yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

ボロット・バイルシェフ 『アルタイのカイ 秘密の夢~英雄叙事詩の世界』。超低音の、まるで我がお経の如くの伝承の語り、そのシンプルな唄い語りは、大地の奥深くよりする歴史の呼びかけの如く魂を感じさせる。

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Bolot Bayrishev - Altai sedatube

            
    長い夜を短くするため、聴け、わたしの歌うカイを。・・・  (CD解説より)
元来民族音楽には魅かれるところ多く、動画ネット時代を迎えるはるか以前より、その環境いまより格段に貧弱であったけれど機会あれば興味を持って折々聴いてきた。それに、先日、民族音楽学者・小泉文夫の『人はなぜ歌をうたうか』(学習研究社)という著作を投稿したこともあって、その余勢で、いつも以上に民族音楽のあれやこれやをYOUTUBE動画で無手勝流にクリックしては時を忘れ愉しんでいた。(時代とはいえ船旅の数ヶ月もかけて音源を求めフィールドワークをしていた小泉文夫らの苦労を思うと、門外漢の素人ながら、動画ネット時代のそのアンチョク、お気楽さに忸怩たる思いがあるけれど)そのときにたまたま出くわしたのが、今日投稿する中央アジアアルタイ共和国(ロシア内の自治共和国)の喉歌(=カイ・KAI、【口笛に似た音を出す喉のテクニックの<スグット>、低音と高音を同時に出す喉のテクニックの<コーメイ>、超低音の喉のテクニック<カルクラー>】、の三つのスタイルを総合した伝統的歌唱法のよし)の名手(だそうだ)ボロット・バイルシェフ(Bolot Bairyshev、1962 -)だった。で、図書館のネット検索を試みたところ、この歌手の『アルタイのカイ 秘密の夢~英雄叙事詩の世界』が蔵書されているので取り寄せ借り受けた。モンゴルやトゥバ共和国ホーメイなどは一度は耳にされていることと思イメージ 2われる(拙ブログでもトップページの<YOUTUBEの館>で幾度か貼り付けたことがある)けれど、きょうのこのボロット・バイルシェフの土、大地の語りとでも言ったらいいのだろうか、超低音の、まるで我がお経のごとくの伝承の語り、そのシンプルな唄い語りは、それらとはまた違った趣で魅了するのだ。人間技とは思えぬ超低音の読経でど肝ぬくチベット声明(しょうみょう)と同じように、このボロット・バイルシェフの<喉歌・カイ>の超低音伴う唱法には大地の奥深くよりする民族精神の呼びかけのごとく魂を感じさせ、心揺さぶるものがある。まさに大地の声。私たちにとって遊牧<民>の中央アジアは異質なのに、なぜかこころ惹かれる。

                   アルタイ共和国(ロシア内の自治共和国) ↑


ボロット・バイルシェフ Bolot Bairyshev 『アルタイのカイ 秘密の夢~英雄叙事詩の世界KAI OF ALTAI/ALAS』

1.秘密の夢ALAS
2.カイソングKAI SONG
3.ウコック高原UKOK
4.虹RAINBOW
5.山々の歌SONG OF MOUNTAINS
6.いにしえの陵墓KURGAN'S SYGYT
7.天国の歌SONG OF HEAVEN
8.祈りPRAYING
9.黄金の山ALTIN - TUU




参考リンク――

http://www.makigami.com/bolot/ 大いなる共鳴、アルタイと日本の声帯宇宙




Altai-Kai - Ойно, ойно, Алтай (Играй, играй, Алтай)



民族音楽関連投稿記事――

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/59756991.html 『決定版!癒しのアジア』(2003)。我がニホンジンの来し方の響きのごとく懐かしさと“癒し”を覚えるのもごくごく自然なことなのだろう。