yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

2007-11-01から1ヶ月間の記事一覧

柳家三亀松の艶っぽく粋な都々逸(どどいつ)『恋の極楽 情けの地獄』(1977)

都々逸 明神の祭礼 ちゃっきり節 惚れたはれたに無縁な野暮な音楽ブロガーが鑑賞する柳家三亀松(やなぎや みきまつ、1901 - 1968)の色っぽい都々逸(どどいつ)『恋の極楽 情けの地獄』(1977)が今日取り上げるレコード。この都々逸は≪主として男女の恋愛…

高橋悠治のJ.S.バッハ『インヴェンションとシンフォニア』(1977)。耳タコのグレン・グールド同様我がバッハの範疇のようだ。

Bach: Invention No. 2 in C minor とにもかくにも、経済的な理由からが先ずいっとうの理由だけれど、同一曲のさまざまな演奏を音盤手元にして聴き比べるといった趣味はない。いや趣味にしようがない。私には一枚で十分だ。最初の出会いが決定的だ。それでよ…

富樫雅彦クァルテット『スピード&スペース』(1969)。68~9年と言う政情燃え盛り沸き立っていた、時代的にも熱き日本フリージャズの記念すべきアルバムのうちの一枚。

新左翼と全共闘の記録 ― 安保闘争、学生運動、国鉄紛争 1968-1970 PD96pMx7qlk,0,340,284)]] どこか、統御されているインテリジェントな熱きフリージャズといったところか。どこかとは、やはり、富樫雅彦と佐藤允彦二人の類まれな<知的>音楽感性ということ…

エリック・サティ。もの悲しい憂愁と透きとおった孤独。

Erik Satie 「ねえレジェー、皆自分たちのしたいことをちょっとやりすぎると、君は思わないかい」 (エリック・サティ) 『音楽はよろこびの伴侶、悲しみの薬』だそうだ。エリック・サティErik Satie(1866 - 1925)のシンプルな音楽を聴いているとまさにそ…

NHK・FM特集番組『“現代の音楽”放送50年 この半世紀を振り返る』を迂闊なことに聴き逃す。う~んん、チクショウ知らなかった。

きのう日曜日のNHK・FMでの「現代の音楽」は、なんと5時間にもわたる特集番組で≪“現代の音楽”放送50年 この半世紀を振り返る≫と題して行われていたそうである。若いときほどの熱心なリスナーで無くなって久しいけれど、最近はこの音楽ブログのせいもあ…

金子みすゞ。今にも壊れそうで繊細な慈しみの心。聖なる慈悲の目で見えない世界を見、優しく清らかなことばを遺していった夭折の天才童謡詩人。

―― 今夜の月のように 私の心も静かです ―― 尋常小学校時代 前列右端 泥のなかから蓮が咲く。 それをするのは蓮ぢゃない。 1930年26歳にて自ら命を絶った生まれながらにしての天才童謡詩人、金子みすゞ(1903(明治36年)- 1930(昭和5年))。詳しいこ…

諸井誠『尺八と弦楽合奏、打楽器のための協奏三章』(1970)ほか。十二音技法を主是とする数理的構成主義者であり、モダニストの伝統と西洋が響きあう交感感応には自立自存、崇敬・RESPECTが響いている。

≪伝統とは過去のものではなく、われわれが現在生活している「社会的・歴史的・人種的・血族的・家族的その他もろもろ、われわれを生かし、律している条件のすべての中に内在している行為的な秩序の総体」・・・事物とわれわれの関わり方を律する下部構造的な秩序…

フランツ・リスト「BACHの主題による幻想曲とフーガ」「詩的で宗教的な調べ」ほか。超絶技巧の華麗のヒケラカシにいささか辟易するリストにあっては<渋い作品>を聴く。

Horowitz plays Liszt Consolation No. 3 いやなやつだね、このリストFranz Liszt(1811 - 1886)という男は。と先ずこの呟きがでてくる。なにも嫌なら記事投稿せずともいいのだけれど。≪リストは超絶的な技巧を持つ当時最高のピアニストで「ピアノの魔術師…

