yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

アート・アンサンブル・オブ・シカゴ『Live At Mandel Hall』(1974)2枚組。表現主義アフロアメリカンフリージャズ≪われわれは希望を歌い/喜びを歌う/そして絶望を歌い/悲しみを歌う≫

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Art Ensemble of Chicago, Paris 1969 - People in Sorrow (4/4)

          
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イメージ 2私にとって70年代の先鋭の極致ヨーロッパ・フリージャズと唯一拮抗していたアメリカン・ジャズは今日取り上げるアート・アンサンブル・オブ・シカゴのみだった。いまあらためて断言できる。60年後半よりのヨーロッパでの爆発的な演奏活動を終えて帰国すぐの2枚組みのライヴアルバム『Live At Mandel Hall』(1972)を聴いてなおさらそう思う。あえて表現主義ジャズと言っておこうか。あながち間違った規定ではないだろう。シリアスなアフロアメリカンジャズと言っておこうか。スイングしてりゃご機嫌のメインストリームジャズファンははっきりいってお呼びではない。いや縁遠いと言っておこう。それらのスイングリラクゼーションジャズも生きる領域があろうというのも私は否定しはしない。ただ私は興味がないだけだ。もちろんたまには息抜きに聴きますが。

「われわれは<フリージャズ>でのように自由ではない/戦争がなくなるまでは/われわれは<フリージャズ>でのように自由ではない/われわれ黒人とすべての人々が/<いっしょになる>ことができるまでは/われわれは<フリージャズ>でのように自由ではない/すべての人々が/<愛の何たるか>を知るまでは/それでもわれわれは希望を歌い/喜びを歌う/そして絶望を歌い/悲しみを歌う――アート・アンサンブルのために」
                      ジョセフ・ジャーマンJoseph Jarman
                           (清水俊彦訳)

そうなのだ。こうしたメッセージがそのラディカルな表現主義アフロアメリカンジャズのコレクティブインプロヴィゼーションに鳴り響いているのだ。悲しいまでに彼らのフリージャズは裏返しの自由でしかないのだ。

われわれは希望を歌い/喜びを歌う/そして絶望を歌い/悲しみを歌う

「・・・談話ですむことなら、楽器に移すよりも、口でしゃべった方がいい。口でしゃべる以上のことをいおうとするから、私は楽器をつかう。」(エリック・ドルフィー



Art Ensemble of Chicago, The Delmark DS 432/433 (LP) Title:『Live At Mandel Hall』Recorded: 1/15/1972 at Mandel Hall, University of Chicago, Chicago, IL Released: 1974 With: Roscoe Mitchell, Soprano Sax, Alto Sax, Tenor Sax, Bass Sax, Flute,
Percussion
Joseph Jarman, Soprano Sax, Alto Sax, Tenor Sax, Baritone Sax, Bassoon,
Flute, Percussion, Clarinet, Oboe, Sopranino Sax
Lester Bowie, Trumpet, Flugelhorn, Percussion, Bass Drum
Malachi Favors Maghostut, Bass, Melodica, Percussion, Electric Bass,
Zither
Famoudou Don Moye, Drums, Percussion
Contents: 1) Duffvipels
2) Checkmate / Dautalty
3) Dautalty
4) Dautalty / Mata Kimasu (We'll Come Again)