yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

クリストバル・ハルフテル「シンポジオンSymposion」ほか。劇的でありつつ、あらゆる先進の作曲書法を総合しようとの構成の試みは情熱に溢れている。フォルテッシモはつんざくほどの音塊で迫ってくる。

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Cristobal Halffter: Symposion, per baritono, coro e orchestra (1968) Prima parte

           

イメージ 2きょう取り上げるスペインの現代音楽作曲家クリストバル・ハルフテルCristóbal Halffter (1930-in Madrid) は、父方の叔父二人(Rodolfo and Ernesto Halffter.)が著名な作曲家という文化的環境を生育の場としたとのことで、そこには作曲家のファリャ、詩人のロルカ、そして画家のダリなどがそこに集いなどしていたそうだ。作曲家自身は幼い頃のこととはいえ、少なからずの影響を受けているだろうと後年振り返って述べているそうである。そりゃそうでしょう。目の当たりにした人物が歴史に残る傑物、天才達なのだから。ま、そんなことはともかく、スペインの音楽とは?との大まかな音響的イメージが結像しないのだけれど、どんなものだろう。ベラスケス、ゴヤ、ダリ、ピカソ、ミロ、タピエス、ファリャ、アルベニス、カザルス、グラナードス、モンポウ・・・?。画家、音楽家の名前を拾い上げては見たものの・・・。さて、きょうのクリストバル・ハルフテルの音響は劇的でありつつ、あらゆる先進の作曲書法を総合しようとの構成の試みは情熱に溢れている。≪1960年にマドリッドで仲間の作曲家たちと、<ムシカ・アピエルタ>(開かれた音楽)というグループを結成し、<セリー音楽をラテン語化する>というマニフェストを出したという≫(解説・武田明倫)のだそうで、当時のスペインの置かれた音楽的状況をしめしてもいようか。ともかくフォルテッシモはつんざくほどの音塊で迫ってくる。繊細余韻のピアニッシモよりは、感性はフォルテの意志の世界なのだろう。


収録曲――
「シンポジオンSymposion・バリトンソロ、混声合唱とオーケストラのための」(1966)
「セクエンシアスSecuencias」(1964)
「リネアス・イ・プントス(20の木管楽器と電気音響) Lineas y Puntos」(1967)



Cristobal Halffter ~ Lineas y Puntos(1967) ~ Part 1