yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

下山一二三『作品集』。静謐と激情。余韻とドラマティック。そのドラマティックな音作りひそむ和の余情。それら対比にせめぎあう緊張感は鋭く、また清冽ですらある。おしなべて、しじまが際立つ深みをもった音たち。

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イメージ 2さて今日は、久しぶりのタワレコにて買い物したCDを先日来取り上げてきたけれど、いよいよ手持ちの最後の出番となった。ご存知ですか、下山 一二三(しもやま ひふみ、1930 - )と云う現代音楽作曲家。わが国を代表する武満徹(1930 - 1996)と同世代のすぐれた作曲家だ。ズーッと以前から注目していた好きな作曲家だった。ダイナミックな音響創造と深い余韻と静謐の対比。深い清冽、和の余情と激情。そのドラマティックでさえある魅力ある響きを特徴とする作曲家と私は印象しているけれど。斯くまで魅力ある作品を多く発表しているにもかかわらず、なぜか一般的認知とは縁遠いのだ。その理由の程はわからないが・・・。斯くいう私も、この作曲家の作品集が出されているのを知ったのはそう古いことではない。現代音楽のアルバム蒐集を断念した85年央頃まで作品集らしきものはなかったと記憶する。で、やっと先日タワレコで、黄札にて並べられているのを幸いに手にしたのだった。待ちに待った作品集だった。それはたぶん約30年ほどの過ぎにし待ち焦がれた月日であっただろう。

静謐と激情。余韻とドラマティック。そのドラマティックな音作りひそむ和の余情。それら対比にせめぎあう緊張感はするどく、また清冽ですらある。おしなべて、しじまが際立つ深みをもった音たちの振る舞い。
以上は前言の印象の繰り返しになるけれど・・・、鑑賞メモだ。

ところで、だいぶ以前拙ブログへ≪NHK・FM特集番組『“現代の音楽”放送50年 この半世紀を振り返る』を迂闊なことに聴き逃す。う~んん、チクショウ知らなかった。≫と投稿した。その特番放送で取り上げられた作品および作曲家は以下の如くだった。

≪“現代の音楽”放送50年 この半世紀を振り返る

                         西村  朗
                   【ゲスト】 白石 美雪
                              
組曲“稀薄な展開”から」  北園克衛・作詩、諸井 誠・作曲
                       (2分27秒)         
                              
「“阿知女”から」              松村禎三・作曲
                       (2分20秒)

                  <CMCD-28031>
                              
「“涅槃”交響曲から 第5、6楽章」     黛 敏郎・作曲
                      (10分00秒)
                   <CZ30-9013>
                              
「合唱のためのコンポジション 第1番から 第1楽章」    
                       間宮芳生・作曲
                       (4分57秒)
                    <VDR-5202>
                              
「水ヲ下サイ」        原 民喜・作詩、林  光・作曲
                       (5分16秒)
                    <ECJC-014>
                              
シンフォニア」               柴田南雄・作曲
                      (11分32秒)

「“交響三章”から 第2楽章」        三善 晃・作曲
                       (4分50秒)
                  <COCO-78442>
                              
「“ピアノ・ソナタ”から 第1、2楽章」   矢代秋雄・作曲
                       (5分00秒)
                  <KICC-354~6>
                              
「“ノヴェンバー・ステップス”から」     武満 徹・作曲
                      (11分30秒)
                              
「“響層”から」               石井眞木・作曲
                       (8分25秒)
                  <COCO-78453>
                              
「“素数の比系列による正弦波の音楽”から」  黛 敏郎・作曲
                       (1分19秒)
                              
「ホワイトノイズによる“イコン”から」    湯浅譲二・作曲
                       (2分37秒)
                 <OUOADM-0401>
                              
「“東京1969”から」           一柳 慧・作曲
                       (4分00秒)
                              
「“カインの犠牲者のために”から」      松平頼暁・作曲
                       (5分00秒)
                   <VICG-8002>
                            
「“東京湾”から」              近藤 譲・作曲
                       (3分45秒)
                              
「“オレンジ・マーマレード・サーキット”から」吉松 隆・作曲
                       (4分14秒)

「“天籟地響”から 第1楽章」        廣瀬量平・作曲
                       (8分05秒)
                     <30CM-59>
                              
「錯乱の論理」                八村義夫・作曲
                       (7分36秒)
                    <32CM-292>
                              
「ピアノ協奏曲」               野田暉行・作曲
                      (11分12秒)
                   <KICC-3039>
                              
「ストラータⅣ」              池辺晋一郎・作曲
                       (9分44秒)
                              
サイド・バイ・サイド」           北爪道夫・作曲
                       (9分16秒)
                   <FOCD-3489>
                              
「春愁歌」                  佐藤聰明・作曲
                       (8分19秒)
                   <FOCD-3253>

「“光の園”から 第2楽章」         新実徳英・作曲
                       (8分25秒)
                    <30CM-525>
                              
「“ヒロシマ・声なき声”から 第5楽章」  細川 俊夫・作曲
                      (13分31秒)
                   <FOCD-3491>


ま、ビッグネイムのいくつかも抜け落ちているのだから、今日の下山一二三がピックアップされていないといって、憤懣やるかたなしと目くじら立てることもないのだけれど、応援団としては・・・ちょっぴりさびしい。




『下山一二三作品集』

1. ヴァイオリン協奏曲 (2003)
2. 尺八と打楽器のための「フィギュール」(2002)
3. チェロとピアノのための「メディテーション」(1984
4. 邦楽器のための「カタリシス第3番」(1983)
5. ギターのための「N氏へのオマージュ,北緯41度」(1987)
6. ヴァイオリンとピアノのためのMSP (1972)