yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

『グリニッチ・ヴィレッジのアルバート・アイラー』。思い込みを破砕するに十分なエネルギーと、ジャズすることの情熱・パッションと愛を歌い上げる激しいコレクティヴパフォーマンスに満ちていて驚いた。

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Albert Ayler - Our Prayer

               

イメージ 2虚心坦懐という言葉がある。思い込みを捨て素直な心で事にあたれということなのだろう。まさしく、その教えを思い知ることとなった。アルバート・アイラー Albert Ayler(1936 - 1970)の『グリニッチ・ヴィレッジのアルバート・アイラー In Greenwich Village』(1966年)がそれだ。劣悪な、センスのないジャケットデザイン(時代がそうさせたのか)が災いしていることもあるかも知れないが、なかなか手が伸びなかった。それと、いままでにも、かの時代を画期した傑作といわれている『Spiritual Unity』(1964年)や、ラストレコーディングとされている70年フランス・マグー美術館でのライブコンサート2枚組みなど幾度となく聴いたりして、投稿の気構えはあったのだけれど、いまいち乗り切れなかったのだった。ようするに破天の試みの熱気が伝わってこないのだった。しょうじき、こんなものか?との思いが抜けなかったのだ。ということもあって、いささか敬遠のきらいがあったといえようか。トラディショナルな親しみのある旋律へのこだわりなどに、ダダ的解体のヨーロッパフリーにのめり込んでいた身には、フリーと謂うもそのことが何か吹っ切れのなさを感じたりしていたのだ。けれど、こと、この今日取り上げる『グリニッチ・ヴィレッジのアルバート・アイラー』は、そうした思い込みを破砕するに十分なエネルギーとジャズすることの情熱・パッションと愛を歌い上げる激しいコレクティヴパフォーマンスに満ちていて驚いたのだった。(ちなみにヴァイオリンなどすばらしい相乗加速だ)わたしには、先のパリでの「ラストレコーディング」やら「Spiritual Unity」よりは、こちらの方がその迸る熱気と意気に満ち溢れていて聴き応えがあるように思われるけれど・・・さて、どんなものだろうか。冒頭に言ったごとくの虚心坦懐にそれら前掲アルバムを聴きなおして後日ブログ投稿しようと思った次第だ。



『グリニッチ・ヴィレッジのアルバート・アイラー In Greenwich Village』(1966年)

(A) Donald Ayler (tp), Albert Ayler (ts), Michel Sampson (vln), Joel Freedman (cello), Alan Silva (b), Bill Folwell (b), Beaver Harris (d)
(B) Donald Ayler (tp), Albert Ayler (ts), Michel Sampson (vln), Joel Freedman (cello), Bill Folwell (b), Henry Grimes (b), Beaver Harris (d)

1. フォー・ジョン・コルトレーン For John Coltrane
2. チェンジ・ハズ・カム Change Has Come
3. トゥルース・イズ・マーチング・イン Truth Is Marching In
4. アワー・プレイヤー Our Prayer



Albert Ayler Trio Spiritual Unity (3/4)