yuki-midorinomoriの日記

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ルイ・シュポーア『ヴァイオリン協奏曲第8番イ短調 作品47 《劇唱の形式で》』ほか。品性そなわるヴァイオリンの美しさ。

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Hilary Hahn - Spohr Violin Concerto No.8 in A minor, Op.47(3rd MOV)

           

ルイ・シュポーア
イメージ 2過日、いつもの如くNHK・FMから流れていた美しい曲に感心し、さっそくネット検索で調べたところ、その曲は以下の如くだった。(たまたま出会いがしらに耳に入ってきた程度の鑑賞なのだけれど・・・)

【「バイオリン協奏曲 第8番 イ短調“劇唱の形式で”」
                       シュポーア作曲
                      (19分26秒)
               (バイオリン)ヒラリー・ハーン
             (管弦楽)スイス・ロマンド管弦楽団
                (指揮)ギルバート・ヴァルガ】

ふーん、シュポーア?名前は聞いたことはあるけれど・・・、と、これもWIKI検索してみたら、ドイツの作曲家だった。名前の響きから、てっきりフランス人かと思っていたらそうではなかった。ルイ・シュポーア(Louis Spohr, 1784 - 1859)。ちなみにベートヴェンの生年は(1770 - 1827)だ。ほぼ同時代ではないか。で、いつもの如く図書館のネット検索で探り当て、蔵書されているCDを借り受け聴いてみた。べつに、別嬪さんで人気の?ヴァイオリニスト・ヒラリー・ハーンを聴きたくてというわけではなく、放送で流れていたシュポーアの「ヴァイオリン協奏曲 第8番 イ短調“劇唱の形式で”」を、聴けるのがこれしか無かったというだけのことなんだけれど。ところで、この借り受けたCDには、もう一曲というか、こちらがメインと思われるパガニーニの『ヴァイオリン協奏曲第1番』が収録されていた。元来あまり好きではないパガニーニ(だからこそと言えるのかもしれないが)の、なんとも品のない、これではイタリアオペラにヒケラカシのドウダ的技巧のヴァイオリンソロをくっつけただけではないか(というも、この作品は古今の名曲だそうだけれど、ほんとですかね。)と印象する「ヴァイオリン協奏曲」との対比で、シュポーアのヴァイオリンの美しさが、より際立つのだった。もちろん品性も。パガニーニ(Niccolò [あるいはNicolò] Paganini, 1782 - 1840)とシュポーアは同時代人だ。それに両人とも当代きってのヴァイオリンの名手であったそうだ。独、伊の対決聴き比べといった趣きでもある。
ところで、シュポーアは晩年、同時代人ゆえ当然聴く機会があり、パガニーニの演奏を聴いて「魅了される気持ちと嫌悪感を、交互に感じた」(CD解説より)と言ったそうだけれど、今日取り上げたCDのパガニーニ作品とシュポーアのそれを聴けば、たぶん、おおかたの方はおのずと先の言葉に納得肯んじられるのではと思うのだけれど。シュポーアのヴァイオリンには品性がある。そうした美しさということだ。




パガニーニ『ヴァイオリン協奏曲第1番作品6』
シュポーア『ヴァイオリン協奏曲第8番イ短調 作品47 《劇唱の形式で》』

1. パガニーニ「ヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調 作品6 」
2. シュポーア「ヴァイオリン協奏曲第8番イ短調 作品47 《劇唱の形式で》」


参考音源(パガニーニ「ヴァイオリン協奏曲第1番」)――
http://www.youtube.com/watch?v=Sc1po_1of5E Hilary Hahn - Paganini VIOLIN Concerto NO.1 1st mvt (1/3)


LOUIS SPOHR Violin Concerto WoO 9 in G major Adagio