武満徹『マイ・ウェイ・オヴ・ライフ,セレモニアル,系図(英語版),弦楽のためのレクイエム,エア』(1997)。雅楽楽器<笙>と洋のフルート。いいですね~。
きのうに引き続き、<笙>奏楽者の宮田まゆみを、図書館蔵書ネット検索していてたまたまヒットしたCDアルバムを取り上げるとしよう。小沢征爾指揮による、武満徹の『マイ・ウェイ・オヴ・ライフ,セレモニアル,系図(英語版),弦楽のためのレクイエム,エア』(1997)。このようなアルバムがあるとは知らなかった。80年央以降の動向にはまったく無知な現代音楽リスナーゆえ、知らなかった!ばかりなのだけれど。ところで借り受けたは良いけれど、案の定、解説書も表紙も何もなし(紛失、破損?)のCD一枚ケースに収まっているのみ(おまけにキズの所為か再生不良もあるという盤だった)。で、内容はと、ネット検索してみたところ、初期代表作『弦楽のためのレクイエム(REQUIEM FOR STRING)』をのぞいて、おのおの作品成立の年代は以下の如くだった。
系図 ―若い人たちのための音楽詩―(Family Tree - Musical Verses for Young People - , 1992年)(少女による語り、管弦楽 - 谷川俊太郎の詩による)
マイ・ウェイ・オブ・ライフ ―マイケル・ヴァイナーの追憶に―(My Way of Life ―In Memory of Michael Vyner―, 1990年)(バリトン、混声合唱、管弦楽 - 田村隆一の詩による)
武満徹の(1930 - 1996)という生涯からみると、旋律への回帰顕著となる、いわば後期作品集といえなくもない。
そんなこともあってか、「マイ・ウェイ・オヴ・ライフ-マイケル・ヴァイナーの追憶に-(バリトン,オーケストラのための)(MY WAY OF LIFE-IN MEMORY OF MICHAEL VYNER-FOR BARITON, MIXED CHORUS AND ORCHESTRA)」(1990年)や「系図-若い人たちのための音楽詩-(語りとオーケストラのための)(英語版)(FAMILY TREE-MUSICAL VERSES FOR YOUNG PEOPLE FOR NARRATOR AND ORCHESTRA)」(1992年)など聴いていると、なんだか、ウォルトディズニーのミュージカルを聴いているようで、甘ったるく、こそばゆい感じがないでもない。これはなんなのか?と思ってしまう。気恥ずかしさがやってくるのだ。けれど、このアルバムでの救いは、やはり「セレモニアル(オーケストラと笙のための)(CEREMONIAL FOR ORCHESTRA WITH SHO)」での、現代雅楽へのすばらしい嗅覚。その奥深い精神性のこもった音色へのすぐれた音響造形感覚を聴けるということのようだ。
さいごにひとこと、いいたくはないけれど、といいつつ我慢ならず言ってしまうけれど、世界の小沢というにはあまりにもお粗末(おおざっぱで緊張感、余韻の感ぜられない)な「弦楽のためのレクイエム(REQUIEM FOR STRING)」だと言って、この稿擱こう。
そんなこともあってか、「マイ・ウェイ・オヴ・ライフ-マイケル・ヴァイナーの追憶に-(バリトン,オーケストラのための)(MY WAY OF LIFE-IN MEMORY OF MICHAEL VYNER-FOR BARITON, MIXED CHORUS AND ORCHESTRA)」(1990年)や「系図-若い人たちのための音楽詩-(語りとオーケストラのための)(英語版)(FAMILY TREE-MUSICAL VERSES FOR YOUNG PEOPLE FOR NARRATOR AND ORCHESTRA)」(1992年)など聴いていると、なんだか、ウォルトディズニーのミュージカルを聴いているようで、甘ったるく、こそばゆい感じがないでもない。これはなんなのか?と思ってしまう。気恥ずかしさがやってくるのだ。けれど、このアルバムでの救いは、やはり「セレモニアル(オーケストラと笙のための)(CEREMONIAL FOR ORCHESTRA WITH SHO)」での、現代雅楽へのすばらしい嗅覚。その奥深い精神性のこもった音色へのすぐれた音響造形感覚を聴けるということのようだ。
