yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

矢野 顕子『長月・神無月』(1976)。テレ隠しなのか、シャイなのか甘えたの様な独特の歌唱とメリハリのある天才的なグルーブ感をもったピアノテクで童謡や歌謡曲、民謡をファンクに愉しむ。

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矢野顕子 / 達者でナ

           

イメージ 2さて、今日は何にしようかなとレコード棚(ありていに言えば本棚)のジャケットを眺めていたら、カラフルでメルヘンチック、ノスタルジックなアルバムが目にとまった。似たような趣をもったジャケットデザイン(きいちのぬりえ)の山下洋輔の「砂山」を以前取上げたけれど、この矢野 顕子(やの あきこ、本名:鈴木 顕子(すずき あきこ)、1955-)のアルバム『長月・神無月』(1976)も、童謡や歌謡曲、民謡を題材に、テレ隠しなのか、甘えたの様な独特の歌唱とメリハリのある天才的なグルーブ感をもったピアノテクを披露して、軽妙洒脱、変てこぶりで愉しく行われたライヴパフォーマンスを収録した音盤だ。沖縄音階(琉球音階)や、よなぬき音階を使っての童謡編曲や、カントリー、ゴスペル、いろいろな民族音階などを駆使し興に任せての編曲?演奏は面白いことこの上ない。子守唄の「風太」など鼓や笛お囃子まで出てくる奇天烈さで興にのせる。とりわけ秀逸は三橋美智也のヒット曲「達者でナ」であった。矢野 顕子のこの歌唱があまりにも奇体独特なので好き嫌いがあるのかもしれないけれど、それをさしおいても才人であることには変わりはない。ともかくピアノセンスは並外れている。音の切れがまことにすばらしく、明瞭クリアー、パンチ、メリハリの効いたグルーブ感で喝采を呼ぶ見事なピアニズムに魅せられることだろう。はつらつとして愉しませ、邪心なき若さに輝いて音楽することを愉しんでいる矢野 顕子。ファンクな日本民謡、童謡、歌謡曲にはこちらも坦懐に愉しむ時間を持てましたというところだ。

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1. あんたがたどこさ(日本わらべ歌)
2. あわて床屋
3. いもむし ごろごろ(日本わらべ歌)
4. 待ちぼうけ
5. アメフリ
6. 相合傘
7. 金太郎
8. あの町この町
9. 風太2
10. 君が代(日本国国家)
11. 達者でナ
12. 絹街道
13. 津軽ツァー
14. ジャイアンツを恋うる歌