yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

『日本の民族音楽・日本のハーモニー』。神への祈り、神への訴ったえ(ウッタエ)。リズム、フシ(節)をつけて歌うのだった。ともかく、人は歌ってきた、歌いつづけてきた。

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Shingon Shomyo Taiyo

         

    自 然 は 長 い 沈 黙 を 嫌 う  ルイス・トマス

拙ブログのYOUTUBEの館で、たびたび民族音楽の動画を貼り付けて共に鑑賞し、愉しんているのだけれど、こと我が国の伝統芸能などに関しては、アップロード動画が少ない所為かその機会をつくれずにいた。ということもあり、いつものネットでの図書館借受を利用して『日本の民族音楽・日本のハーモニー』のCDを取り寄せ聴かせてもらった。ところが、公共財の乱雑取り扱いの例の如く解説書が破損紛失でCDとケースのみであった。内容詳細がまったく分からない。ネット検索して、かろうじて収録作品リストだけは確認することができた。(ネット確認等の手立てのないリスナーはどうするのでしょう)「ハーモニー」とタイトルにあるように、器楽にせよ、声にせよ、集団でのパフォーマンスを集めた一枚となっているのだ。日本の音楽の源流といわれている≪仏典に節をつけたもので儀礼に用いられる宗教音楽≫(WIKI)の声明(しょうみょう)にはじまり、雅楽、盲僧琵琶、江戸木遣り、奄美アイヌ・カムイの、皆で和しての踊り、歌などが収録されている。まったく、何かにつけて歌っているといった印象なのだ。人は、一体いつから歌いはじめたのだろうなどと思ってしまうほどだ。歌には、神へ祈り願う、また、神にそれを訴ったう(ウッタウ)(語呂合わせのようで胡散臭くもあるが)の意味をもつと言われているそうだけれど、たしかに神をめぐっての歌の出現であるのはまず間違いのないことだろう。≪歌は訴えであるとは、よく言われることである。はるか古代に、日本人は神に訴えるときに、通常とは異なる発声で声を上げた。今でも和歌を詠むときには特別な調子がある。この古代の発声が、歌の起源であるという。≫(ネットページ氏より引用)また、以前、アフリカの民族音楽に動物の集団の鳴き声を人が擬いて、集合して歌い交わしているのを聴いたことがあるけれど、あれはなんなのだろう。まさか動物へ成り代わる願望ゆえでもあるまい。そこには何か霊的なものを指し示しているのではと思ったけれど・・・、さてどうなんだろう。ともかく、人は歌ってきた、歌いつづけてきた。その歌の根っこになにが在るにせよ、(起源を忘れ)歌いつづけてきた。リズム、フシ(節)をつけて歌うのだった。

「・・・リズミカルな音は、他の何かあるものを概括して述べているのかもしれない。何かあるものとは、原始の追憶、つまり、原始の混沌の中にあった非生命的で無秩序なものを、信じがたいほど秩序立った生命の舞踊へと変形した記録のことである。モロヴィッツは仮設として、熱力学の言葉で次のような例を挙げている。太陽という無尽蔵の源からエネルギーの定常流が、地球を経由して宇宙という無限の大きさの溜めに流れ込むとすると、数学的に言えば、必然的に物を秩序性の増大した状態へと編制するのであると。その結果生ずる平衡作用は休みなく原子を結合させ、集合させて、ますます複雑性の高い分子をつくっていく働きを持ち、やがて、エネルギーの蓄積と放出のサイクルが出現するのである。仮想的な非平衡定常状態においては、太陽エネルギーは地球へ流れて、単に放散してしまうのではないという。それは、物に対称性を与え、蓋然性失わせるとともに、エントロピーに抗して、いわば再配列と分子の装飾という絶え間なく変化する状態へと物質を引き揚げる。熱力学的には、このような再編制が不可避的に起るに違いない。このようなシステムにおいては、結果は危なっかしい種類の秩序である。常に混沌状態に落下しそうな状態であり、太陽からの間断ない持続的なエネルギーに支えられてぎりぎりのところで蓋然性に抵抗しているのである。もし、このような過程を表現する音が存在するのだとすれば、その音は私の耳にはブランデンブルグ協奏曲の編曲のような響きを持つものであろう。しかし、その同じ出来事を昆虫のリズム、長い律動的で急調の節回しをもつ鳥の歌、クジラの歌、移住中の百万匹のバッタが作る調整振動、そして、ゴリラの胸とシロアリの頭とタイコウオの浮袋のティンパニによっても、思い起こすができるだろうかと考えてみる余地が私には残されている。おかしなことだが、熱力学の定量的な一モデル系に対しては、数学を通じて音楽から借用した「大カノン・アンサンブル」という呼び名がふさわしい。逆にそれは、譜面さえあれば、私が心に考えていることを演奏してくれるだろう。」(ルイス・トマス「細胞から大宇宙へ」平凡社より)


『日本の民族音楽・日本のハーモニー』

奈良薬師寺花会式の声明
於:薬師寺/称名悔過(前段・後段)

双調調子*雅楽
於:伶楽舎

安摩乱声*雅楽
於:伶楽舎

古楽乱声*雅楽
於:伶楽舎

初夜 大尊師の貝
於:東大寺

初夜 宝号
於:東大寺

地神経
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%90%B5%E7%90%B6 盲僧琵琶
http://www.geocities.jp/nihonngo2002inkym/Houjun/houjun_2.htm このボタンを押すと釈文(しゃくもん)の一部が聴けます

江戸木遣り
江戸火消し出初式木遣り~どんしょめ

赤木名観音堂
奄美佐仁の八月踊り

カムイ・ウポポ
坐り唄

カムイ・ウポポ
坐り唄

サロルン・リムセ
鶴の舞


声明関連、投稿記事――
http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/33743486.html 経典読誦のユニゾンに仏の世界へと生きる、すべての邦歌曲の淵源 『真言・声明』

http://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/edc8/deao/syomyo-k/index.html 声明『如来唄(にょらいばい)・散華(さんげ)』

http://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/edc8/deao/index.html 日本の伝統音楽。28のコーナーに分けて声の音楽「歌唱」(音源)の紹介。

盲僧琵琶
http://museum.city.fukuoka.jp/je/html/231-240/239/239_02.htm 盲僧琵琶
http://www.geocities.jp/nihonngo2002inkym/Houjun/houjun_2.htm このボタンを押すと釈文(しゃくもん)の一部が聴けます


Ainu, First People of Japan, The Original & First Japanese