。

Toru Takemitsu: Air for Solo Flute 投稿音源のものではありません。 きのうに引き続き、<笙>奏楽者の宮田まゆみを、図書館蔵書ネット検索していてたまたまヒットしたCDアルバムを取り上げるとしよう。小沢征爾指揮による、武満徹の『マイ・ウェイ・オ…

『ミュージックサプリ ~古代楽器編~』。普段聴き慣れぬ音色の、古代の音楽を脳(感性)活性のサプリメントとして刺激を与え、まさしく<変わったジャンルの音楽のメッセージで脳をマッサージ>といわけだ。

声たち koe tachi:shou by Miyata Mayumi, hichiriki by Nakamura Hitomi, ryuuteki by Sasamoto Takeshi 投稿音源のものではありません。 さてきょうは、<変わったジャンルの音楽のメッセージで脳をマッサージ>とばかりに≪イメージを揺さぶり脳をマッサ…

フェデリコ・モンポウ『ピアノ曲全集』(1974)。作曲者自身演奏するCD4枚組み2,380円。寡黙簡潔の清々しさ、これ以上のものはない。

F. Mompou, Canción y Danza nº VI 「私の目的は、最も研ぎ澄まされた内なる耳でも容易には出逢えないような響きを作り出すことでした」 by Federico Mompou 先日久しぶりに足を運んだタワーレコードで購入したCDの内の一枚の≪一柳 慧(とし)『道‐THE WAY…

『J.シャルパンティエ:交響曲3番「SHIVA NATARAJA」,VN・ORCHのためのレシタティフ』(1968)。静やかで神秘性をすら感じさせる、細やかな音色の移ろいの妙。

過日、≪ジャック・シャルパンティエ『オルガンの書』(1973)。聖トマス・アクイナス没後700年に献ずる作品。深淵壮大堅固に響き渡る教会オルガン。≫と寸評タイトルして取り上げたのだけれど、きょうは2稿目として『J.シャルパンティエ:交響曲3番「SHIVA …

舘野泉『風のしるし-左手のためのピアノ作品集』(2004)。すべてを削ぎ落とした簡潔、「これ以上は切り詰められない音」で奏でられるバッハには祈りと感謝、喜びが格別の思いとして純に響いてくる。

「剥き出しの、これ以上は切り詰められない音がそこにあった。」 舘野泉 先にベスト盤が過日すでに投稿されており、順逆でいまさら何をと言った感じもなくはないけれど・・・。だけど幾度も聴くに値する演奏だ、ということで、きょうもきのうに引き続き図書…

ディートリヒ・ブクステフーデ『オルガン名曲集』。素朴といったら言い過ぎかもしれないけれど温もりの響きが心地よい。心は豊かだ。

D. Buxtehude: Passacaglia in D minor Bux 161 投稿音源のものではありません。 「まこと気高く、大いなる誉れに満ち、世にあまねく知られた」(ヨハン・カスパル・ウーリヒによる追悼詩・WIKIより) 過日いつものごとく、仕事帰りの車中にてNHK・F…

佐藤允彦<佐藤允彦ソロ・ピアノ3部作>第3部「多次元球面~同時進行による多次元録音~」。多次元録音・仮想デュオの圧倒的な情理せめぎあうピアノの炸裂にやはり魅き入れられる見事さだ。

なんの脈絡もなく、エイヤッとばかりにその日その日気まぐれに若き日に蒐集したレコードからピックアップして投稿している拙ブログ。というわけで、きょうは佐藤允彦のピアノソロ・アルバムをとりあげよう。いかなる目論見も考えあっての選択でもない。たま…

パウル・ヒンデミット『室内音楽選集』。<どっちつかずのかったるい、退屈な印象>を再確認しただけだった。やはり肌に合わないようだ。

Hindemith : Kammermusik nr. 4 op. 36,3 per violino e grande orchestra 投稿音源のものではありません。 「当代で最も偉大な作曲家であったが、最も後生への影響を及ぼさなかった作曲家」 (グレン・グールド) きょうは図書館のネット借受でのCD。パウ…

一柳 慧(とし)『道‐THE WAY‐ 一柳 慧作品集Ⅲ』。突然の破調から終結までの盛り上がりの展開が圧倒的でさすが!、やはり凡庸とは無縁。知と情のバランスの高度の達成、その現代雅楽作品。

Shangri-La, Photographer Takaki Hashimoto, sho Naoyuki Manabe GALAXY for solo sho / Toshi Ichiyanagi 投稿音源のものではありません。 週末ひさしぶりに繁華街にあるタワーレコードへと足を運んだ。というのもわずかではあるけれどたまっていたポイン…

巡視船実弾訓練中、砲身ごと「発射」。その砲身は「7メートル前方に飛び、そのまま海上に落下、沈んだ」という。ポチャン?だっただろうか。

けさ新聞を読んでいて、何だこれは!まったくマンガ的ではないかと印象した記事が目にとまった。 【巡視船実弾訓練中、砲身ごと「発射」: 神戸海上保安部(神戸市中央区)は3日、巡視船「せっつ」(3100トン)に搭載された35ミリ機関砲の砲身(3.…

リュック・フェラーリ『Und So Weiter (1967)/ Music Promenade(1969)』(1969)。クソ真面目でないチョットはずれた逸脱のスタンスが斬新。

Luc Ferrari - Music Promenade (1969) ≪世界とは、私が思惟しているものではなくて私が生きているものであって、私は世界へと開かれ、世界と疑いようもなく交流しているけれども、しかし私は世界を所有しているわけではなく、世界はいつまでも汲みつくし得…

リュック・フェラーリ『Presque Rien No 1』と『Société II』。これほど、ひねくれて、斜に構えて骨太くダダを突っ切ったパフォーマンスもいまや貴重な存在。

Ferrari - Societe II (Part 2) これほど、ひねくれて、斜に構えて骨太くダダを突っ切ったパフォーマンスもいまや貴重な存在といえるだろうか。きょう取り上げるリュック・フェラーリ(Luc Ferrari, 1929 – 2005)のドイツ・グラモフォン・アヴァンギャルド…