フィリップ・グラス『SOLO MUSIC』(1975)同一音型の反復、その単純が作り出すズレ、いや、小さな差異といってもいい、それが提示する音楽世界の意想外の音連れの面白さ、新鮮豊穣の魅力。

Philip Glass - Two Pages (for Steve Reich), 1968 反復音楽、いわゆるミニマルミュージックと言えばスティーヴ・ライヒSteve Reich(1936 - )それに先日取り上げたテリー・ライリーTerry Riley(1935 -)、そして今日のフィリップ・グラスPhilip Glass(1…

ウラジミール・ホロヴィッツ『HOROWITZ THE POET』(1986)。シューベルトの「ピアノソナタ第21番D960」とシューマン「子供の情景」齢八十を越えての最晩年の演奏記録。

Horowitz plays Mozart piano concerto 23 2nd mov まずは、サッカーU22日本代表の北京五輪出場決定おめでとう。観ている方も(もちろんテレビ観戦だけれど)心臓の鼓動が聞こえて来るくらいの緊張感であった。これがたまらない。よく言われることだけれ…

ジョン・コルトレーン『IMPRESSIONS』(1963)。このアルバムではない「I Want To Talk About You」の無伴奏ソロパフォーマンスに感激しての、久々のコルトレーンの一枚。

India, John Coltrane Quartet with Eric Dolphy 別にどのアルバムでもよかったのだけれど、たまたま手にしたのがこの『IMPRESSIONS』(1963)。これまた、たまたま車中の放送で流れていて印象深く聴いたジョン・コルトレーンJohn Coltrane(1926 - 1967)が今…

モーリス・ラヴェル『ピアノ三重奏曲]』。繊細に、輝きをもって色めくその抒情は「玄妙」と言いたいほどに美しい。ジャポネスク?の優しさに満ちた、ゆらめく旋律。

Beaux Arts Trio plays Ravel Trio, IV 今日は、ジョゼフ=モーリス・ラヴェルJoseph-Maurice Ravel(1875 - 1937)の『ピアノ三重奏曲』。これは以前ブログにも綴ったけれど、いつものごとく出勤途上の車中でNHK・FMから流れていたのを聴き、なんと美…

テリー・ライリー『HAPPY ENDING』(1972)。遊びにも似た反復、繰り返しの愉楽。反復のズレが流動生成もたらす偶然の清新一閃の響き。

Terry RIley Crucificion Voices 投稿音源のものではありません。 【飽きるほどの反復くりかえしにも意義はある。】 【すべからく物事はズレのもたらす変化で生成多様化する。】 これらはブログ稿のタイトルであった。 【・・・最後に大岡昇平のことばを引用…

ズデニェク・フィビフ『気分・印象と追憶Moods,Impressions and Reminiscences』。≪流麗で親しみやすい旋律≫シンプルなショパン+サティ?

Poem by Zdenko Fibich. チェコの知られざる?作曲家ズデニェク・フィビフ(Zdeněk Fibich, 1850 - 1900)が今日の取り上げるアルバムで、ピアノ曲集の『気分・印象と追憶Moods,Impressions and Reminiscences』。≪流麗で親しみやすい旋律がふんだんに使われ…

『VIET‐NAM Poesies et Chants』。かつて漢字(文化)圏の国であったヴェトナムの優雅な古典詩と歌(朗誦)。

Beauty Plays Traditional Vietnamese Music 私たち団塊の世代にとってヴェトナムは、長きにわたる戦争と疲弊した国土からの脱出をこころみた難民といったことどもが連想のごとく思い出される。ヴェトナムは漢字(文化)圏の国であったのは地理的にみても、…

ピーター・ミヒャエル・ハーメルらのグループ「BETWEEN」による『DHARANA』(1977)。非西欧的旋法によるエキゾチックな瞑想的メロディーの親しみやすいミニマル・ミュージック。

