yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

ブーレーズ

ブーレーズ『婚礼の顔、水の太陽、フィギュール・ドゥブル・プリスム』。ウェーベルン以後の無調の戦後が生んだこの硬質の叙情はたまらなく美しい。

Pierre Boulez - Le soleil des eaux もう3年以上も前になるけれど、フランスの3人の作品を集めたアルバムを≪日本の鳥<ツグミ>、<キビタキ>の鳴き声が聴こえるオリヴィエ・メシアンの『管弦楽のためのクロノクロミー』(1960)、ブーレーズの初期作品…

ピエール・ブーレーズ『ピアノソナタ第2番』ほか。すべてが崩壊しつくした大戦直後の敢然の美学の結晶。たとえようもなく冷たく厳しい美しさ。すばらしい・・・。

Boulez- Deuxieme Sonate pour Piano (1/4) by Idil Biret 「氷ばかり艶なるはなし。苅田の原などの朝のうすこほり。古りたる檜皮の軒などのつらら。枯野の草木など、露霜のとぢたる風情、おもしろく、艶にも侍らずや」(心敬『ひとりごと』) 「雪 ち る や…

ピエールブーレーズ『レポンRépons』(1981 - 1984)。テクノロジーによる空間次元の獲得は、さて如何ばかりであっただろう。

Boulez: "Repons" 1/5 (1981-84) 一時期、空間音楽なる試みがしきりに試みられたことがあった。代表的なのがシュトックハウゼンのそれだった。ただ、今日取り上げるピエール・ブーレーズのアルバムでのそれは、そうした時期よりいくぶん後でのものだ。こう…

論理と流動する音列、保守的革新の確固とした情熱、意志のひとピエール・ブーレーズ「シュル・アンシーズSur Incises・3台のピアノ、3台のハープと3つの打楽器のための」(1996-98)ほか。

Boulez - Sur Incises (extract) - Ensemble InterContemporain ピエール・ブーレーズPierre Boulez(1925 - ) 衰え知らぬ、とはこういうのをいうのだろうか。およそ古希を迎えて以後の作品集。 この鋭敏な音色、響きへの研ぎ澄まされた感性。流動する音列…

新興・新大陸のジョン・ケージの<偶然性>に対するヨーロッパ・エスタブリッシュメントのアヴァンギャルド?からの解答。ブレーズの管理された偶然性『Domaines』(1968)

Pierre Boulez - Le soleil des eaux Elizabeth Atherton (soprano), BBC Singers, BBC Symphony Chorus, BBC Symphony Orchestra, Pierre Boulez (conductor) - Barbican Hall, London, 4th November 2005 ピエール・ブレーズPierre Boulez 今日も取り上げ…

冷たい抒情であり抽象的造形美のきわみ。緊張感漂わせた硬質の構造美。ブーレーズ『四重奏のための書・抜粋』(1949-62)。

Pierre Boulez, Livre pour quatuor, Part II, Quatuor Parrenin ピエール・ブーレーズPierre Boulez(1925 - )には、精神の弛緩は無縁なのだろうか。とまで思わしめる、その引き締まった硬質の響きはまことに魅力この上ない。いわゆるトータルセリーによる…

現代音楽の正統的最高水準の、その厳密で緻密なきらめき流動する音色世界を体験、ピエール・ブーレーズ4枚組のCDアルバム。

Boulez - Dérive I - Ensemble Intercontemporain – Eötvös ピエール・ブーレーズPierre Boulez 4枚のCDアルバムが入っており、収録曲の総演奏時間が3時間56分。どうしたものやらと言う感じである。逐次取り上げるにはボリュームがありすぎ、おまけに現代…

抽象的で透きとおった硬質なダイナミズム。引き締まった美しい世界ピエール・ブーレーズ(1925-)の、2台のピアノのための『構造(ストリクチュール)』(1952‐61)

Boulez, Structures pour deux pianos, Livre II ピエール・ブーレーズPierre Boulez まったくの快感とはこういうときにやってくるものだ。なにげなく、針を下ろす!そう、レコードです。(いまやダイヤルは回すものでなく押すものとなった。) ところでレコ…

マウリツィオ・ポリーニで1936年第二次大戦直前のウェーベルン『Variationen Op.27』。1948年大戦直後のブーレーズ『Sonate No.2』を聴く

Pierre Boulez - Piano Sonata No. 2 - I. Extrêmement rapide:Maurizio Pollini, piano さすがというか、素晴らしく美しい、輪郭明瞭に音起つその際立ちは、喩えようもなくビルトォーゾである。もはや古典の域に入りつつあるかのような手慣れた、ロマンテ…

ブーレーズ『ル・マルトー・サン・メートル』(1955)シェーンベルク『ピエロ・リュネール(月に憑かれたピエロ)』(1912)

≪初期には怒れるブーレーズと恐れられ、1940-50年代には「オペラ座を爆破せよ」「シェーンベルクは死んだ」などの過激な発言を繰り返した。(前者の発言では、2001年、スイス警察により一時拘留された。音楽界の常識として見れば半世紀前の論文中の比喩表現…

音楽時空を小気味よく突き進む風情のピエール・ブーレーズ

まことに戦後の現代音楽の傑作のひとつといわれることに異論はないであろう。曲の終決もそうであるが先ずいっとう最初の強烈な一撃に音響空間を鷲づかみにするブーレーズの力技。張りつめた透明感溢れるきらびやかな音のなんとメリハリのあることだろう。引…

ピエール・ブーレーズの無調の知性が創り出す厳しい美とはかくや?

ストックハウゼン、ルイジ・ノーノ、ルチアーノ・ベリオ、これらの作曲家達に、割って入るのがピエール・ブーレーズと言うところだろうか、指揮者として、とりわけストラビンスキーの「火の鳥」、「春の祭典」、の演奏には感動した記憶が鮮明だ。誰しもが圧倒…