yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

ルチャーノ・シリオ?Luciano Cilio『Dell'Universo Assente』。まことに繊細、切ないまでのフラジャイルな音楽。

イメージ 1

             上のジャケット写真は合成です

Luciano Cilio - Secondo Quadro della Conoscenza (da "Dialoghi del presente";)

               

     なぜ、弱さは強さよりも深いのか?  松岡正剛「フラジャイル」

イメージ 2先日の散財するはめになった中古CDショップで手にしたうちの一枚。ルチャーノ・シリオ(読みはこれでいいのだろうか?ギョエテ、バッチ読みになっていないだろうか。)Luciano Cilioという≪1950年ナポリ生まれ、1983年に自殺により他界をしてしまった作曲家≫の作品集。生き辛かったのだろう。まことに繊細、切ないまでの音楽。強く生きていてはこんな音楽に魅入られることはないだろうとまで思わせるフラジャイル fragileな音楽。松岡正剛は≪「弱さとは、強さの反対ではなく、ただそれだけで魅力的な何か」。≫≪「弱さ」を「強さ」からの一方的な縮退だとか、尻尾をまいた敗走だとはおもっていない。むしろ弱々しいことそれ自体の中に、なにか格別な、とうてい無視しがたい消息が隠れているとおもっている。結論を言うようだが、「弱さ」は「強さ」の欠如ではない。「弱さ」というそれ自体の特徴をもった劇的でピアニッシモな現象なのである。それは、些細でこわれやすく、はかなくて脆弱で、あとずさりするような異質を秘め、大半の論理から逸脱するような未知の振動体でしかないようなのに、ときに深すぎるほど大胆で、とびきり過敏な超越をあらわすものなのだ。部分でしかなく、引きちぎられた断片でしかないようなのに、ときに全体をおびやかし、総体に抵抗する透明な微細力をもっているのである≫(松岡正剛「フラジャイル fragile」筑摩書房)まさに、弱々しく繊細寡黙な響きとともにこのことばがやってくる。

イメージ 3
   使命、すでにそれがひとつの弱点である。
   意識、それがすでにひとつの弱点である。
              ――三島由紀夫

   敗北の美学のみが永続的だ。
   敗北を理解しない者は敗者だ。
   人がもしこの極意を、この美学を、
   この敗者の美学を理解しなかったなら、
   その人は何にも理解しなかった人である。
              ――ジャン・コクトー

          (松岡正剛「フラジャイル」より)


Dell'Universo Assente』
http://www.die-schachtel.com/editions/ds7.htm Luciano Cilio(全11曲試聴できます

1.Primo quadro "della conoscenza" (da "Dialoghi del presente"
2.Secondo quadro (da "Dialoghi del presente"
3.Terzo quadro (da "Dialoghi del presente"
4.Quarto quadro "dell'universo assente" (da "Dialoghi del presente"
5.Interludio (da "Dialoghi del presente"
6.Della conoscenza (originale versione inedita)
7.Studio per fiati (originale inedito)
8.Suiff (frammento)
9.Liebesleid (frammento inedito)
10.Terzo quadro (trascrizione e pianoforte Girolamo De Simone)
11.4ª Sonata (trascrizione e pianoforte Girolamo De Simone)



Cilio - De Simone, Sonata numero 4