yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

朝夕の冷気とともに虫すだく秋の音連れ。侘びしく「ちん、ちん、ちん」とカネタタキ。


   暁(あかとき)は 宵 よ り 淋(さび)し 鉦 叩(かねたたき)  星野立子

やっと、朝夕の冷気に寝苦しさ忘れ秋を感じる季節となりました。それとともに、ひときわ心にしみいるすだく虫の音が秋の夜長を謳う。そんな中、虫の音にしてはいささかの侘びしさ、寂しさを誘う「ちん、ちん、ちん」と、まるで鉦(カネ)を叩いてる風情の音が秋の闇の静寂を際立たせる。深けゆく秋の夜の、この寡黙なカネタタキ(鉦叩)の「ちん、ちん、ちん」は、いのちの残照の鉦のごとく、わが心の隙間風とともに侘びしく鳴りひびく。

「どこにゐるのか、わからない、けれど、どこかに、もう来てる。」金子みすゞ・秋は一夜に)