現代音楽とヨーロッパ
アヴァンギャルド・フリージャズを主に聴いていた身にとって、70年以降の
プログレッシヴロックと称されるものの動向はやはり刺激的なものだった。戦後の電子技術の飛躍的発展による、現代音楽の開発獲得した音色創造の果実が斯くポップス世界にまで果敢に結実しているかといった印象は、興味を抱くに十分だった。その意味で
クラフトワークの出現は、その後のテクノ、ノイズミュージックの大きなウネリの先鞭となったといっていいのだろう。拙ブログにもすでに≪
ドイツ・プログレッシヴロック「クラフトワークKraftwerk」。ア
イデアの面白さと、ひらめきの手作り電子アナログ・ロックヒューマン
サウンド2枚組。≫として投稿している。
タンジェリンドリームや
クラウス・シュルツなどのアナログ
シンセサイザーを使っての大掛かりなオーケストラルパフォーマンス志向とは違って、こちらは先の
クラフトワークのタイトルにあるように≪ア
イデアの面白さと、ひらめきの手作り電子アナログ・ロックヒューマン
サウンド≫、いわば現代音楽が切り開いた新しい音色探求ともいえる
ミュージックコンクレートのコンセプトに近く、身近な電子アナログ機器、その操作から生まれる意想外のノイズや、効果を刺激的に
サウンドとするといえようか。なにあろう、このノイズ等の非音楽要素を大胆に楽音として取り入れる画期をなしたのは
ジョン・ケージだった。もちろんそうした試みは
未来派の
ルイジ・ルッソロたちが新芸術運動の一環として行ってはいたが・・・。そうです。
ダダであった。
音楽史上とことんダダした
ジョン・ケージ。その彼が切り開いた芸術創造の自由の沃野を軽やかに突き進んで行ったのがテクノ、ノイズ(インダストリアルなぞという名称づけのあることなどつい最近知ったばかり)ロックだったと大雑把に言えるだろうか。その際立つグループのひとつが今日取り上げる
スロッビング・グリッスルだ、としてもいいのだろう。先日投稿した≪
スロッビング・グリッスル『The Second Annual Report』(1977)。ノイ
ジーな混沌
サウンドへの情念的志向。現代音楽を聞いていた身にとっても間違いなく刺激的な一枚だった。≫そのアルバムに次ぐ2作目といわれているのが、今日取り上げるアルバム『D.o.A: The Third and Final Report 』(1978年)。一年違いでのアルバムリリースだから、その音作りには変わるところはない。言葉が紡げず繰り返しで情けないことだけど≪ノイ
ジーな混沌
サウンドへの情念的志向。現代音楽を聞いていた身にとっても間違いなく刺激的≫であり、時代的、技術的制約のし
からしむる?手作り、アナログ電子変換
サウンド、ノイズであるがゆえの感性の人間臭さがおもしろく聴けるのだ。
1. I.B.M.
2. Hit by a Rock
3. United
4. Valley of the Shadow of Death
5. Dead on Arrival
6. Weeping
7. Hamburger Lady
8. Hometime
9. AB/7A
10. E-Coli
11. Death Threats
12. Walls of Sound
13. Blood on the Floor