ロッシーニ『弦楽のためのソナタ全集 6 sonate a quattro』。わずか12才の時の作品。旋律の美しさ、その完成度、達者ぶり。若?書きてなものではございません。天才のワザ。
Gioachino Rossini - String Sonata No. 1 in G major - I. Moderato
過日NHK・FMから流れていた美しい曲がモーツアルトのものと思っていたら、じつは、斯の「ウイリアムテル序曲」のジョアキーノ・ロッシーニ(本名はジョアキーノ・アントーニオ・ロッシーニ Gioachino Antonio Rossini, 1792 - 1868)(ちなみにベートーヴェンの生涯は1770 – 1827)の作品で、しかもその後ネットで調べていて、その曲がわずか12才の時の若?書であると知り、早速図書館のネット借受で手にし聴いてみた。いまさら言うもさらなり、あたりまえのことですが、まさに天才の筆。ところで、若書き、いや、幼な書きというべきか僅か8才の時の作品(フルートソナタや交響曲第一番)が残され、演奏もされて夙に有名なモーツアルト(1756 - 1791)のことは知ってはいたが・・・。冒頭にも言ったように、その印象はモーツアルト(風)だけれど、後の傑作オペラを予期させるところもあり、旋律の美しさ、その完成度、達者ぶり(哀切な響きをもつ緩徐楽章など惚れ惚れするほどの魅力)は、凡庸凡俗のドシロウトがいうのも憚られるけれどまさしく天才。ほんとうに天才というのは、生まれた時から天才で、音楽脳を持って生まれて来るらしい。