yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

キース・ジャレット『ケルン・コンサート』(1975)。泣きたくなるような美しさは喩えようも無いくらいメロディアスでセンチメントでピュアーであり、そしてウォームでカントリーの土の匂いがする。歴史的名盤

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Keith Jarrett (1945) - The Köln Concert: Part I

           

≪私は自分で創造できる男だとは思わない。しかし創造への道は目指しているつもりである。私は創造の神を信ずる。事実このアルバムの演奏は、私という媒体を通じて、創造の神から届けられたものである。なしえる限り、俗塵の介入を防ぎ、純粋度を保ったつもりである。こうした作業をした私は何と呼ばれるべきであろうか。創造の神が私を何と呼んでくださったか、私はおぼえていないのである。≫(「ブレーメンローザンヌコンサート」3枚組み・ライナーノーツより)

イメージ 2いささか疲れております(いつもですが)。ということで、今日は文句なしに、誰しもが一度聴いたらそのピアノの美しさに魅入られること必定の素晴らしいアルバム、キースジャレットKeith Jarrett、1945- )のピアノソロアルバム、それも完璧なインプロヴィゼーションでパフォーマンスされたといわれており、それは天上からの贈り物、その響きといいたくなる『ケルン・コンサート』(1975)。冒頭よりの10分程の泣きたくなるような美しさは喩えようも無いくらいメロディアスでセンチメントでピュアーであり、そしてウォームでカントリーの土の匂いがする。明瞭かりやすさ親しみやすさには、いささかの媚びるような嫌味もなく、素直に聴くことができる。これこそがすぐれた音楽であることの証でもあるのだろう。だからこそ天上よりの賜ものとして私たちに響き、心うつのだ。LPにして2枚の長尺にもかかわらず沸きいづる楽想の即興展開を前にして感興のうちに時の過ぎ行くを忘れることだろう。歴史的名盤と、こと今更に言い募る必要があるだろうか。



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