yuki-midorinomoriの日記

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ジョージ・クラム『Black Angels (for electric string quartet)』(1970)。イマジネイティブな冥い叫びの響きをもった弦楽四重奏作品。

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Black Angels - George Crumb

           

音楽ブログを綴っていていつも思うのは、投稿者たる私は音源を聴いたうえでの鑑賞記ということで、言葉を紡ぎだすのだけれど、音源を、それもべつに投稿音源でなくてもその作曲者のなんらかの「音」を紹介出来るのと、そうでない場合、やはり音の無い投稿には中途半端な感じが残ってしまう。書物と違って、ブログでは動画等を活用しての説得性の利点(百文!は一聴に如かず)が与えられているのだから(これこそマルチメディア)・・・。ことばだけのアルバム紹介は、どこかむなしさが残る。というわけで、きょうは、たまたまYOUTUBEを覗いていて、このアップロードされている作品の収まったレコードがあったはずということで、引っ張り出してきたのがアメリカの、いわば象徴主義的な作風を特徴とするジョージ・クラムの『Black Angels (for electric string quartet)』(1970)だ。この電子変調された弦楽の音色がなんともオドロオドロしくて冥く、いいかにもタイトルの<ブラック・エンジェル>への直感的イメージにマッチして?いるごとくなのだ。ジョージ・クラムのお得意、独擅場といった趣だ。ちなみにWIKIで検索すると≪黒い天使(くろいてんし Nero Angelo)は、神曲に登場する地獄の使者であり、神に反逆した熾天使の側についた悪しき天使たち。 マレブランケなどの地獄の獄吏よりも格上の存在とされ、「黒きケルビーニ(智天使)」とも呼ばれる。その姿は文字通り全身が黒く、背中にある翼で地獄中を自在に飛び回る。また、地獄を出て現世にも派遣される。 彼らの任務は普通の悪魔がする悪の伝播や誘惑でなく、現世において悪人が死んだ時、その魂を地獄の裁判長ミノスの所に連れて行くことである。≫と説明されている。
【地獄の使者であり、神に反逆した熾天使の側についた悪しき天使たち。】たしかにそうしたことどもを象徴的に思念させる、イマジネイティブな黒い叫びの響きをもった弦楽四重奏作品といえるようだ。



George Crumb 『Black Angels (Images I) (for electric string quartet)』(1970)
The New York String Quartet
Charles Jones『String Quartet No. 6 』,『SONATINA』



ジョージ・クラム関連投稿記事――

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/58672914.html ジョージ・クラム『鯨の声 VOICE OF THE WHALE(Vox Balaenae) 』(1971)ほか。俗界から遠く神秘的雰囲気と古代的玄妙の世界。非合理的でシンボリックな響き。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/57215931.html ジョージ・クラム『Music for a Summer Evening (Makrokosmos Ⅲ)』(1974)。象徴主義的で神秘主義的な音色へのこだわり。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/50553988.html わかりやすいイメージに引き摺られ固着してしまうのが惜しいジョージ・クラムの『MAKROKOSMOS,Volume2』(1973)。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/44739690.html 余韻をもちつつ響きが張りつめて立っている、12の星座の音をキラメかすジョージ・クラム(1929年 - )の『MAKROKOSMOS,Volume1』(1972)

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/50764999.html (1)『THE AVANT GARDE STRING QUARTET in the USA』。聴きものです。再発、廉価NAXOS盤にあり。