Between - Dharana (Third Version) - Wergo / Spectrum 1977 子供よ、おまえはもう逝ってしまった そして少しの人生も知りはしなかった それなのに我々老いた者たちは なおも衰弱した歳月を生きている ・・・・・ 子供よ、やがて我々の目が閉じられるとき …

アンリ・プスール『Les Ephemerides d’Icare 2』(1970)。音の交感、照応のインプロヴィゼーション。確かめ合うごとくゆるやかに進行してゆく、響きあう世界。

Henri Pousseur: Les Éphémérides d'Icare 2 (1970) 浦和レッズがサッカーアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)を制覇。めでたい限りだ。Jリーグとの過密日程の中よくぞチャンピオンになってくれました。日本勢としては初優勝。これで浦和は12月に日本…

グレゴリオ聖歌『CHANT』(1994)。サント・ドミンゴ・デ・シロス修道院のベネディクト会士による、読誦の残響音が放つ敬虔崇高な雰囲気のなか、静謐の穏やかさにココロ癒される不思議のタイムスリップ。

Gregorian Chant - "Dies Irae" (ラテン語)) 1 『怒りの日』, ディエス・イレー:最後の審判に関する聖歌. 2 *1最後の審判の日(Day of Judgment). クリスチャンでもなく、当然教会へ祈るために入ったこともない。海外旅行をしたこともないのでテレビなどでよ…

佐藤允彦『トリニティ(三位一体)TRINITY』(1971)。現代音楽好きで、ヨーロッパフリージャズ好みにはこたえられない理知とセンスの光るフリージャズ。

富樫雅彦 & J.J.SPIRITS – MEMORIES 富樫雅彦 TOGASHI MASAHIKO(perc) 佐藤允彦 SATO MASAHIKO(pf) 峰 厚介 MINE KOSUKE(ts) 井野信義 INO NOBUYOSHI(b) 最近、佐藤允彦づいているようだ。それだけ演奏の質が高いということもあるし、現代音楽に近いセンスの…

黛敏郎作品ほか、高橋悠治演奏の『ピアノの変換』(1969)。現代音楽の創造営為は決して失われた数十年ではない。いまや大事にしたい現代音楽の古典。

Mayuzumi: Pieces for Prepared Piano and Strings カンパノロジー(1957) 涅槃交響曲(1958) 曼荼羅交響曲(1960) BUGAKU(1962) 交響詩「輪廻」(1962) 黛敏郎の名曲「涅槃交響曲」が世に問われたのは1958年であり、その一年前のアヴァンギャルドな作…

トマス・タリス『エレミアの哀歌』とウィリアム・バード『3声部のミサ曲』。ポリフォニックに恍惚没我に合唱し歌い、昇り詰めるシンプルな祈りの音楽。彼我の差感じるもア・カペラで美しい。

William Byrd - Ave verum corpus トマス・タリス きょうは、いつもの我が町の小さな図書館で借りてきたアルバム。イギリスのトマス・タリスThomas Tallis(1505頃 - 1585)の『エレミアの哀歌 Lamentationes Jeremiae ParsⅠ』とウィリアム・バードWilliam B…

佐藤允彦『涙のパヴァーヌ』(1978)。ジョン・ダウランドの「涙のパバーヌ(あふれよ、わが涙)」の切なく愁いに満ちた美しい旋律と共に佐藤允彦の類まれなセンス溢れる即興のバリアントと美しいピアニズム。

John Dowland-Lachrimae Pavan, and galliard 先日はイギリスのヘンリー・パーセルHenry Purcell(1659?-1695)、そして今日も同国のジョン・ダウランドJohn Dowland(1563-1626)となにやらバロックづいている。現代音楽、フリージャズをメインとするブロ…

