yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

ヴィトルド・ルトスワフスキ晩年の『ピアノ協奏曲ほか』。洗練と高み!この揺るぎなさ!。音色の豊麗緻密。重層するオーケストレーションの厚み。凡百と聞き比べれば、その瞭然の質的差異にナットクすることだろう。

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Lutoslawski - Piano Concerto (I) ca.110:Krystian Zimmerman - Piano

            

イメージ 2やっと予約順番が廻って、借り受けることができた。いつも利用している中央図書館のネット貸し出しのCD。どういう事情でか、いつネットを覗いても貸し出し中でおよそ半年以上待った待望の音盤だ。ヴィトルド・ルトスワフスキ晩年の作品集。買えばいいというものの、借り受けて鑑賞できるのが分かっていては、なかなかそうとはいかない。懐具合もある。たぶんネがケチなのだろう。それと幾度も聴く機会が与えられている古典と違って現代音楽の場合は、機会が限られている所為か、ともかく一度は兎にも角にも聴くことが先決となる。現代音楽は最初の出会いのスリリングさがたまらなく魅力なのだ。名曲鑑賞のようにたてつづけに幾度も聴くといったものではない。さてその作品集。作曲者自作自演(指揮)で、なおかつ、ソリストが、ピアノのクリスティアン・ツィマーマン。それにヴァイオリンのアンネ=ゾフィー・ムター。それぞれの作品がこれら名手に献呈されているそうで、それだけでも興趣をさそうというものだ。まず、現代の作品なのに・・・。≪「伝統に少しずつ新しさを加味する」姿勢が、新旧問わず多くの聴衆からの賛辞を受けた最大の要因である。≫(WIKI)とあるごとく、ありがちな特殊奏法満載の派手さからは程遠いのに、凡庸退屈を感じさせないこの洗練と高み!この揺るぎなさ!。音色の豊麗緻密。重層するオーケストレーションの厚み。凡百と聞き比べれば、その瞭然の質的差異にナットクすることだろう。ブーレーズや、このルトスワフスキの音を前にすると、武満という我が誇りを持つとはいえ、感嘆措く能(あた)わず、やはりたじろがせるものがありはしないだろうか。



ルトスワフスキ『ピアノ協奏曲ほか』
1. ピアノ協奏曲~クリスティアン・ツィマーマンに捧ぐ (1987)
2. ヴァイオリンと管弦楽のためのパルティータ~アンネ=ゾフィー・ムターに捧ぐ (1988)
3. チェーン2(ヴァイオリンと管弦楽のための対話)~パウル・ザッハーに捧ぐ (1986)



Lutoslawski, Partita (Part 1/3)