yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

ペーター・ブロッツマントリオと15人の子供たち『Free jazz und kinder』(1972)。思いもかけぬ爆発的な怒涛の騒然としたパフォーマンスが随所にアナーキーに噴出する。

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Death Rattle-Peter Brotzmann/Bill Laswell

          

イメージ 2フリージャズと15人の子供たち『Free jazz und kinder』(1972)。演奏を子供たちに一方的に聴かせるといったよくある企画のものではなく、8歳から11歳までの子供たちがアコースティックな楽器やら音の出るもろもろの音源を自由に使えるようにセッティングしての、大人のフリージャズメンとのコラボレーションを愉しむといった趣向。その大人というのがペーター・ブロッツマン、フレッド・ハン・ホーヴ、それにハン・ベニンクといった、極め付きのアヴァンギャルド・フリーの3人。そして楽器の扱える子ばかりではなさそうな子供たち15人。フリーだから別に取り決めがあるわけではなく双方がいわば好き勝手に音を奏でているといった風情ではある。大人のジャズメンが子供たちの楽器いじりに触発されて、果たしてどこまで遊び興じられるかとばかりにパフォーマンスしているのか、あるいは子供たちが、はじめて聴くフリージャズに倣って音楽の決まりごとから自由に愉しく楽器を奏でているのか、そこいらの事はどうもよくわからない。子供=偶然をもたらすものとすれば、思いもかけぬ爆発的な怒涛の騒然としたパフォーマンスが随所にアナーキーに噴出するのもその効果なのかも知れない。子供たちとアヴァンギャルド・フリーの先鋭、ブロッツマントリオのコラボドキュメントとしての資料的価値はもちろんあるのだろうけれど・・・。パフォーマンス良し悪し云々のものではなさそうだ。ひたすらなる制御不能な混沌・・・。シングル盤、いわゆるEPドーナツ盤2枚見開き様で制作されたもの。その見開きにこうした催しの意図等の説明がドイツ語のみで細かく記されているのだけれど、当方の語学不如意には詳細不明だ。(こちらのサイトに全文がそのまま掲載イメージ 3されているので語学堪能の方、時間の許される方はどうぞ解読してください。)スピーカーで聴いていた時にはさほどと思わなかったけれど、ヘッドフォーンでは≪爆発的な怒涛の騒然としたパフォーマンス≫のランダムさが興味深く聴けたことの印象を記してこの稿擱えよう。(ヘッドフォーンあるいはヴォリュームマックスで聴くべきものなのかもしれない)まさにアナーキーそのものだ。



FMP S1/2 『Free jazz und kinder』

Brötzmann/Van Hove/Bennink
Peter Brötzmann, saxophone; Fred Van Hove, piano; Han Bennink, percussion; 15 children.
Free jazz und kinder parts A to D, split over four single sides.
Recorded April 1972, Akademie der Künste, Berlin.

A Free Jazz und Kinder - Part 1 6:31
B Free Jazz und Kinder - Part 2 6:32
C Free Jazz und Kinder - Part 3 6:30
D Free Jazz und Kinder - Part 4 6:30