yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

壮大にオーケストレーションしつつ流麗なさま、まことに見事。豊麗な音色、響きに酔い、惚れる作品アンリ・デュティーユ『交響曲第2番・ル・ドゥーブル』 (1959) と『メタボール』 (1964)

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Dutilleux : "Metaboles" 1/2

           

イメージ 2アンリ・デュティーユHenri Dutilleux (1916- )は、拙ブログにて既に≪緻密堅固、重厚さももつオーケストレーションが魅力アンリ・ディテューユHenri Dutilleux(1916-)の『交響曲第一番』(1951) ≫とタイトルして取り上げた、また≪ロストロポービチのチェロの響きの艶めく移ろいが、ことのほか官能的に呻き、すすりなき歌う。古典的様式にありながらもオーケストレーションの豊麗とチェロの官能的な絡みは、品格を感じさせる。チェロに酔い、オケの響きに酔う。これまた幾度となく繰り返し演奏される名品であることだろう。≫と括りチェ ロ協奏曲 (1970年)をも取り上げた。いずれもすばらしい響き、オーケストレーションを堪能させてくれた秀作品であった。さていよいよ、現代音楽にのめりこみ音盤蒐集をしていた80年央までのディティーユの最高傑作といわれていた≪いわゆる変奏曲だが、従来の主題と変奏という概念にとらわれず、より自由な変容を目指した作品。≫(WIKIPEDIA)といわれている『メタボール Métaboles』 (1964年) と≪大管弦楽の一部の首席奏者たちが小編成の室内楽として扱われ、二重の編成が対比される。≫(WIKIPEDIA)『交響曲第2番・ル・ドゥーブル』 (1959年)が収録されている。壮大にオーケストレーションしつつも流麗なさま、まことに見事な豊麗な音色、響きに酔い惚れる作品だ。指揮は2作品ともにシャルル・ミュンシュCharles Munch(1891 - 1968)で、演奏は『メタボール Métaboles』がフランス国立管弦楽団(Orchestre national de France)、『交響曲第2番・ル・ドゥーブル』はフランス最古と言われているラムルー管弦楽団である。たぶんイメージ 3作品のもつ素晴らしさがミュンシュの棒により十全に引き出され、いやがうえの作品に仕上がったのだろうと推測する。これ見よがしの実験的な現代書法、華々しい特殊奏法などで書かれてはいない、しかしまた開明性のない嫌味なガチガチの保守的古典的作風でもなく、しなやかな感性で現代書法の昇華結実をしめしたスケールと品格の備えた見事な作品である。中庸、中途半端な折衷的な作品を嫌う、偏頗なアヴァンギャルド、現代音楽ファンの私でさえ感嘆措く能わずの才筆が生み出した傑作であり、是非ともの必聴すべき推奨作品であると思われる。ところで、アンリ・デュティーユの作品に関して素晴らしい記事「知られざる近代の名匠たち」があったので、興味のある方は是非クリックし読んでいただきたいものです。
                              シャルル・ミュンシュCharles Munch