yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

安らぎと落ち着きを与えてくれる≪優美で温か≫な音楽。メンデルスゾーンの『無言歌集』。

イメージ 1

F.Mendelssohn - Song without words in D - J.du Pré

         

フェリックス・メンデルスゾーンFelix Mendelssohn
イメージ 2今日は、たまたまある事情があって急いで購入する羽目になり、しかしこれが思いのほか私の愛聴盤になった廉価CDを取り上げる。子供の受験科目にピアノ実技があり、その選択課題曲の中にこのメンデルスゾーンの『無言歌』の曲が入っていったのだ。ということでショップへ赴きその課題曲が入っているのだけを確認し、店頭に並んでいたこのCDを取り急ぎ手に入れた次第であった。演奏者がどうのこうのではなく、その曲のみを聴くだけの目的で選んだのだった。しかし結局は、受験校の変更余儀なくされ、当の役目は免除されてしまった。空騒ぎであった。そうなると見向きもされないこのCDはわたしの手元に寂しく残されることになった。先にも言ったけれど、これが殊のほか気に入って、以後幾度となくバックグラウンドミュージックとして愛聴する事になったのだ。どこかで何かの折、放送などで耳にはしていたのだろうけれど、このメンデルスゾーンの『無言歌』が、これほど愛され、名作・傑作集であることを知らなかった。≪「無言歌」は、当時のドイツ・ロマン派音楽の中で作曲されたピアノの性格的小品集の中でも、最もよく知られた傑作の1つとなっている。これらの曲は、曲想が優美で温かく、技巧的にも難しくないことから、発表の当初から多くの人々に愛されてきた。≫(WIKIPEDIA)とある。≪技巧的にも難しくない≫という事から基礎的技術習得を判断するための課題曲選定だったのだろう。ところで、まさにこの≪曲想が優美で温か≫いのことば通りで、押し付けがましい主張や劇的展開などなく、耳障りせず、サラッと心落ち着き聴けるのだった。<安らぐ>といったことばがピッタシの曲集だ。想像するだに羨ましい、天賦の才と≪幸福な環境に恵まれたメンデルスゾーンの音楽は、概して明るく優雅で上品であって、苦悩や深刻さを表現したものはほとんどない。また同時代の作曲家のような情熱や奥の深い内容も、彼の音楽にはあまり見られない。しかし、バランスのよい形式や自然で洗練された和声、そして何といっても優美で親しみやすい旋律は、他に類のないメンデルスゾーンの特質である。≫(解説者・諫山隆美)財も才も運も独り占めのこういう恵まれた天才もいる。そしてこのような美質の≪優美で温か≫な音楽とは!。何といったらいいのだろう。