『桐の葉もふみ分けがたくなりにけり必ず人を待つとならねど』(式子内親王)。アア何たる誤読。しかしこれで良し。

徳岡神泉「仔鹿」』(1961) きょう、なにげなく聴くでもなく聴いていたラジオから流れていた歌に感動した。ということですぐにネット検索した。まさにネット時代の便利なところである。作者の「式子内親王」と、「新古今」、「ふみわけがたく」と憶えていた…

ヘンリー・パーセルの英国音楽史の一つの記念碑『ファンタジア集・ヴィオラ・ダ・ガンバのための』。いささか渋い、似たような音域、音色のヴィオラばかり(ヴァイオル・コンソート)での弦楽合奏。

Henry Purcell -- Chaconne in G minor 先日のブログ投稿記事≪高橋悠治の『パーセル最後の曲集』(1974)。時を隔てた彼方よりの郷愁的な呼びかけの響き、静やかな愁いと魂鎮めのパフォーマンス。≫に貼り付けたYOUTUBEのグスタフ・レオンハルトGustav…

現代音楽作曲家『水野修孝のJAZZ ORCHESTRA '73』。水野修孝的オートノミー・フリージャズとしてコレクティブパフォーマンスに妙味感じさせる後半部。

水野修孝:ジャズオーケストラ'73 今日は現代音楽の作曲家が試みたビッグバンドジャズトして世に問い、高い評価も得た『水野修孝のJAZZ ORCHESTRA '73』を取り上げる。拙ブログで順逆であるけれど、すでに≪現代音楽作曲家、水野修孝の遠慮がちなビッグバンド…

坂田明『カウンタークロックワイズ・トリップ』(1975)。<透ける生命・ミジンコ>研究と狂わんばかりのフリーキーに咆哮いななく激情の迸りと(ハンモコシ語)的ユーモアのアドリブサックス。

Summertime : Akira Sakata Watanabe Katsumi Higashihara Rikiya Shimizu kou1990 Yume no rannyuusha. 堀文子『華やぐ終焉』(2004年) ネットで検索したところ、2007・9・16、NHK放映の「新日曜美術館」で「日々、いのち新たに~日本画家堀文子、8…

J・S・バッハ『チェロソナタ BWV1027-1029』(1985)。ミッシャ・マイスキーとマルタ・アルゲリッチ。歌ごころあるパートナーとゆったりと音楽に寄り添うアルゲリッチは魅力的だ。

André Navarra - Bach Sonata No.3 BWV 1029 -III- Allegro ふだん日曜日は、仕事場でもある生家に置いてあるレコードや本のたぐいを選んで袋につめて持って帰ってきたもののなかから興に任せて、行き当たりばったりに手に取って鑑賞(大ゴミで拾ってきた、…

シュトックハウゼン『MANTRA』(1970)。どこに真言?その要諦「無心」をつかみ損ねたのではあるまいか。

Stockhausen: Mantra (Part I) 東洋の心は無心になる事。どこまでいっても無限で天地の分かれがない。 西洋は二次元の世界。底には対立があり、一方は他を力で支配しようとする。 鈴木大拙 もう音楽は絶対抽象の真理・マントラというより、相対化された一事…

ラヴィ・シャンカールとアリアクバルカーン『IN CONCERT・1972』。インド音楽と70年前後のカウンターカルチャー。

Ravi Shankar - Raga Anandi Kalyan 「アメリカ人は自由を証明するためなら殺人も平気だ。個人の自由についてはいくらでもしゃべるが、自由な奴を見るのは怖いんだ・・・」(「イージー・ライダー」) Easy Rider trailer 最近はインド音楽、とりわけシター…

富樫雅彦『VOICE FROM YONDERかなたからの声』(1978)。ほどよい情緒性に本来性を聴いて、遅まきながらの哀悼としたい。

今日ブログ検索で、昨日取り上げた佐藤允彦を記事にしているブロガーのヘッドラインをのぞいていたら、かの特異なパーカッショニストの富樫雅彦が今年2007年8月に鬼籍に入ったことをはじめて知った。私のような年齢(団塊世代)になると、新聞記事のい…