さいごにひとこと、いいたくはないけれど、といいつつ我慢ならず言ってしまうけれど、世界の小沢というにはあまりにもお粗末(おおざっぱで緊張感、余韻の感ぜられない)な「弦楽のためのレクイエム(REQUIEM FOR STRING)」だと言って、この稿擱こう。
けれど、このアルバムの名誉のために、もうひとこと。「セレモニアル(オーケストラと笙のための)(CEREMONIAL FOR ORCHESTRA WITH SHO)」(1992年)と、最後のオーレルニコレが吹く「エア(フルートのための)(AIR FOR FLUTE)」(1995年)は作品ともどもパフォーマンスもすばらしい。
収録内容
001.武満徹:セレモニアル(オーケストラと笙のための)(CEREMONIAL FOR ORCHESTRA WITH SHO)
[指揮]小澤征爾
[演奏]サイトウ・キネン・オーケストラ
[指揮]小澤征爾
[演奏]サイトウ・キネン・オーケストラ
003.武満徹:マイ・ウェイ・オヴ・ライフ-マイケル・ヴァイナーの追憶に-(バリトン,オーケストラのための)(MY WAY OF LIFE-IN MEMORY OF MICHAEL VYNER-FOR BARITON, MIXED CHORUS AND ORCHESTRA)
[指揮]小澤征爾
[演奏]サイトウ・キネン・オーケストラ
[指揮]小澤征爾
[演奏]サイトウ・キネン・オーケストラ
005.武満徹:エア(フルートのための)(AIR FOR FLUTE)
[指揮]小澤征爾
[演奏]サイトウ・キネン・オーケストラ
小澤征爾 (OZAWA SEIJI)
演奏
サイトウ・キネン・オーケストラ (SAITO KINEN ORCHESTRA)
[語り]: 小澤征良 (OZAWA SEIRA)
[笙]: 宮田まゆみ (MIYATA MAYUMI)
[ACCORDION]: 御喜美江 (MIKI MIE)
[FL]: オレル・ニコレ (AURELE NICOLET)
[BR]: ドウェイン・クロフト (DWAYNE CROFT)
[指揮]小澤征爾
[演奏]サイトウ・キネン・オーケストラ
(笙)宮田まゆみ
002.武満徹:系図-若い人たちのための音楽詩-(語りとオーケストラのための)(英語版)(FAMILY TREE-MUSICAL VERSES FOR YOUNG PEOPLE FOR NARRATOR AND ORCHESTRA) [指揮]小澤征爾
[演奏]サイトウ・キネン・オーケストラ
003.武満徹:マイ・ウェイ・オヴ・ライフ-マイケル・ヴァイナーの追憶に-(バリトン,オーケストラのための)(MY WAY OF LIFE-IN MEMORY OF MICHAEL VYNER-FOR BARITON, MIXED CHORUS AND ORCHESTRA)
[指揮]小澤征爾
[演奏]サイトウ・キネン・オーケストラ
(BR)ドウェイン・クロフト
004.武満徹:弦楽のためのレクイエム(REQUIEM FOR STRING) [指揮]小澤征爾
[演奏]サイトウ・キネン・オーケストラ
[指揮]小澤征爾
[演奏]サイトウ・キネン・オーケストラ
(FL)オレル・ニコレ
指揮小澤征爾 (OZAWA SEIJI)
演奏
サイトウ・キネン・オーケストラ (SAITO KINEN ORCHESTRA)
[語り]: 小澤征良 (OZAWA SEIRA)
[笙]: 宮田まゆみ (MIYATA MAYUMI)
[ACCORDION]: 御喜美江 (MIKI MIE)
[FL]: オレル・ニコレ (AURELE NICOLET)
[BR]: ドウェイン・クロフト (DWAYNE CROFT)