yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

アンリ・プスール『Les Ephemerides d’Icare 2』(1970)。音の交感、照応のインプロヴィゼーション。確かめ合うごとくゆるやかに進行してゆく、響きあう世界。

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Henri Pousseur: Les Éphémérides d'Icare 2 (1970)

               

イメージ 2浦和レッズがサッカーアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)を制覇。めでたい限りだ。Jリーグとの過密日程の中よくぞチャンピオンになってくれました。日本勢としては初優勝。これで浦和は12月に日本で開催されるトヨタクラブワールドカップ(W杯)にアジア代表として出場する。これはたのしみな事だ。世界が注目する中、世界の戦いが浦和レッズの参加のもと日本でおこなわれるのだから。負けないという強さ、ともいえるゲーム展開をみせる浦和というチームは見ててあまり面白くないのだけれど。どちらかといえば、ガンバ大阪川崎フロンターレ(どちらも早大出身の先輩後輩監督)の攻撃的な展開のほうがみてておもしろいのだけれど。浦和は渋く勝つ。鹿島もそうだ。堅実に勝つ。チームカラーはドイツとブラジルなのだけれどそうしたことはよく似ている。と、ま、サッカーの話はこれくらいにして、音楽の話へとうつろう。さてきょうは、ベルギーを代表する現代音楽作曲家。といっても只今現在の音楽状況には疎いので、この謂いは保証の限りではない。以前にも言ったけれど、私のカヴァーする現代音楽シーンは85年央でストップしたままの浦島太郎だ。その頃に音盤蒐集から遠ざかった。ようするに若い世代は日本も含めて殆んど知らないに等しいのだ。だからこのブログに登場しないから重要でないとか評価しないとかとはまったく関係がないのを再度この場で言っておきたいと思う。単に私が知らない、きっちりと聴いていないと言うだけのことです。当然のこととして、先ほどの年代以前に盛大に活躍していた作曲家が多数を占めることになっている。きょう登場するアンリ・プスールHenry Pousseur(1929-)はいわゆるダルムシュタット世代の一人ということができる。つまりはトータル・セリエールを立脚とするポスト・ウェーベリアンだ。とりわけピエール・ブーレーズPierre Boulez(1925 - )とは関係が深い。ブーレーズもそうだけれど鋭い音色感覚を特徴とする。ウェーベルンAnton (von) Webern(1883 - 1945)の凝縮された響きに透徹した峻厳さ、≪冷たい情感≫(WIKIPEDIA)を美と感受するリスナーであれば、先ず間違いなくこのアンリ・プスールも好ましく思えることだろう。非常に美しい音色構築のセンスはブーレーズらと行動を共にするだけあってすばらしいものがある。今日のアルバム『Les Ephemerides d’Icare 2』(1970)は合奏協奏曲の形式を持った作品で、ソリストとオーケストラメンバーとのインプロヴィゼーションの試みとある。その詳細のほどは分からないけれど、ウェーベリアンにとっては、そのゆったりしてひびきあう音響世界はことのほか美しい。各々の音の交感、照応のうちに確かめ合うごとくゆるやかに進行してゆく、響きあう世界。それも静やかに・・・。こういう音に浸るソリストとオーケストラの響きあう世界もいいものだ。ともかく、小ウルサクナイのがいい。




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Anton Webern Fünf Sätze 1 Op.5