yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

音色の多彩と芳醇、精神の緊張を湛えた美しさ。ジルベール・アミ(1936-)『STROPHE』(1964-66)『SONATA PIAN`E FORTE』(1974)

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今日は、先日久方ぶりに取り上げたジルベール・アミGilbert Amy(1936-)の拙ブログでの3枚目の紹介アルバムとなる。ソプラノとオーケストラのための『STROPHE』(1964-66)と、ソプラノ、メゾソプラノと12楽器のための『SONATA PIAN`E FORTE』(1974)の2曲が入ったもの。ピエール・ブーレーズの後任として現代音楽普及の場ドメーヌ・ミュージカルの音楽監督を託されただけあるといってよいのか、その創り出す音色の多彩と芳醇、精神の緊張を湛えた美しさには、さすがのものがある。テキストはルネ・シャールの詩句から採られているとのことで、有ったはずと、参照しようと邦訳詩集を探したが、見つからなかった。ほんとうに探し物は必ずといっていいほど肝心な時に手元にないものだ。アルバム両開き全面フランス語ゆえ詳細不明のままの鑑賞である。オーソドックスなセリー作風でもこれぐらい音が鮮明に起ち、生き生きしているのを斯くまで完成度高く聴かされると、個人の力量もさることながら、伝統のなせるところなのかなとも思わないでもない。ブーレーズの角を取って丸くし、且つ芳醇にした響きといえるだろうか。ひじょうに気分よろしく浸れる現代音楽で、堅実と知性と品をそなえた、心地よさを感じ取れる良質の現代音楽である。ブーレーズの傑作『ル・マルトー・サンメートル(主なき槌)』のよさが了解のうちに入っている方には是非とも手にとり聴いていただきたい作曲家であり、作品である。





ブーレーズ『ル・マルトー・サン・メートル』(1955)、マイブログ――
http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/36800881.html