yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

坂田明『カウンタークロックワイズ・トリップ』(1975)。<透ける生命・ミジンコ>研究と狂わんばかりのフリーキーに咆哮いななく激情の迸りと(ハンモコシ語)的ユーモアのアドリブサックス。

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Summertime : Akira Sakata Watanabe Katsumi Higashihara Rikiya Shimizu kou1990 Yume no rannyuusha.

      

堀文子『華やぐ終焉』(2004年)
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イメージ 2ネットで検索したところ、2007・9・16、NHK放映の「新日曜美術館」で「日々、いのち新たに~日本画家堀文子、89歳の鮮烈~」とタイトルされていた番組のことだった。そこで、≪広島大学畜産学部水産学科(現・生物生産学部)を卒業。2003年には長年にわたるミジンコの研究普及活動が認められ、日本プランクトン学会より特別表彰されている。≫(WIKIPEDIA)ミジンコ研究者としても知られているジャズサックス奏者坂田 明(1945 - )が、そのミジンコを持参して嬉々として<透ける生命・ミジンコ>を当の主人公の画家に解説するべく出演しているではないか。なんでも画家・堀文子が高齢で病を得て以後、画境求めての旅、外出もままならずに居た≪そんなとき出会ったのが、顕微鏡の中の世界だ。レンズの下の一滴の水を泳ぎ回るミジンコに、堀さんは、シンプルだけれど完璧な生イメージ 3命装置を発見する。原始の生物は、その姿で、何億年も命をつないできたのだ。以来、堀さんは、蜘蛛の巣の造形にも神の芸術を見出し、どうにかそれを絵にしようと、新たな技法にも取り組んだ。≫(「新日曜美術館」内容紹介より)そのきっかけをつくったのが坂田明ということでの出演依頼だったようだ。それはともかく、音楽をナリワイとしている人たちにとって、修学内容と職業が必ずしも結びつかないのは才能の世界であるせいか、とりたてて珍しいことではないけれど。しかし本職の音楽活動で生計を立てながら、畑違いの修学内容を継続極めようとしている人は珍しいのではないだろうか。ちょいと風変わりな異色のジャズミュージシャンである。それも飛びっきりフリーキーを特色とする名うてのフリージャズインプロヴァイザーであるから、よけいに印象深い。そのアドリブはハナモゲラ語(ハンモコシ語)のサックストークでもあるだろう。いや叫び、咆哮といえようか。こうした山下洋輔トリオでのイナナキ疾駆する凄まじいとも言える坂田明のサックスインタープレイは、拙ブログでもいくつか取り上げてきた。格闘疾走する洋輔ピアノにはなくてはならないサックスプレイヤーといえただろう。
以下の投稿記事で、沸騰する時代、その熱く沸き立つインタープレイへの思いが綴られている。




今回取り上げるアルバムは坂田明のリーダーアルバムで、森山威男のドラムスと、山下洋輔とのデュオアルバムも残しているオーストリア産、1943年生まれの、音楽と建築学の教授をしながらジャズベーシストとして活躍、以後ジャズプレイヤーに専念しての参加とあるアデルハルト・ロイディンガーAdelhard Roidingerのベースのトリオでのもの。『カウンタークロックワイズ・トリップCOUNTER CLOCKWISE TRIP』。3回目となる1975年ヨーロッパツアーの際の当地で収録されたもの。45年生まれの坂田明30才の狂わんばかりの激情の迸りと(ハンモコシ語)的ユーモアのアドリブサックスが光るアルバムとなっている。